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夜間中学その日その日 (479) Journalist Worldジャーナリスト ワールド

  • アリ通信編集委員会
  • 2017年1月24日
  • 読了時間: 4分

「学びは運動につながり、運動は学びを育てる」

192回臨時国会、参議院文教科学委員会(2016.12.06)の様子がインターネット中継で見ていた。「教育機会確保法案」審議の最終局面、委員会採決の日である。3人の委員が質疑に立った。一人は民進党・新緑風会の神本議員だ。

桜井智恵子さんを参考人に招き、法案の根本的欠陥を明らかにし、問いただす議論を行った。これに持ち時間がなくなり、夜間中学についての議論は時間がなくなってしまった。神本さんは次のように述べ、質問を終わった。

「夜間中学のこと、お手元に資料をお配りしております。これは、議連で視察に行った守口市のさつき学園夜間学級の生徒さんから直接お手紙をいただきました。これは文科大臣の方にも届いているというふうにお聞きしております。夜間中学について、是非、制度的な不備を、委員の皆さんもこれ読んでいただいて、義務教育の夜間中学でありながら制度的に外されている部分がありますので、ここに具体的な要望内容もございます。是非お読みいただいて、これからのこの法案の成立によってこのことが充実されることを心からお願いをしまして、質問を終わりたいと思います」。

近畿の各夜間中学の夜間中学生が第62回全国夜間中学校研究大会に参加し、その合間を縫って、12月2日、文科省の夜間中学担当者に出席を求め、話し合った。その時、各夜間中学で話し合い、したためた手紙を文部大臣に届けていただくよう担当者に託したものである。それが委員会の資料として配られた。

どんな内容か、守口夜間中学に手紙の写しを先日見せていただいた。クラスの話合いで出てきた考えを持ち寄り、生徒会としてまとめ上げたものである。紹介する。

こんにちは 私たちは守口市立さつき学園夜間学級の生徒です。2016年4月に旧守口市立第三中学校から小中一貫義務教育学校となり、6歳から80代の夜間中学生が一つの校舎で学んでいます。

私たちは子どもの時に様々な事情で学ぶことができませんでした。生きていくため、家族のため懸命に仕事や子育てをしてきたことには誇りを持ってきました。でも、義務教育を終えていないということが私たちの心に影を落としていました。そんな中やっと夜間中学校に出合い学ぶことで自分が変わっていくことを日々実感しています。

しかし義務教育の夜間中学校なのにいつも日陰というかきちんとした位置づけがされないため、悔しい思いをしています。

たとえば就学援助。就学援助は学齢の生徒に出すものだという国にかわり、大阪府が補助をしてくれていたこともあったそうです。でも知事がかわると法律で位置づけられていないものは簡単に補助が切られてしまい、たくさんの課題が解決されないままになってしまします。

また法制化の中にいつのまにか「フリースクールや不登校の子どもたち」という言葉が出てきました。お昼の学校でしんどい思いをした子どもの状況も、様々だと思います。学ぶ場所を夜間中学に変えることでその子どもたちのしんどさが本当に解消されるのか心配です。夜間中学生にとっても子どもたちにとっても何が良いのかもっと考える時間が必要なのではないかと不安に思っています。

私たちの多くは戦争で家族を奪われた人、疎開や勤労奉仕で学ぶ機会を失った人、戦後の貧困で親せきやきょうだいを助けるために働いてきた人、どこかに戦争の影響を受けながら歯をくいしばって生きてきました。また障がいや差別、母国で安心して学べない人など本当に色々な生徒が「勉強したい」という心の灯を消すことなく、やっと自分で探し求めてたどり着いた夜間中学です。

そんな大切な夜間中学校が変ってしまうことがないようにしてください。お願いいたします。

修業年限

大阪では最長9年間勉強することができます。本当は納得できるまでもっと学びたいという生徒もたくさんいます。中学校だから3年というのは夜間中学生には無理です。今の修業年限が絶対短くならないようにしてください。

教育の内容

小学校にも行けなくて夜間中学校で初めて「ひらがな」から勉強する生徒もいます。競争や、いつまでに何ページまで進まなくてはならないというような勉強の仕方は夜間中学ではしていません。ゆっくり、一人一人に合わせた学びをこれからもできるようにしてください。

就学援助、補食給食

法制化を利用して学齢を超えた私たちにも就学援助制度や補食給食への整備を国が先頭に立ってして下さい。

新しくできる夜間中学校

夜間中学校は年齢・国籍・夜間中学に来るまでの教育体験など本当に色々です。中学校という名前の学校だからお昼と同じというわけではないことを理解して修業年限や勉強の内容などを考えて欲しいです。そして就学援助・給食等を実施して色々な生徒が安心して勉強できるようにしてください。

力強い夜間中学生の書いた文字は夜間中学生の想いがこもった文字である。夜間中学の学びを通して、いま学んでいる学習者が考え、実践する。この積み重ねが夜間中学のあゆみの中にある。夜間中学は運動によって作られてきた、作らせてきた学校である。

 
 
 
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