top of page
検索

夜間中学その日その日 (535) Journalist World ジャーナリスト・ワールド

  • アリ通信編集委員会
  • 2017年12月6日
  • 読了時間: 3分

特別展「夜間中学生展12.01」(18)

「やかんちゅうがく?」「夜間中学ってなんですか?」

この日、校外学習でリバティー大阪(大阪人権博物館)を訪れた大阪市内の小学生5~6人が展示室に入ってきた。そして、展示を見てこのように質問した。

「昼仕事して、夜勉強する中学校です。日本で一番最初にできた夜間中学が、大阪の勝山中学です」「ええっ?」「区民センターの隣の?」

「東生野中学にも夜間中学があります」

子どもたちが通っている小学校の近くに夜間中学があることを知ると、驚きの顔から、笑みがこぼれた。

「夜間中学のことを知ったら、この写真の人、『た・か・の・ま・さ・お』のなまえもいっしょにおぼえてください。この会場にいらっしゃいます」

子どもたちは周りを見渡した。そして指さした。こちらがうなずくと驚きの表情になった。「サインをもらったら?」小声で話してその場を離れた。

 すぐに子どもたちは髙野さんが話し込んでいるところに近づいていった。そして声をかけた。「サインしてください」といって紙を渡した。

 突然の申し出に、髙野さんは応じた。ペンを持って、『다카노 마사오』とハングルマルでサインした。その子どもは「たかのまさお」とそのサインを声を出して読んだ。

 「えっ、すごい。ハングルが読めるンや!!」その様子を見ていた人から、声がかかる。「学校で勉強したの?」。「民族学級で勉強しています」それまで黙ってみていた引率の先生がこう答えた。髙野さんは次の子どもには、『髙野雅夫』と『다카노 마사오』と並べてサインした。

 北九州市城南中学夜間学級、千葉県松戸自主夜間中学、埼玉県川口自主夜間中学から学習者、先生が来館された。「車椅子」を押し、展示を見上げる眼にいっぱい涙をため、ゆっくりゆっくり見ていっていただいた。この日から始まる全国夜間中学校研究大会の事務局に、「日曜日に見せてもらえるようにお願いしていただけないかと依頼をしたんだが」とおっしゃっていた。

 「よくこんな資料を保存しておいてくれました」「このように、貴重な夜間中学の資料を展示していただくと、一連の流れがよく分かります。書物で見るのと全然違います」「これが関係者の間で評判になっている『わらじ通信』ですね」「確かに壁の色と同じで、見過ごしてしまう展示ですね」「446日の行脚と461通のわらじ通信をこのように展示していただいて、夜間中学開設に至るあゆみが力強く迫ってきます」「『私たちの夜間中学をつくりましょう』というメッセージです。勇気づけられました」「文科省の方は来られましたか、この展示を見て、今までの政府のお役人が夜間中学をどんな扱いをしてきたか、知らないといけません」「この特別展が終わったあとも展示が見れるような方法はありませんか。県の教育委員会や、市区町村の教育委員会にも見てもらわなあきません」「ここを会場に、夜間中学開設にむけた学習会や、学習者の意見発表会ができませんか」「もったいない」……。

 熱いメッセージをいただいた。

 
 
 
Featued Posts 
Recent Posts 
Find Me On
  • Facebook Long Shadow
  • Twitter Long Shadow
  • YouTube Long Shadow
  • Instagram Long Shadow
Other Favotite PR Blogs
Serach By Tags

© 2023 by Make Some Noise. Proudly created with Wix.com

  • Facebook Clean Grey
  • Instagram Clean Grey
  • Twitter Clean Grey
  • YouTube Clean Grey
bottom of page