夜間中学その日その日 (524) Journalist Worldジャーナリスト ワールド
- アリ通信編集委員会
- 2017年11月17日
- 読了時間: 3分
特別展「夜間中学生展11.11」(10)
先日(11/8)も2人の英語圏の来館者があった。英語対応の説明電子機器のイヤホンをつけて特別展会場に来られた。あいにく特別展会場は機器対応ができていないので、日本語に思い出せた英語単語で対応することになった。50年前のゼッケンをつけた髙野さんの写真を見て、入口に立っている髙野さんを振り向いて見比べておられる。「若いときのタカノさんです」というと大きくうなずかれた。髙野さんに説明をつないだ。英語の夜間中学説明書がいると痛感した。十分対応ができなかったが、退館されるとき、もう一度展示室に戻ってきて、髙野さんに挨拶して帰って行かれたのには驚いた。
そんなわけで、急遽、夜間中学紹介の説明書の検討を始めた。しかし間に合うことはなく、この日(11/11)、10人の団体の来館があり、以前作成した説明書をコピー、急場をしのいだ。大学への留学生で出身はオーストラリア、イギリス、アメリカなどであった。義務教育を受けることのできなかった人たちが100万人を超えて日本に存在することには驚かれた。不登校など未修了になる人たちがいまもつくられていること、そして15才を過ぎて、学びを保障する学校として公立の夜間中学が存在すること、その夜間中学もはじめからあったのではなく、運動によって開設されたことなど説明した。

さいわい、日本語が理解できる人たちが何人かおられ、補足して説明があり、各展示前では時間をとって説明がおこなわれた。やはり、義務教育として夜間中学制度がもうけられているのは母国ではないとのことであった。その教育制度が運動によって切り拓かれ、維持されている事が驚いたとのことであった。学習者のこと、学習の中味にも興味を持たれた。共同作品の詩を読み、その意味を引率教員が解説されていた。髙野雅夫さんとも随分時間をとって話をしていた。求めに応じ、寄書きにもメッセージを記入いただいた。うまく訳せないのだが、紹介する。
Good luck please keep working for equity education and people.
「平等教育と人々のために頑張ってください」
Thank you for making this exhibit.
As a student of history exhibit like this really help me understand a more complete
History of Japan and make me want to continue learning.
Learning at every age is important and this gives me hope.
「この展示をしていただきありがとうございます。
このような歴史博物館の学生として私はより完全な理解を助ける
日本の歴史について私は学習を続けたい。
すべての年齢で学ぶことが重要であり、これは私に希望を与えます」
I can tell that a lot of love and care was put into this exhibit.
Being part of a minority is difficult. But your efforts are shining through.
Thank you so much for your work.
「私はこの特別展に多くの愛と努力があったと考えます。
少数者の事に取り組むこと難しいです。 しかし、あなた方の努力は輝いています。あなた方のお仕事、本当にご苦労さまです」
会場では、展示を見上げたまま、動かない親子づれがあった。近づいていくと、泣いておられた。落ちる涙を何度もぬぐいながら語られた「城北の識字学級で学んでいた母親は『学校へ行きたかった』と何度も言っていた。展示を見て母を思い出した」。
「学ぶたびくやしく、学ぶたびうれしく」。夜間中学生の学びは 大きな力を持つ空間を作り出している。