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夜間中学その日その日 (961)    砦通信編集委員会

  • journalistworld0
  • 2024年3月31日
  • 読了時間: 5分

   差別越境と大阪の夜間中学誕生(2)        2024.03.31

 「差別越境と大阪の夜間中学誕生」(夜間中学その日その日 956)で「夜間中学開設運動を実行し、大阪府、大阪市に突きつける髙野さんの主張に応えるには、府・市の姿勢が一方で差別教育を行ないながら、もう一方で生存権、学習権の保障を求める夜間中学開設に応えることは大きな矛盾をもっていた。夜間中学の開設を求める市民運動が拡がっていく包囲網に応える方法として、大阪市教育委員会は開設に後ろ向きな、国の姿勢がある中で、生まれる空き教室に反差別の象徴である夜間中学を開設する決断をした。差別教育からの決別を夜間中学の開設をする起死回生の決断だと言っていいのではないだろうか」と記述した。読者から出典の問い合わせがあった。



 夜間中学資料情報室所蔵の新聞記事一覧では見つからなかったので、記事を書くにあたり、府立図書館のマイクロフィルムから該当記事の複写を依頼した。しかし、50年以上経過するとマイクロフィルムも「昆布」状態で複写できない可能性があると担当者の事前の説明あったが、何とか複写をいただくことが出来た。

 1968年当時、大阪市役所内の教育委員会担当者間でたった“独りの圧力団体”と呼ばれていた、髙野雅夫氏の“わらじ通信”の記述にもあるが、改めて「起死回生の決断」の表現について髙野氏から同意を得た。

 読み難い複写の文字起こしをいただいたので紹介する。



 

まるで“越境入学料”“名門”の天王寺中学

三年越し、余分に寄付を割当てる

一年生に二万円  「新校舎の返済に」

                    (毎日新聞 1968年9月18日)

 各地で越境入学を締出そうという動きが活発化しているが、大阪市内でもとくに越境生徒の多い大阪市天王寺区北河掘町、市立天王寺中学校(阪倉清太郎校長)で、施設充実費名目の校納金が越境  組父兄に余分に割当てられている事実がわかり「これでは“越境入学金”だ」と批判が起きている。

 

 天王寺中は毎年一流高校へ多くの合格者を出す大阪市内でも有数の“名門校“。高い進学率をたよって校区外からの”もぐり入学“が跡をたたず、千七百七十人の在校生のうち約四割の七百人が越境入学者とみられている。

 “越境入学金”を割当てたのは夏休み直前に開いた父兄との成績懇談会のときで、一年生(十三学級)の各クラスPTA委員が越境生徒の父兄に「慣例によってみなさん施設充実費の本年度分五百万円を負担していただきたい」と“寄付申込み”をさせた。

 この“施設充実費”は一昨年同校PTAが銀行から千五百万円借りて建てた三階建て特別校舎(図書室、ミシン室、教育相談室)の建設費償還に当てるもの。計画当初から新入生のうち越境入学者の父兄がおもになって年間五百万円ずつを負担する、という暗黙の了解があったと言われ、ことしが償還の最終年度だった。

 ことしの一年生には越境生徒が約二百五十人おり、借入れ金利子(約五十万円)を含めた償還額五百五十万円を頭割りすると約二万二千円。ある学級では担任の先生が「好ましくないことだが……」と前置きして、越境入学者父兄に三ランクの標準金額を示し、足りない分は一般生徒の父兄に負担してもらうという方法を説明した。

 昨年までは父兄側も「これで越境入学を大目に見てもらえるならー」という気持ち強く、“越境公認料”と割切っている父兄もいて予定額は順調に集まったという。

 しかし大阪市教委がこのほど越境入学締出しのきびしい方針をきめたため、一部の父兄の間で動揺が起き「もしお金を払ってもいつ追出されるかわからない。越境生徒の父兄を差別して負担させること自体おかしいではないか」と問題を市教委へ持込んだ。

 学校側は「越境入学の父兄に寄付をお願いしていたことは事実だが、一般の父兄からも寄付申出があり、差別はしていないつもりだ。決して強制的ではない」(斎藤祐弘教頭の話)といっているが、ほかに肩代わりする財源もないので、五百五十万円だけはどうしても納めなければ———とジレンマに立った形。父兄側には「越境入学すると入学金が二万円ほどいる」と前からうわさを聞いていた人も多く、ほとんどが寄付申込みに応じたという。

 大阪市教委は、天王寺中がPTA負担で図書室などを建てることについては、学校側からの申請で四十一年に承認ずみ。しかし負担を越境入学者の父兄中心にしていたことは知らされておらず「これでは越境入学金とみなされても仕方がない」とびっくり。とくにこの寄付が越境入学の“免罪符”の形になり、越境入学を助長してきた疑いのある点を重視、近く天王寺中に対し、越境入学者を中心に寄付負担させるような方法はやめるよう指示する。 

越境入学金は誤解

 佐野嘉郎天王寺中PTA会長の話

 父兄負担軽減や越境入学がとくにやかましいおりなので、寄付の集め方に無理のないよう気をつけた。末端でどのような誤解が生じているか知らないが、こんどの寄付依頼を“越境入学金”のようにとられることは心外で、一般入学者と越境入学者を差別して寄付を割当てた事実はない。



 

 大阪市内の夜間中学再編を打ち出した教育委員会事務局担当者者の思考回路には、1968年の行政担当者が夜間中学開設に賭けた、差別教育に決別し、学習権を保障する夜間中学のとりくみに大阪市の教育の進路を定めた想いは受け継がれていないのだろうか。

 夜間中学卒業者の会は文の里・天王寺夜間中学存続の運動をご支援いただいた仲間と共に存続の闘いを追求していきます。

 
 
 

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