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夜間中学その日その日 (1033)   砦通信編集委員会

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  • 17 時間前
  • 読了時間: 5分

更新日:10 時間前

天王寺夜間中学同窓会総会            2025.06.07


 6月1日、56回を迎える天王寺夜間中学同窓会総会が天王寺中学で、開かれた。60名を超える参加者は、再会を語り合う卒業生、教職員〈17名〉さらに介護支援員そして髙野雅夫さんの姿もあった。なつかしい顔がそろい、会場は一層賑やかであった。

 同窓会長は「第56回 同窓会総会を開くことでき、会えることができることとてもうれしい。私たちはみんなで天王寺教室がなくならないように、また、校舎を建て替えるときに、ここに夜間の教室を実現させるよう、力を合わせてとりくみたい」とあいさつを行った。

同窓会役員は「私を変えてくれた、天王寺夜間中学を残したいという気持ちでいっぱいだ」「天王寺夜間中学は私の人生を変えてくれました。夜間中学を守るために自分にできることは何でもやります」「『学び』という大きな武器を持たせてくれたことで、今の私があります」「同窓会を来年も開くことができるようにみんなと力を合わせていこうとおもいます」と語った。

 活動報告があった。過去1年間、50回の活動が記載されていた。17回の役員会を持ち、天王寺・文の里夜間中学の存続を求めて市会議員や国会議員との面談、教育委員会担当者との話し合い、市議会への陳情書提出と議会傍聴。そして、同窓会総会を例年通り、天王寺中学で行うことの校長との話し合いを5回持ったことの報告があった。

 この日の総会を迎えることができたのは同窓会役員の天王寺中学校長との粘り強い取り組みがあった。これまで通り、6月の第一日曜に同窓会総会開催を申し入れに行った役員に、校長は「天王寺教室は心和中学であり、天王寺中学とは関係がない、今までのようには同窓会のために教室を貸すことができない」「先生方の『働き方改革』もあり、休日に職員を働かせることはできない」と話があったという。このことを聞いた時、我が耳を疑った。どこからこんな発言になったのか。理解できない。同窓会役員会は学校長とあわせて、5回の話し合いを経て56回同窓会総会実現にこぎつけた。

 「カギの管理・校舎の管理」のことも理由に挙がったという。子どもたちを中心に据えた学校現場はそんな割り切り方はできない現実がある中、教職員は悩みながら、折り合いをつけながら、様々な工夫をしながら取り組みを行っている。校長の発言は、夜間中学がこれまでの天王寺中学の「教育」に果たしてきている役割をどのように考えておられるのかお伺いしたい。私たちが面談を求めた頃とは、考えられない校長の発言だ。

 こんなことがあった。統廃合の動きがあることを知って天王寺夜間中学を訪ねた私たちに、クラブ活動中の昼の子どもたちは寄ってきて「なにかあったんですか?」と尋ねてきた。理由を説明すると「天王寺夜間中学がなくなること知らなかった。私たちと同じ天王寺中学の生徒やないか。先生からもそんなことは聞いていない」と話しかけてきた。登校してきた夜間中学生とあいさつを交わしている子どもたちの普通の反応であった。髙田郁さんの『星の教室』にも夜間中学生が街頭に立って生徒募集活動をしていた時、昼の子どもたちが生徒募集ビラを受け取って、一緒に募集活動を行った記述がある。夜間中学の学びの場が昼の子どもたちに及ぼしてきていることを校長さんや教育委員会担当者の眼は受け止めることが出来なくなってしまったのだろうか。

 この報告を聞いた同窓生は在籍時の学校側の対応との違いに言葉がなかった。所用のため、遅れて参加した筆者は挨拶を終えると、退出された校長の挨拶の内容はわからない。同窓会総会資料で、この経緯を知ることになった筆者の手は発言を求めて勝手に手が上がりマイクを持っていた。「『天王寺中学とは関係がない』この校長さんの発言をどのように考えるか」、カギ管理の役割をされている方に尋ねたが、予想通りの発言しか返ってこなかった。

 同窓生の声に押され、髙野雅夫さんはつぎのように挨拶を行った。

 

 同窓生の光輝く顔に出会い胸がいっぱいです。東京荒川九中夜間中学を卒業して、半世紀になります。ここには3つの原則があります。一つは夜間中学は本音をぶつけ合う道場だ。二つ目は陰口を叩くな、言いたいことがあったら直接、本人に言え。そして夜間中学に来た仲間はたとえ人殺しになっても仲間だ。の三つです。天王寺夜間中学は生徒自身の力でつくった学校です。つぶしてはなりません。夜間中学は日本の教育の歴史を切り拓いていくところで、大阪の歴史を夜間中学の歴史を創ってきたところです。夜間中学の原点はこの天王寺にあります。同窓会が中心になって、守ってください、カムサハムニダ。

 

 今の天王寺中学の雰囲気を在籍時の母校荒川九中夜間中学の原則を示して猛省を求めた。髙野さんの発言を受け、同窓生は意見を述べ合った。2年前の同窓会総会である退職した教員が「在職しているとき、発言すべきであったが」と前置きして「大阪市教育委員会のやり方は本当におかしい。今までいってきたことと正反対のことを言ってきている。天王寺夜間中学は存続しないといけない」との発言があった。おかしいと思いながら、そのことが言えない学校現場の雰囲気が語られた。


 “決然立って武装せよ ‼”連帯して闘う。歴史はこのように展開してきた。

夜間中学校舎に行くと、いまも使用されている、天王寺教室も運動場の土ぼこりで、窓ガラスも曇り、室内を見ることができなかった。登校してくる夜間中学生を出迎えていた共同作品「夜間中学生の像」も元気をなくした姿に私には見えた。校舎の片隅では新校舎建設のためのボーリング調査が始まっていた。

 
 
 

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