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シェイクスピア『マクベス』とアジア太平洋の日本軍の残虐行為・慰安婦 Journalist World ジャーナリスト・ワールド

  • 北口学
  • 2017年10月13日
  • 読了時間: 2分

映画『マクベス』(2015)を見ました。シェイクスピアの偉大さは語る必要ないでしょう。しかし、今日までの多数の解釈や映画化などには時代の風潮・人権意識や国際情勢などを如実に反映する、その点が今回の作品を鑑賞し深く考えた部分です。また、日本の戦国時代の下克上の武士道との比較に思考の多くを費やしました。

 この作品は徹底的にキリスト教(一神教)の神と悪魔をテーマの主軸に置いていますが、日本の武士道、侍たちには割と成り上がってゆく主君殺しに下克上時代、罪悪感はないわけです。しかしながらマクベス王は悪魔、流れに身をまかせると言いながらも絶対神、神からの厳罰に巨大な恐怖畏怖に心を支配されてゆきます。  キリスト教の教え、それはイスラム教徒の友人たちと話していてもよく出てくるフレーズなのですが「神さまはずっとみてらっしゃる」という言葉。

 一方日本人の武士道や兵士たちにはそういう意識はゼロです。だからこそアジア・太平洋州で残虐行為や従軍慰安婦などに対して、現地人に対して残虐な行為を平然と行い、敗戦後も口をつぐんで普通のひと、優しいおじいちゃんなどと生きることが可能だったなど考えておりました。その話題を生前の画家 富山妙子さんや映画監督の土本典明さんと語り合った若き日のことが回想されます。

 キャメラワークや映像は非常に素晴らしい。息を飲むほどの美しさ。上質の大人の映画ではあります。

 世界のクロサワ作品『乱』はクロサワ版マクベスと高い評価を海外で受けていますが、上記の一神教・キリスト教・シェイクスピア原作を前提に鑑賞して論評をしていた欧米人たちは大きな大きな誤解をしながら『乱』に賛辞を述べていたのだと思えます。

 ちなみにシェイクスピアが『ベニスの商人』を書いたころには英国から全てユダヤ人が追放された後年の作品ですから、シェイクスピア自身は実際にユダヤ人と出会ったことも交流もなく、流布された差別意識だけで『ベニスの商人』を書いた、そして大喝采を受けた事を『ユダヤ教の誕生――「一神教」成立の謎 』(講談社学術文庫) 文庫 – 2013/1/11 荒井 章三 (著) を読んで知りました。差別意識の伝播と継承というのは本当に恐ろしいものですね。

映画の素敵な宣伝映像は下記でご覧頂けます。是非、ご覧くださいませ!

http://macbeth-movie.jp/

 
 
 
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