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夜間中学その日その日 (528) Journalist World ジャーナリスト・ワールド

  • アリ通信編集委員会
  • 2017年11月23日
  • 読了時間: 4分

特別展「夜間中学生展11.17」(13)

出逢いは新たな歴史をつくる。今日も出逢いが生まれているはずだ。中学1年生が人権博物館を訪れた。11月11日、閉館時間直前まで特別展を見ておられた方が、来週子どもたちと訪れます。子どもたちにいろいろなこと話してやってくださいといって帰って行かれた先生の学校である。

群れないことが印象に残っている。ややもすると、グループのひとりが動き出すと、その子に引きずられて動いていく場合が多いがここの学校はちがっていた。グループ内の一人ひとりが独立した動きをしている。各人がテーマを持っているのだろうか、展示を読み込みながら、メモをとっていた。

頃合いを見て2人の中学生に質問をした。「『生きる 空気を奪うな、空気をよこせ、0.1%の叫び』と書いてありますが『空気』って何のことですか?」と。答えを待ったが、かえってこなかった。そこで「空気を別の言葉に置き換えたらどうでしょう?どんな言葉が入りますか?」2人は顔を見合わせながら、一生懸命考えている。それは眼を見ればわかる。しかし、首をかしげたまま、答えはなかった。「私でしたら、『空気』を『教育』か、『義務教育』の言葉で置き換えます」と話した。疑問が解けたのか、大きくうなずいた。

説明はそれ以上はせず、できるだけ一人ひとりが展示と対話をしていただこうと、私はその場を離れた。

 別の展示のところに行った。形式卒業生が訴えている写真のところに近づいていった。のぞき込むように、須堯さんの作文をさっきから、読んでいたからだ。「写真の中央でマイクの前で訴えているメガネをかけた人がこの文章を書いたのです。説明文の『たった1枚の紙きれのために!』は何のことですか?」とたずねた。しばらくして「卒業証書のことですか」と答えが返ってきた。

「メガネを買ってほしいと親には言えなかった。家が貧乏で我慢をして学校にいっていた。しかし、あまり学校には通えなかったが、学校の先生は将来卒業証書がないと困るかも知れないと卒業証書を発行した。近くで働いていたが、なんとしても勉強がしたい。大阪に夜間中学があることがわかり、大阪に出てきて夜間中学に入りたいといったとき、卒業証書が入学の邪魔をした。夜間中学に入学させてほしいと訴えているのです」。何度もうなずきながら聞いていた。

幟旗の近くで、夜間中学生募集のポスターを見ている子どもがいた。次のように質問した。「君のような昼の中学と、夜間の中学、どこが違いますか?」と。

すぐに「年齢、働いている人、・・」と答えがかえってきた。

 「それ以外に違うところは、夜間中学生自らでビラを配り、入学を希望する人を見つけ出し、入学するように働きかけることが大きく違うところです。昼の中学生の場合、市役所から、案内が来て、どこの学校にいついつ来て下さいと通う学校がきめられています。夜間中学生がビラを配り、募集活動をしています」。

 その子は「あのポスター、見たことがあります」と指さした。

子どもたちはたくさんのアンケートを書いている。

「学ぶことの大切さを知りました。自分たちが学べることはとてもいいことなんだと思いました。学びたい、勉強がしたい文字を書きたいと自分たちが当たり前だと思っていることを『したい』と思っている人がいることを知り、がんばろうという気持ちになりました」

「『学ぶたびくやしく、学ぶたびうれしく』という言葉が印象に残りました。戦争でうばわれたことを詩で表現し、書いた方がどんな気持ちで書いたのかすごくわかりました。今、自分が義務教育を受けられていることはとても大切なんだと改めてわかりました」

「『夜間中学生』がいることを最近知ってここに学びに来て『夜間中学生』のことについてさらにわかりました。こういったいろいろな理由で文字を学べなかった人たちがこうして文字を学ぶというのは素晴らしいことなので『夜間中学校』をさらにふやしていったほうがいいと思いました」

「夜間中学校をなくせといっている政ふに、映画をつくって対こうしたのがすごい行動だと思いました。自分の母のような夜間中学校をなくすまいという気持ちからこんなゆう気わいてきたのだと思います。こんな行動ができなくても自分たちには差別をなくすことはできるかも知れないので、少しずつでもやっていきたいです」

引率された先生方の感想も紹介する。

「特に『生きる』『闘う』の部分の展示に心を動かされました。大阪府の教員になって1年目ですが、どんな教員研修よりも早く出会っておきたいことが多く語られる展示だと思います。教職員になった人は早い段階で『学校』なんのためにあるのかと問い直すためにも見てほしいと思いました」

「学ぶたびにくやしく、学ぶたびにうれしく・・・学ぶ方々が奪われていたものをひとつひとつとり戻していく過程で、どれだけの『くやしさ』と『うれしさ』をかみしめておられたのか・・・ 私の祖母も文字を書けませんでした。つたない字で私の名をつづってくれたお年玉の袋の文字。差別の中を生きてきた祖母のことを思いながら見せていただきました。学ぶことは生きること・・・『夕やけがうつくしい』の北代さんも、祖母が重なります。『学ぶ機会を全ての人に』これは今も行動しなければならない課題です。私も行動する人でありたいです」

 
 
 
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