top of page

夜間中学その日その日 (486)     Journalist World ジャーナリスト・ワールド

  • アリ通信編集委員会
  • 2017年3月4日
  • 読了時間: 3分

大阪府教育庁との話合い(2017.02.26)

「暖かい日でよかったですね。遠い豊中にお越しいただいてありがとうございます」司会者はこのように挨拶、大阪府教育庁との話合いを進行していった。近年この日は、冷たい雨の日が多かった。話合いのあと、参加者は統一募集活動を行う。この日は、梅田周辺で行うのだ。

この日までに集めた「就学援助・補食給食の府負担復活を求める署名」54958筆を手交した。箱谷(近畿夜間中学校生徒会連合会)会長は要求書を力強くゆっくり読み上げ、「安心して学べるようにしてください」と話した。府教育庁担当者は「確かに受け取りました」と語り、署名の厚い束を受け取った。

教育機会確保法の公布施行を受け、「納得のいく回答が欲しい」との会長の発言に答え、担当者は「国の動きを受け、きちっと答えられるところと、そうでないところは持ち帰る」と答えた。

夜間中学生は①入学資格、広報活動、②学習内容、学習環境、③就学援助・補食給食、④東大阪の夜間中学について。4本の柱で意見発表を行い、柱ごと、担当者の回答を求めた。

夜間中学生17人が自らの体験を語り、意見を述べた。

「人生で今が一番楽しい。小学校の途中から学校に行けなくなり、形式卒業となり社会に出た。母、弟、家のために働いた」「30歳の時、『オレ、なんのために生きてきたのか』と自問し、夜間中学を尋ねたが、断られ、別の学びの場を見つけ、学んでいた」。もしかしたら、夜間中学に入学できるかもしれないと教えてもらい学校を訪れた。国の制度が変り、夜間中学生になった。「まさか、夢のような」「これからの人生を考えられるようになった」と自らの体験を語った。そして「不登校を経験した人たちには、特に学校に対して敷居が高い。教育委員会や学校は、やわらかく対応して欲しい。府県を超えて、近くの夜間中学に入学できるようにしてほしい」

 「12月、私たちも東京へ行って、文科省の人たちに会い、昼の子どもたちと同じように、就学援助ができるようにして欲しいといってきた。法律ができ、大阪府として新しく何ができるのか聞かせて欲しい」

 「子どもの時、弟を背負って学校へいった、続けて学校へ来るように優しく声をかけてくれた当時の担任の先生の声に押され、3月、夜間中学を卒業、定時制に行くつもりだ。夜間中学で学んだことを何倍に、自分ができる活動で恩返ししたい。就学援助、補食給食、大阪府も少しでも負担できませんか?」

 説得力のある夜間中学生の主張に担当者は次のように答えた。

 「国にお願いしていくことが府の仕事だ。今のところ、国が(学齢超過の人に)就学援助を行うと聞いていない。もし、国が負担すると(言うのなら)、市町村に府もできるよう話をしていく」「大阪府が設置している府立の支援学校、中高一貫校そして夜間の定時制高校には就労支援として給食の補助を行っている」と、このことに初めて触れ、「今後も(給食の)復活に向け幅広く検討していく」と含みのある発言を行った。

 都道府県立学校にも、市区町村立の学校と同様、国が人件費の三分の一補助を行うと変更したのを受け、夜間中学に対し国の支援ができるように変更してきている流れが背景にあるのかもしれない。

 司会の夜間中学生から、「話合いの感想を」求められた担当者は「引き続き一緒に考えていきます。今までの大阪の夜間中学を後退させないようにがんばることが府の一番の役割だ」と語った。

 山口生徒会副会長は「これから全国に夜間中学が増えていく。大阪にはリーダーの役割がある。夜間中学の見本になるようがんばりましょう」とまとめを行った。この日、会場には夜間中学生の発言に耳を傾ける、髙野雅夫さんの姿があった。

 このあと、参加者は、大阪・梅田周辺で夜間中学生募集活動をおこなった。

「夜間中学生を募集しています」「子どもの時、学ぶことができなかったひと、私たちと一緒に夜間中学で勉強しませんか」。夜間中学生が手渡すビラを受け取り、「がんばってください」と声が返ってきた。Journalist Worldジャーナリスト ワールド

 
 
 

Comments


Featued Posts 
Recent Posts 
Find Me On
  • Facebook Long Shadow
  • Twitter Long Shadow
  • YouTube Long Shadow
  • Instagram Long Shadow
Other Favotite PR Blogs
Serach By Tags

© 2023 by Make Some Noise. Proudly created with Wix.com

  • Facebook Clean Grey
  • Instagram Clean Grey
  • Twitter Clean Grey
  • YouTube Clean Grey
bottom of page