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夜間中学その日その日 (691)

  • 夜間中学資料情報室 白井善吾
  • 2020年6月18日
  • 読了時間: 3分

産経新聞連載「夜間中学はいま」を読んで  (その9)

 国・文科省、地方教育行政、取材記者、パネル展を見た市民、映画監督の語りを引用する。大阪府教育長が府立中央図書館(東大阪)で開かれた、産経新聞連載「夜間中学はいま」のパネル展(2019.10.16~11.06)を参観した。そのとき「教育に携わる者として、そう思っていただける場を提供できるのはうれしい」と語った。夜間中学が存在することの意義について、パネル展を見た人たちの感想を耳にして、(夜間中学の場を府として)提供できていることを「うれしい」と語ったのだと推察する。

4.国・文科省

・疲弊する現場の声に、文部科学省も昨年度から夜間中学の教員を対象にした研修などで日本語指導の充実を図るが、「まだ改善の余地はある」と認めている(連載㉑)

5.地方教育行政

・松戸市教育委員会は、開校した、みらい分校を「生涯学習と学校教育の新たな結束点」と位置づけている(連載⑥)

・酒井(大阪)府教育長「教育に携わる者として、そう思っていただける場を提供できるのはうれしい」(パネル展)

6.記者

・「生徒の多くが夜間中学について、厳しい人生の先にたどり着けたかけがえのない場所だと感じている」(パネル展)

・増加する外国人とどう向き合うのか。問われているのは夜間中学だけでなく、日本社会そのものでもある。(連載㉑)

・夜間中学は、時代状況を映し出すとして「社会の鏡」「社会の縮図」ともいわれる(2019.03.19)

7. パネル展を見た人は

・自分自身の学生時代を「受け身の学び」だったと振り返る女性も「夜間中学生は『何かを知りたい、学びたい』という自分から求める学びになって自分の体全身で吸収されているのだろう。私も皆様のように貪欲に知る事、感じる事を求めて生きていきたい」(パネル展)

・いつまでも『学びたい』『これを知ってうれしい』『わからないことも挑戦してみよう』というお心ばえには尊敬の気持ちしかありません。願わくば自分もそういう純な思いを取り戻したいものです」「来てよかった。より頑張ろうという気持ちになれた」「真剣なまなざしとはじけるような笑顔に出逢うことができました」「生徒たちが熱心に学ぶ姿がとてもよくわかりました」(パネル展)

8.映像監督

① 夜間中学は

・「夜間中学って、どんなところですか」。そう尋ねると、「ゆったりとした時間が流れる不思議なところ」という答えが返ってきた(連載⑰)

・教室にいる人たちは「みな同じ仲間」という安心感をもっている、と感じた(連載⑰)

・「学校で知識を覚え、テストがあり、その中でおちこぼれも出る。それが当たり前だと思っていました」だが夜間中学は違った。「ゆったりとした空気が流れている。学校全体に生徒が理解するまで、その人に合わせて学んでいくんだという空気が漂っている」(連載⑰)

・「夜間中学にあらわれる矛盾や課題は、社会の問題にもつながっている。夜間中学をもっとつくる必要があると思いますが、そのときには、多様な学びを受け止められる中身のある学校にしなくてはならない」(連載⑰)

  • 学ぶということは

・「学ぶということは、実生活のコミュニケーションを大きく変えるものなんだと感動しました」(連載⑰)

 「パネル展」の企画は取材当初からあったものではないと推測するが、連載が進む中で、構想が持ち上がったのではないか。撮影し、掲載した写真や記事だけでなく、夜間中学生の作品が数多く展示されていた。連載に登場した夜間中学生は、自分だけが学ぶのではなく、多くの人に私たちと一緒に学びましょうという願いを、夜間中学の明日に期待し、レンズに眼差しを向けたんだとパネル展を見て私は確信している。

 
 
 

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