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夜間中学その日その日 (496) Journalist World ジャーナリスト・ワールド

  • アリ通信編集委員会
  • 2017年6月11日
  • 読了時間: 3分

夜間中学生の告発(1)

大阪人権博物館 (リバティーおおさか)第72回特別展「夜間中学生―学ぶたびくやしく 学ぶたびうれしく―」の会期は2017年10月16日から12月18日である。テーマが「夜間中学」ではなく「夜間中学生」となったことを意識して準備している。

夜間中学という日本の教育の「例外」の場からいまの学校を逆照射している、その存在意義から、夜間中学が夜間中学生の実態に深く学び、学習者の想いや願いを受け止め、どんな学びを創造するか。それを実践したとき、夜間中学生がどんなコトバを発し、それを受け止め、どのような学びをさらに展開したか。夜間中学生の主張に焦点を当て、資料を読み込んでいる。

膨大な資料の中には夜間中学生が書いた一枚の告発のビラがある。発行日は不明だが、1970年代初め頃のビラである。

 僕 学校なんか行けへんで!

1. 現在義務教育99.9%をほこる日本で

厚生省発表 貧困階層1000万人 

この底辺にあえぐ我々は人間らしい生活をうばわれている。

現状の進学制度は我々の学力ではなく家の金のあるなしでふるい落としているのだ

その進学体制をそのまま我々の権利をうばわれた夜間中学生にまで押しつける無能な教師集団を我々は告発する

1. 貧困の中で怒りもうばわれた夜間中学生

夜間中学を全国に作ればその責任は免罪されると思っている行政者よ!

働きながら学ぶ我々の声を聞け

我々の学ぶ権利を(実質的)勝ちとるまで戦う

           義務教育を完全に保障要求する会

怒りに燃えた筆跡の文字がならぶ。本当の学びを求め、自分たちに応えてくれるものと思って入学した夜間中学で行われていた授業は、昼の学校と変らない進学体制一辺倒の教育であった。いくら意見を言っても聞く耳を持たない学校には「僕はいかない」という宣言が前半。

後半は夜間中学を開設しただけでは免罪されませんよ。学習者の声に耳を傾け、その想いに応える夜間中学を作って初めて行政の責任を果たしたことになると主張している。

夜間中学を冷遇視してきた国や文科省は50年後の現在、真逆の「最低一県一校の夜間中学を」と言い出している。その夜間中学に対し「夜間中学を開設しただけでは免罪されませんよ」という言葉の意味は重い。

夜間中学現場の創造性を信じ、夜間中学生との共同作業の中から生まれ出る「夜間中学の学び」を時間をかけて待つ行政であることを、このビラを書いた夜間中学生・「義務教育を完全に保障要求する会」は主張しているのではないか。

昼の教育とは大きく違った「夜間中学のまなび」に最初は戸惑われるかもわからない。しかし夜間中学生から投げられるボールを真正面で受け止め、学習内容の創造を教師集団で実践していけば、その手法や思想は夜間の学校だけでなく、どんな学校にも通用するものだと確信する。

文科省も「学齢経過者に対して編成する特別の教育課程の内容は,当該学齢経過者をはじめとする在籍する児童生徒の教育課程の編成権限を有する校長が判断することとなること」(2017,03,31文部科学省初中局長名「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等施行について」)通知文を出し現場の創造性に委ねている。この夜間中学生の告発をきっちり受け止めようではないか。

 
 
 
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