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夜間中学その日その日 (841)   夜間中学資料情報室

  • journalistworld0
  • 2022年9月4日
  • 読了時間: 4分

第41回夜間中学増設運動全国交流集会(1)    2022.09.05


 毎年、「8月最後の土・日に逢いましょう」を合言葉に、1982年に始まった交流集会は今年、41回を迎えた。学習者を中心に、自主、公立の各夜間中学関係 がつどい、とりくみを報告、議論する集まりである。岡山自主夜間中学の教室(岡山市)を会場に、8/27~28開催された。



 全国から自主夜間中学生 2校、21名。公立夜間中学生4校、7名。公立5校から教員13名。スタッフ、関係者とあわせて30団体、100人を超える人たちが集まった。今回参加できなかった団体も含め、34団体から活動報告が事前にメールで配信された。

 石打さん(関西代表)の基調報告のあと、岡山自主夜間中学生3人が「あきらめていた学びにチャレンジする喜び」「学校で人との交流を学んだ」「将来の夢」を発表した。

 当日示されたプログラムは①新しく開校した夜間中学と開校予定地域の状況の報告。②大阪で生起している夜間中学廃校策動と不登校特例校の実態。③2020国勢調査分析。④社会教育で行なわれている夜間中学の実態と動向などを中心テーマに報告と討論が行なわれた。学習者は1日目、全体会のあと岡山市内のフィールドワーク。2日目は語り合い。そのあと、 合同まとめの会の進行であった。1日目夜、参加者は交流を深めた。


① では4月開校した三豊市立高瀬夜間中学、相模原市立大野南夜間中学、札幌市立星友館夜間中学、来年開校予定の福島市、千葉市、姫路市、北九州市、2019年に開校した川口市、松戸市の夜間中学。高知育てる会、そして自主夜間中学の活動を開始した栃木、山口から報告を受けた。

 札幌市教育委員会は開校1年前から、担当者を配置、準備を進めた。札幌自主夜間中学の実践に学ぶとりくみを半年以上行なった。「札幌市公立夜間中学設置基本計画」に書き込んで、自主夜間中学の経験を十分反映させ、後退させない基本計画が出来上がった。「学校協議会」に夜間中学生5名が加わり、学習者の想いが反映できるようになっている。教育行政に夜間中学への理解を促すため、「(行政に)熱を注入していく」ことが重要ではないか。

② 近畿夜間中学校生徒会連合会門脇会長が、全国から寄せられた、統廃合反対の署名のお礼を冒頭話した。市の教育委員会から「まだ、ええ返事をもらっていない」。「2校の先生を大幅に入れ替え、計画を進めようとしている」。夜間中学は「明日を生きていくための大切な場所」「87歳の入学生が『これが学校の机、これが学校の椅子』となぜながら言っていた。学びたいときにそこにあるもの」と語った。教員から、「大阪市はずるい、統廃合する理由を明らかにせず、進めている」「厳しい状況だが守っていきたい」「市教委の計画はずさんで」「反対の声をあげることが大切で、内からも外からもがんばりたい」と報告した。

③ 義務教育未修了の人数が58,444人と北海道が、都道府県別で最多だった。70歳以上が90%を占め、戦争が大きく影響している。外地から引揚げてきた人たちが、北海道の開拓へ送り出されてきた。そのことは国勢調査の結果にはっきりと示された地域が北海道にはあると報告があった。行政は何もしない。国勢調査の数字に命を吹き込み、政策に生かしていく、夜間中学関係者のとりくみが重要だ。その分析の一例が大阪府、大阪市を例に報告があった。

④ 社会教育の領域で「夜間学校」「学び直しの教室」「ミニ夜間中学」と名付けてとりくみが行われている。岡山県(津山・倉敷・岡山・備前)、岡山市内2箇所、総社市、和歌山県内4箇所、三重県内2箇所、高松市、大分市、苫小牧市などが実施している。運営維持費が、学校教育としての夜間中学より圧倒的に少ない経費で運営できること。行政は毎日通えない人たちのことを考えてとか、将来的には夜間中学設置を想定してと説明しているが、社会教育で運営する動きは留意しないといけない。


 スタッフ、学習者合同のまとめの会では「修業年限が厳しく、夜間中学生の立場になって先生たちは考えてくれていない」「夜間中学生徒会が必要でその役割が重要である」「他の夜間中学とたくさん交流がしたい」「夜間中学はただ勉強するだけでなく、人と人とのコミュニケーションが大切な場所だ」「自主、公立夜間中学の(運営)費用についても考えたい」など発表があった。

 国立国語研究所が70年ぶりに識字調査を岡山自主夜間中学で実施した。その結果、25名の生徒の約2割が「日常生活の読み書きに困っている状況」であることが分かった。との報告があった。

 開催の準備と運営にご苦労をいただいた現地岡山自主夜間中学のみなさん本当にありがとうございました。暑い中、街角に立って、会場への案内をいただきました。1日目の懇親会、手作りの料理も暖かさが伝わってきました。


マスコミの取材もあり、NHK 瀬戸内海放送、関西テレビ、山陽新聞 共同通信配信で地方紙にも掲載された。(つづく)


 
 
 

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