夜間中学その日その日 (855) 砦通信編集委員会
- journalistworld0
- 2022年11月27日
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勉強してください!“先生方”!
夜間中学が今なんであるのか、誰がつくったか 2022.11.28
全国の公立、自主の夜間中学教職員、学習者、市民、関係者が参加して、第68回全国夜間中学校研究大会が2022年11月17~18日、埼玉県川口市で開催された。

近畿夜間中学校生徒会連合会も各夜間中学から夜間中学生が参加した。冒頭の全体会でも、積極的に発言した。文の里・天王寺夜間中学の廃校阻止に立ち上がった生徒会のとりくみを報告し、全国から寄せられた2校存続に向けた約5万筆の署名の協力に感謝を述べた。
一日目の昼の休憩時、夜間中学生は、願いや想いをまとめた文を携え、研究大会に参加していた、文科省/初等中等教育局・初等中等教育企画課・教育制度改革室:前田幸宣室長に面談を求めた。
最初に、生徒会連合会会長は「永岡文科大臣に、わたしたちの想いを書いた文をお渡し下さい」と手交した。そのあと、参加した各夜間中学生は想いを語っていった。
「もっと夜間中学を増やさないといけないときに、大阪市はどうして夜間中学をつぶすのか。わたしたちが学べる場所は夜間中学しかない。しかし、学校へは行きたいけど働かないと生きていけない。来年は入学したいという人がいっぱいいます」
「夜間中学があることを知らない人がたくさんいるんです」
「駅に近く、通いやすい夜間中学を大阪市はなくそうとしています」
「外国人、日本人、関係ない。この国で生きていくためには文字がいる。武器になる文字が必要なんです」
「これから来る人たちのために、夜間中学はなかったらあかんのです」
「大阪市はわたしたちの先輩たちがつくった夜間中学をどうしてつぶすのか納得できません」
「夜間中学がなぜあるのかわかってほしい。学校にたどり着けていない人が、堂々と胸張って通える、夜間中学づくりをやってもらいたい」
「昼の小学校と交流して、文字を書くことにより、コトバが生まれてくる話しをしたとき、子どもたちがうなずいてくれた」
「わたしたちが、夜間中学で勉強している姿を、勉強できていない若い人たちにみてもらいたい。そして一緒に考えたい。夜間中学にたくさんの子どもたちや、学校の先生たちが訪問してくれます」
「学びたいときに学べなかった人はわたしたちで最後にしてほしい」
うなずきながら各夜間中学生の発言を聞いていた、文科省/教育制度改革 室の前田室長は次のように応じた。

いろいろお話いただきまして、ありがとうございます。文科省も設置促進をと言っていますので夜間中学を増やしていきたいと考えております。
国勢調査の結果も、大阪市には阿倍野とかいろいろ区がありますけども、どこか一箇所に集中しているのではなく、広くニーズがあるというのはわかっていますので、文部科学省も夜間中学の設置促進は、進めて行きたいと思っております。
予算の話ですが、建物が旧くなったという場合、夜間中学に限らず、問い合わせは、施設担当の方でも「できるか、できないか」ということは、問い合わせは実際、いろんな自治体からいただいておりますので、そこは何かコミュニケーションが取れない状態ではないと思います。必要な予算、我々が持っている範囲で、できることはさせていただきます。
先ほどの説明(全体会の文科省特別報告)の時にもしましたけれども、夜間中学を促進していくというのが我々の務めだと思っています。広報を、先ほどテレビでもっと宣伝をという話がありました。なかなか行政がホームページに載せても知らん人は見にこれないので、いろいろな媒体を使ってやらないかんと思っています。今いろいろ考えているところです。
外国人の方も東京にある在外公館などにもお願いをして、夜間中学の存在をまず知ってほしい。生活上の留意事項の中に夜間中学のことを、日本語ではわからないので翻訳してお渡ししています。
これからも空白地域、きょうも日本地図でお見せしましたけども、もっともっと受け皿を増やす必要があると思っています。文科省のスタンスとしては、精一杯やって行きたいというのが基本的な姿勢です。
国勢調査の結果も、これまで小学校・中学校と分けずに聞いていたので、わからなかったのですが、(義務教育未修了になった)数字が明らかになった。
県で1校つくっても広かったら通えない。広域のところでどうするのかという問題もある。例えばサテライト教室みたいなのを置いて、本校から授業を配信するという、そういう方法はどうだろうということもある。
やっぱり学校へ行って、もっと先生と関わりたいということだったら、どうしても対面の授業になる。そうすると、広い県に1校しかなかったら、通うのに、2時間、3時間かけたら夜帰れない。それであれば本校とサテライトするとか、そういうことも考えて行く必要があるのではないか。いずれにしても空白地域をなくしたい。
夜間中学生の問いかけにこのように答えた。
あっという間の30分の面談であった。永岡文科大臣の応答を待ちたい。
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