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夜間中学その日その日 (547)

  • アリ通信編集委員会
  • 2018年1月23日
  • 読了時間: 4分

必然がある出逢い

 NHKのテレビ番組に『鶴甁の家族に乾杯』がある。ステキな家族を求めて日本中を巡る“ぶっつけ本番”の旅番組だ。夜間中学では授業の真っ最中の時間の放送だ。以前は再放送でしかみることができなかった。突然、前ぶれもなくやってきて、道行く人とであい、話しかけ、そこからさまざまな展開を集録、編集して番組で放送するという組み立てである。空振りや、ボツになる収録も多くあると思うが、突然ずかずかと家に上がりこんでいく運びは私は抵抗がある。

 しかし、たまたまいつもとは違う道を通って出逢った、突然の出逢いが次の展開を生んでいく、人の人生とはそんなものかとは想いながら、いつのまにかテレビに見入っている自分にハッとする。

 大阪人権博物館の特別展「夜間中学生」の来館者との出逢いはスタッフの私たちと来館者の時間、空間次元の重なりが一致したとき生まれる。所用があって、遅れて博物館に着いたとき、貴重な出逢いができなかった来館者があったはずだ。

 特別展が終わったいま、出逢いが次の展開につながり始めている。

 夜間中学のあゆみをみても、「出逢い」がキーワードであるように思う。桂米朝司会の関西テレビ「はい土曜日です」で夜間中学を取り上げようと考えたテレビ局、それに出演した髙野雅夫さん、偶然その番組を見た小林晃くんは、見たあと直ちにテレビ局に電話をかける。「私も夜間中学で勉強したい」と、それを受けた川村ディレクターと髙野さん、直ちに小林くんの家に直行。そして神戸の丸山中学西野分校に通学が実現する。それを報道した「越境かまいません」の毎日新聞記事。痛烈に大阪府、大阪市を批判。この記事は大阪に夜間中学開設を導く力を発揮した。その毎日新聞記者も、大阪・千日前の取材を終え、社に戻ろうとしたとき、心斎橋筋でビラを配っている髙野さんと出逢ったという。NHKの福田雅子さんも撮影機材を抱え、タクシー待ちをしていたとき、髙野さんに出逢っている。「婦人学級」「こんにちは奥さん」「25年目の教室」など夜間中学開設に力を発揮する番組もこの出逢いがきっかけであった。

 出逢いを単なる出逢いに終わらせず、次の展開につなげていく、そんな力がわき上がってくる、夜間中学のあゆみには、こんな出逢いが、編み上げられてきたあゆみだといってもいいのではないか。

 校外学習で訪れた大阪人権博物館で夜間中学に出逢った小学5年生の子どもたちから先日感想文が届いた。こらからどんな展開になるのだろう。

「本当に、今まで、がんばって夜間中学をなくしてほしくなかったんだと思います、あと、文字のかけない人がいるから、その人のぶんまで、文字を大切にしていきたい。そして、文字をおしえられるようなひとになりたいです」

「昔の服やはがきがあったから、いつまでもそれがのこってるとなると、昔のことも、家族でもう一回いって、何時間でも見ていいようなものでした」

「そこがなくなりそうになりながらも、自分の思いをぶつけられるというのは、とてもすばらしいと思いました。『書きたい』という願い、『読みたい』という思い、そこにかざられているのはそんな温かい思いでいっぱいで、これからもがんばってほしいと思いました」

「夜間中学校が必要な人がいるのにつぶされてきていたから、髙野さんが、反対して、もっとつくろうという運動をしたのが一番心に残りました。いまたくさんの人が夜間中学生になっているので、髙野さんはすごいなと思いました。えいがもつくったと聞いてびっくりしました」

「『夜間中学校を増やそう』とうったえつづけた髙野さんの気持ちが、着ていた衣類、約460まいのはがきで感じられました。実さい増えているので、髙野さんは、すごく良いことをしたと思います。小さいときからこうやって学べているのは、幸せなことなんだなぁと思いました」

「夜間中学校をつくった人に会えてよかったです。ずっとリバティ大阪があってほしいです。『なんで夜間中学校があるんやろう?』と思ったときにリバティ大阪にいくと分かるからずっとあってほしいです」

 
 
 
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