夜間中学その日その日 (1065) 夜間中学卒業者の会
- journalistworld0
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髙野雅夫さん追悼の会報告(1) 2025.12.20
髙野雅夫さん追悼の会を2025年11月29日開催することができた。髙野さんはいつもおるものだと思い込んでいた。亡くなること考えたことがなかったという声を何人もの方からお聞きした。
「夜間中学開設25年、さらに増設を髙野雅夫さん人権賞と出版を祝って」(1994/12/4・大阪市立菅南中学校体育館)を開催した時、出席いただきスピーチをいただいた玉本格、岩井貞雄、五島庸一、持永保、爲山喜一郎さん、井口正俊府議、田中市会議員など多くの方々が鬼籍に入られている。その訃報を聞くたび髙野さんは、「半世紀だからなぁ」と感慨深げに話されていた。

何人もの方から追悼の会開催のお声をいただいていたが、全国人権・同和教育研究大会の開催日程にあわせ、大会一日目の夕刻に開催することになった。髙野さんは研究大会に参加され、全国区で知己を得られていたこともあり、大阪に集まられる日程に合わせた。すると夜間中学在校生が参加しにくい日時ではないかとおしかりを受けた。企画の段階で言葉の意味が十分理解できない在校生が多くなっている状況で夜間中学在校生は別途開催との意見もあったが、あの組み立ての中で、致し方なかったのか、夜間中学現場で議論いただきたいと考えている。
開催準備と並行して追悼冊子「夜間中学は人間としての誇りと権利を奪い返す闘いの場だ ‼―髙野雅夫さんの想いを受け継ぎ決意を新たにする集い―」を編集発行することができた。以下の内容で60㌻。
1. 髙野雅夫の主張 「10枚の掲示物」 2. 再び「死刑宣告」に怒り/夜間中学の原点は天王寺夜間中学にある、守ってください 3. 夜間中学は人間としての誇りと権利を奪い返す闘いの場だ‼ 髙野雅夫さんを追悼する 夜間中学卒業者の会 /「こやしの思想」の魂とDNAを受け継ぎ」 萬稀 (朝鮮語+翻訳文)
4. 髙野雅夫 自筆年譜 5. わらじ通信(1968.10.11・金・晴)/ 자립通信 No.6-2 ルンプロ元年/자립通信 沖縄No.17 ルンプロ元年 6. 証言映画「夜間中学生」 7. 髙野雅夫夜間中学新聞報道 8. テレビ ラジオ出演番組
9. 髙野雅夫 収録出版物 10. 寄稿 ・父の背中 /髙野 大 ・学ぶことは人権なんや、基本的人権なんや/門脇勝 ・夜間中学生の像などが保管できる資料館を/ 柳花錫 ・感謝するとともに、その活動に敬服いたします/ 兪敬愛 ・夜間中学は、人間としての誇りと権利を奪い返す闘いの場だ/ 笹山輝代 ・同窓会に託された遺言書 / 辻野宇起江 ・「夜間中学の父」と呼ばれた髙野雅夫さん / 大西良子 ・夜間中学や読み書き教室は、自然にできたのではない /吉﨑なおみ ・髙野さん最後のコトバ「「夜間中学の原点はこの天王寺夜間中学にある」/高君子 ・髙野さん、元気でまた会いましょう/ 梁富郎 ・髙野雅夫 追悼文/ 金城 実 ・髙野雅夫さんへ /戸田 雅威 ・髙野雅夫さんとの不思議なご縁 / 水本浩典 ・私の知る髙野雅夫 / 平沼 諭 ・髙野雅夫さんは「差別者」か /川瀬俊治 ・髙野雅夫という生きざま / 今西富幸 ・髙野雅夫さんとのこと/細川英輔 11. 弔電
1975年『자립チャリップ』出版以降に焦点を当て編集をおこなった。巻頭で紹介した 髙野雅夫の主張 「10枚の掲示物」は髙野さんが全紙大のカレンダーの裏に色マジックを用いて仕上げた掲示物で、読者に髙野さんがどんな語りかけをするか思い浮かべていただくためカラ-印刷をお願いした。
冊子を手にされた方からさっそく意見をいただいた。よくまとめていただいたが、人権賞受賞のこと、三宅島の「生闘学舎」建設記録の記述が抜けているとの指摘であった。実は生前、『敗者復活戦 生闘学舎자립建設記録』を調べ、学習会で疑問点を髙野さんにぶつけることを何回かおこなっている最中あった。この解明は残されている。しかし、三宅島の建設作業に参加された方が、追悼の準備に駆け付けて頂いた。建設記録に記載された内容を鮮やかに説明されたのには正直驚いた。突然の私たちの問いに、記述にある内容をそのまま語られた。
追悼の集いにカンボジアから参加いただいた萬稀さんの寄稿「『こやしの思想』の魂とDNAを受け継ぎ」 にも驚いた。髙野さんの“さわやかに野垂れ死ぬ”の意味するところをきっちり理解され実行されている。韓国の識字法が立法化される時、萬稀さんは次のように記されている。
「私は文解教育を進める地位と機会の提供を受けました。しかし、世俗的な賛美の誘惑に耐えられる『髙野雅夫の“コヤシの思想”』の魂とDNAを受け継ぎ、『ダメだ!』と拒みました。私は2012年にカンボジアに渡りました」。
筆者のような生半可な姿勢を質した髙野さんの主張と重なる萬稀さんの主張に衝撃を受けた。
この冊子入用の方ご連絡いただければ(1000円+郵送料230円)でお分けすることができます 【 メール zengo1214@hotmail.com 】。


























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