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夜間中学その日その日 (992) 砦通信編集委員会

    大阪市会「2024.9.19 教育こども委員会」   2024.09.22

 この日の教育子ども委員会には教育委員会が提案した議案5件の審査、15件の陳情書審査、そして議題外質問として「教員の働き方改革の推進」など合わせて2時間強の会議時間であった。

 夜間中学に関する陳情は天王寺夜間中学同窓会提出の「大阪市の夜間中学校に関する陳情」と夜間中学卒業者の会が提出した「天王寺夜間中学開校に至る歴史とあゆみに学び大阪市立夜間中学の充実と発展を求める陳情」2件が話し合われた。



 天王寺同窓会の陳情書は4月、開校した心和夜間中学で入学を断った事例を挙げ、2校の統廃合による弊害を指摘した。一つ目に、統廃合して学校がなくなったことを知らず、天王寺・文の里夜間中学を訪ねた夜間中学入学希望者に「ここでは受け付けません、心和に行ってください」との対応があった。天王寺・文の里でも「一度こちらに来てください、詳しくお聞きします」という配慮が必要ではないのか。

 2点目に2024年3月まで同じクラスで学んでいた夜間中学生を天王寺教室で学ぶ人と心和へ行く人とばらばらにし、天王子教室で学ぶ人は6名から5名、4名とヘリ、現在は3名になっている。「これでは寂しすぎます。入学年度でわけることなく、学びたいところで学べるように」してください。

 3点目に 駅から近く、交通の便が良い、高齢者にも働きながら学ぶ人たちに、「これ以上の環境」はない。「近鉄・JR・地下鉄沿線の入学希望者の受け皿として天王寺教室を残し、生徒の受け入れを」を記述した。

 *夜間中学卒業者の会の陳情は「夜間中学その日その日」(989)参照


 山田正和(公明)委員は先ず入学希望者数、入学者、昨年比較を質問した。担当者は「複数校の希望もあり、3校で約160名の希望者。天満27名、5名減。東生野31名、14名増。心和63名(昨年の天王子14名、文の里10名)。全体で160名の希望に対し121名入学」と答えた。

 この答弁は虚偽ではないか?心和63名には天王寺、文の里から移動した夜間中学生31名が含まれている。63-31=32名が新規の入学生で天王寺14+文の里10=24名と比べ8名増が正しい答弁ではないのか。

 「統合により、教育への影響は調べたのか?」の質問に対し、担当者は「入学時に移動することを了解して入学してもらっているので特に調査はしていない」と質問に対し一部しか答えていない。

 広報活動についての質問に対し、「市民への広報は大切だ」と答えたが、これまでの答弁と同じで新規の広報活動は聞くことができなかった。近畿夜間中学校連絡協議会の資料を見ると。5/1の入学者数は73名(2023年)と89名(2024年)、16名の増にとどまる。

 建て替えられる天王寺の校舎に天王寺夜間中学の再開と夜間中学資料センターの併設について、多田教育長は「夜間中学の充実に向け入学希望者の変化に注視し」「(入学)希望者が増えた場合、全市的な状況を踏まえ適切に対応していく」と再開には含みを持たせる答弁を行った。

 担当者は「文の里・天王寺の取り組みや歴史は大切なことと認識している。資料の一部、文集などは心和に移したが、そのほか様々なものは文の里、天王寺に置いている。(これらを)どう扱うか、どのようにするか検討する」と答えた。以前は「関係者とも相談し」と答えていたが今回はその文言はなかった。

 山田委員は「ニーズを掘り起こすことは重要だ。4校を3校に減らしたことは、学ぶ機会が減少し、生徒に影響を及ぼした。(統廃合は)教育の質、学校数の充実に逆行したんじゃないか。学びの機会の保障を最優先すべきでなかったか」と述べた。

 武直樹(自民くらし)委員は入学希望者の学校の対応について質した。入学受付にあたって、希望者の心に寄り添いもっと丁寧な応接が必要であることを質し、9月入学生についても待機する人に体験入学できるような工夫について検討を求めた。

 心和中学の昼間部、夜間部についてはどの委員からも言及がなかった。もう少し時間をおいてからとお考えなのかと理解しているが不思議だ。もし、夜間中学の2件の陳情がなければ、このまま何事もなかったかのように進められていくのだろうか。

 夜間中学の2つの陳情書は継続審査を求める声に対し、委員14名のうち、維新会派8名の反対により「不採択」の扱いとなった。


 近畿夜間中学校生徒会連合会は「私たち夜間中学生が安心して学べるようにしてください」の署名活動にとりくんでいる。①入学条件を満たした人は全員夜間中学校に入学できるように。②生徒が心和中学校と天王寺教室を選択できるように。また授業時間数(天王寺教室は1時間短い)を同じにしてください。天王寺教室専属の保健室の先生をおいてください。③在籍期間中、就学援助を行ってください。④市民に伝わるような夜間中学の広報を行ってください。⑤補食給食を早期に再開してください。の5項目だ。

 

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