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夜間中学その日その日 (723)

  • 砦編集委員会
  • 2020年11月24日
  • 読了時間: 3分

水平社博物館第21回企画展「夜間中学生」

 水平社博物館(奈良県御所市柏原235-2)の企画展「夜間中学生」が迫ってきた(2020.12.04~2020.4.4)。水平社博物館の玄関をふりかえると、西光寺が静かなたたずまいを見せ、入館者の背を押す。西光寺は水平社宣言を起草した西光万吉の生家だ。全国水平社創立大会は大正11年(1922)3月3日、京都岡崎公会堂で行なわれ、もうすぐ100年を迎える。

 博物館から、「夜間中学生」展に資料提供の依頼が髙野雅夫さんにあった。リバティー大阪の「夜間中学生」展の展示をご覧になった水平社博物館からの依頼だ。50点あまりの資料を提供したが、髙野さんが水平社宣言を鉄筆でガリを切り、謄写版で印刷したビラ、水平社宣言との出逢いを母校荒川九中の在校生書いた“わらじ通信(1967.11.8)”に書いた官製葉書、そして夜間中学卒業記念に母校からもらった辞書に書いた『同情を憎み、矛盾に怒れ‼ ・・』の3点が含まれている。

 リバティー大阪の特別展「夜間中学生」の展示記録を映像で記録しておこうということになり、田中寬治さんに収録をお願いした。展示物を前にして髙野さんが問いかけに答えて、「水平社宣言」は〝俺たちの生涯を決めた羅針盤だ〟といった。少し紹介する。

「(全国行脚で)いろいろな出会いがあったが、水平社宣言との出逢いは?」との問いかけに答えて、

髙野:「生まれて初めて、水平社宣言を読んだとき、なんというか、心臓がパクパクするような、頭をガーンと殴られたようなショックを受けて‥。『人間を勦るかの如き運動は、かえつて多くの兄弟を堕落させた事を想へば』の部分と『吾々がエタである事を誇り得る時が来たのだ』の二つが、意味はよくわからなかったけど、頭をガーンと殴られた。どんなことがあっても大学に行きたいという、大学への未練が残っていたんだけど、『あっ、これなんだ!俺たちが生きる道はこれなんだ!』。

二つの部分、『人間を勦るかの如き運動』は〝言動〟といってもいいんだけど、〝文字とコトバ〟といってもいいんだけど、それはやっぱり、『多くの兄弟を堕落さしたことを思えば』。この部分は、77歳のいまになっても、なんか、だんだん本当の意味が分かるようになってきた。まさに、『吾々が夜間中学生であることを誇りうる時が来た』」。

髙野:「1964年3月18日、卒業式に、荒川九中の伝統である、辞書をもらう。その辞書に、あのように書いた」

  『同情を憎み、矛盾に怒れ‼ 

生まれて初めて 学校の机に座った。

   生まれて初めて 差別のない社会を知った

       1964.3.18 荒川九中 二部  卒業式の日に タカノ』

髙野:「あれを書いた時も、なんか意味はまったく分からなくて書いたんだけど、それと何というか、ドッキングするというか、それと重なり合うというか、だから今でも、肌身離さず持っている。水平社宣言こそが、このキャプションにもつけたんだけど、〝俺たちの生涯を決めた羅針盤だ〟。だから今でも100年前にこの宣言を出したすごさ。特に『人間を勦るかの如き運動は、かへつて多くの兄弟を堕落させた』。ぼくはもう世界に通じる本質の原点だと今でも想っている」

髙野さんはインタビューにこのように語っている。水平社博物館ではどんな展示になっているか、開催が待ち遠しい。

夜間中学卒業者の会は水平社博物館で次の日程で現地学習会を行なう予定だ

       2020.12.19(土曜)11:00~15:00

        企画展「夜間中学生」展示参観(11:00~12:00)

        髙野雅夫さんを囲んで語りあう会(13:00~15:00)

 語りあう会の会場は 御所市人権センター会議室(博物館右隣)

 
 
 
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