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夜間中学その日その日 (1066)     夜間中学資料情報室

  • journalistworld0
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

 髙野雅夫さん追悼の会報告(2)

 萬稀さん報告  韓国の文解教育                 2025.12.26

 2025年12月25日は髙野さん86歳の誕生日であった。3年前のこの日、神戸学院大学髙野雅夫夜間中学資料室で開かれた研究会の後、水本浩典先生が準備された誕生日ケーキを参加者もいただいた。笑みを浮かべ口に運ばれて、花を見ても、真っ先にこれは食べれるかどうかを考えたと引揚当時のことを話されていた。

 

 カンボジアから22時間かけて追悼の会に参加いただいた萬稀(元全国文解成人基礎教育協議会代表)は12/6の公開学習会の中で髙野雅夫さんについて次のような話をされた。

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 私はクリスチャンです。髙野雅夫先生とイエス様は似た点が3つあります。①誕生日が12月25日。 ②子どもの時、正規の学校に通っておられませんでしたが素晴らしい夢と知恵をもって生きてこられました。 ③非常に高く深い愛を持っておられました。自分のすべての命を疎外された人々の為に捧げられました。そして私はイエスと髙野雅夫先生の魂とDNAをもって文解の世の中の為に生きて死ぬでしょう。

 

 さらに続けて、パワーポイントで投影した次の画面をみんなで朗読した。

 

 『「お金さえあればいい」「楽しければいい」「自分さえ良ければいい」今はそのような時代なのかもしれません。だからこそ、世界を支配する「タネの思想」の闇の中から「コヤシの思想」が浮かび上がるのは歴史の必然なのです。「コヤシの思想」が炎のように21世紀に世界中に拡がっていく様子を想像してみてください。まさしく壮大なロマンに他ならないでしょう。私たちのこの列に合流してください。そして私の生き方を最後まで見守ってください。スー・スー‼』

 

 参加者は一つ一つ内容を確認しうなずき、声を出して読んだ。最後のカンボジア語のスー・スーはFight・Fightの意味だ。

 

別の場面で、筆者は萬稀さんのことを“韓国の髙野雅夫”という表現で紹介したが、大変失礼なことをいってしまったと後悔していた。今回の来日で準備いただいたパワ―ポイントの発表を聞きながら、髙野雅夫さんの想いとこだわりを理解されていることに驚いた。髙野さんは「3」にこだわりがある。「わが母校荒川九中夜間の世界に誇る三原則」「生きる・闘う・学ぶ」「今まで自分を支え続けてくれた原点になる三つの顔は?」…。萬稀さんはその「3つ」を押さえて発言されている。

  

 韓国文解教育の現況について報告があった。一つは「平生教育(生涯学習)法の改正(2007/12/14)があり、文解教育ではなく第39条、40条の記述は文解教育を矮小化する「文字解読教育」だと様々な問題点が指摘されていた。しかし、2014年にそれを改正し、「文字解読+社会的・文化的基礎生活能力」として文解教育に修正された。二つ目に2016年、国家文解教育センターが設けられ、市・道文解教育センターが17か所。支援機関が484か所(2023年)設け、学力認定+生活文解を行っている。各地の文解教室で83,323名が学んでいる。


国家文解教育センターはリテラシーについて「読み書き能力だけでなく、人間の生活の最も基本的な能力であり、すべての教育の基盤でもある。これは個人の教育を受ける権利を実現するために必要な基本的前提です。これは人間の成長、社会経済的発展、民主的価値の実現のために備えるべき基本的な能力でありすべての市民が持つべき「権利」です。と明確に記述されている。


国家文解教育センターの任務として次のように紹介があった。

①   各地文解教室の運営支援  

②   成人学習者の小学校、中学校の学歴認定

③   成人向けのカスタマイズ教育課程 ・デジタルリテラシー ・基礎英語 ・情報リテラシー(スマートホン、コンプーターアプリの活用 

④   基礎的な読み書き能力の診断

⑤   3年ごとの成人の読み書き能力調査を行うなう。

 

 追求のあゆみを止めず、文解教育の改正に努力されてきたことの報告があった。

翻って、日本はどうなっているのか?問われている。

 
 
 

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