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夜間中学その日その日 (451) Journalist Worldジャーナリスト ワールド

  • 白井善吾
  • 2016年3月16日
  • 読了時間: 3分

5年目の3・11

恐ろしい画面が次々映し出されている。福島原発の放射能物質、放出の可能性を伝えるニュース。福島原発半径10キロの避難を決めたと報道が流れている。押し寄せる津波に飲み込まれる家や車、その中にある「いのち」はまだ映し出されていない。人間の技術で、自然は制御できると豪語、押し寄せる地震と津波に睨みをきかしていた、象徴的な福島原発の原子炉の建屋。自然は恐ろしいのだ。刻々と伝えられる、死者の数と被害状況。

3・11、この日は東日本大震災の長周期の地面の揺れとともに、大阪の夜間中学にとって重要な日である。2011.3.11 この日、午前10時から府議会教育常任委員会が開催、橋下知事(当時)の出席を求め、知事質問がおこなわれた。夜間中学について梯(かけはし)府会議員(民主党)が取り上げた。

(梯府議)-「市町村立の夜間中学であるが、広域から通ってきている状態で実態は府立の夜間中学だ」。1969年夜間中学開設にあたり、府内広域から通ってきている実態の中で、関係者間で府立定時制高校付属夜間学級として開設しようという経緯もあったことにふれ、「就学援助、補食給食について改めて見直す考えはないか」と質問をおこなった。

(橋下知事)-「これは悩ましい問題で、やろうと思えばできる(金額だ)」「ただ、高校に併設するなど、私もいろいろ調べてみたが、教育内容から現状(市町村立)に落ち着いた経緯がある」「出してあげるのが一番楽で、いろいろと批判を受けることもない」「しかし、ここにこそ地方自治が問われている。このことこそ都市間連携でできる、典型的な例で、私はこれにこだわる」と答えた。殿馬場の夜間中学生も傍聴していた。

知事は悩ましい問題、やろうと思えばできると、揺らいでいることをこのような言葉で表現しながら、後半では、府が関与することなく、市町村間が連携してできると、その態度を崩さなかった。

委員会終了後、守口夜間中学に戻り、午後3時から始まる「あけぼの教室」の学習に備えていた。大震災が起こったことを知ったのは。この日の学習に遅れてやってきた卒業生の「また、めまいを起こしたのかと思っていました」「あんたもか」「船に乗っているような感じでした」との会話である。みんな、歩いたり、自転車に乗ったり、移動中で気づかなかった。職員室は14日に行われる、夜間中学の卒業式場準備で出払っていた。

1969年、夜間中学開設に当たり、「府立夜間中学」の考えは設置者は市町村立であるが、府下全域から入学を可能にするため、府立で開設できないかと関係者間で議論された。結論は設置市以外の入学を可能にするため、就学援助、補食給食などに大阪府の補助を行うことを研究していくことで、市町村立となった。

橋下知事の思考の中にある、府立の義務制の中学はあり得ないとする「常識」は現在、常識でなくなっているのだ。大阪府も 大阪府立富田林高校校地内に「大阪府立富田林中学校」を設置し、併設型中高一貫校を2017年4月開校すると決定している。

「府立夜間中学」について、衆議院の委員会議論(2013.11.27)の中で、下村文科大臣は次のように答弁している。

「…基本的には義務教育ですから設置主体は市町村ですけれども、この発想を変えて、今、都道府県が中高一貫学校をつくっているという事例もあるわけですね。ですから、既存の都道府県の定時制高校に併設のような形で定時制中学といいますか夜間中学、それを市町村が受け皿として考えて、そして、それぞれの県内の生徒をこの夜間中学に対応できるようなことを市町村じゃなくて都道府県が考えれば…」

大阪府は文科省が言い出すより、半世紀前にその制度を議論していた。大阪が創設した誇るべき制度を破壊したのは橋下知事であったということになる。

大阪府!過ちては則ち改むるに憚ること勿れ。

 
 
 
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