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夜間中学その日その日 (558)

  • アリ通信編集委員会
  • 2018年5月7日
  • 読了時間: 6分

府教委との話しあい ②

 学習者が直接教育行政に意見を述べ学習条件や環境の改善を求める話し合いだ。1989年この話し合いの申し入れに「学習者が行政に意見を述べる例はない」と府教委担当者はずいぶん抵抗した。夜間中学にはPTAはない。学習者の想いや考えを知って行政に生かしていくことは必要ではないのかとの石原忠一府会議員(当時)の仲介を受け入れ始まった。それから4半世紀が経過した。

⑦ 2012年7月8日(守口夜間中学)

 夜間中学生;「今こんな状況になっていることに対して、府教委に責任があると思うのか、ないのか、答えてください」→府教委;「ともに考えながら何ができるか、できないか、どうすればできるかを考えたい」。

夜間中学生;「府教委の先生方が私たちの立場にたって、就学援助・補食給食を元に戻すための行動をしてくれますか?」→府教委「補食給食の実施をお願いするため、設置教育委員会を訪問したが、門前払いをされ、非常に悔しい思いをした」

夜間中学生;「府が補助をやめて、お願いしますではないだろう。府としてできることを持って、設置市だけでなく、居住市町村にも理解をはかることではないか」

府教委:「入学条件について、いつどんな経緯だったのか、調べたい。時間をいただきたい」

⑧ 2013年3月3日 (八尾夜間中学)

 府教委;「厳しい財政状況下、居住市では就学援助の継続を確認している。また一部の市で就学援助を改善するとの話である」「国に対しても学齢を過ぎた人にも就学援助を適用するよう直接話をした」「夜間中学の在籍期間は最大9年です」「府内在勤の人たちの夜間中学入学について、最初の昭和44年の募集要項では入学できること明記しているが、その後どうしてなくなったのか資料は見つからなかった。もう少し時間をいただきたい」「給食は夜間中学の学習にとって大変重要な時間であると思っている。(2008年の)府の財政プログラム案は生きている。8月3日の7市の担当課長会議で給食の実施をお願いしている。粘り強くお願いをしていく」「通学支援は福祉の課題で教育の担当ではない。そこが問題で、別の手立てを考えていきたい」「支援学級を夜間中学に開設しようとするとき府も協力していきたい」

⑨ 2013年7月7日

 「皆さんの声を直接聞く大切な場所だと考えている」「しっかりと聞き私たちが出来ることを考えていきたい」と話しあいに臨む府教委担当者の姿勢をこのように語った。

府の担当者は「就学援助は府のやるべき事業ではないということになり、夜間中学生が住んでいる市町村で行うようお願いに行った。新たな制度を作らないといけないことになり、2年に限って通学費を府が半分負担をして、その間に制度作りをお願していった。府がやってきた6年しか言えなかった。9年やってくれとは言えなかった」「補食給食はいつか財政(状況)が変わったら第1番に考えたい」「夜間学級に支援学級を設けたのだから、その担当者を中心に(対応を)お願いしたい」「学校は設置市負担で行われている。府内在勤の人は考えにくい」府教委担当者は「厳しいお話をいただいた。なくしてはいけない(制度だ)と思っている。(ご意見を聞きながら)夜間中学のために何か工夫をして出来ることはないのか、改めて決意した。がんばっていく」と述べた。

⑩ 2014年3月2日(天王寺夜間中学)

 府教委担当者は「要望に応えられていないことが多く、悔しい思いをしている。この機会を大切にし、みなさんの想いを持って帰りたい」「11校すべてを訪問させていただいた。府は(延べ)161人、府内27市から37人が参加。学びの原点を見ることができた」「補食給食(の課題)の引き継ぎを受けている。しっかり聞いて持ち帰りたい」「東大阪市が就学援助を6年から9年に改めたことについて主管課長会議で報告したが府から支給の期間を延長してくれとお願いはできなかった。府から居住市に移す時、9年と言えなかったのが原因の一つだ」「(改めて)在籍期間の支給をとの文書は出せない」。天王寺の〝閉鎖″について「天王寺の話、私も衝撃であった。学んでいる生徒のこと、どうするねん。夜中生や教員にどう説明するねんと思った。校舎は使えることが分かったが、夜間中学は大切だということ伝えていく」「夜間中学を国は認めている。今日お話しいただいたこと、持ち帰って考えていきたい。夜間中学は大切な所だと(担当者が変わっても)伝えていく」と述べた。

⑪ 2014年7月6日(東生野夜間中学)

 補食給食の意義を夜間中学生は「健康維持と交流の時間として重要だ」と主張に対し担当者は健康維持については一言も触れなかった。

担当者は「同じ居住市であれば、どこの夜間中学に通っても就学援助は同じだ」と説明したが、夜間中学生の主張は「一つの夜間中学内で、就学援助の期間が6年のところと9年のところがある。不平等でないのか」との問いに対し、このように焦点を外して答えている。

「今までの経過もあり」と「橋下知事の時に決まったことだから、これ以上)詰めていくことは難しい」との発言があったが、夜間中学生は「将来」のことを言っているのでなく、「今」の改善を求めている。

多い人で15回、この語り合う会に参加した担当者もある。府内11校の夜間中学の視察に「府は(延べ)161人、府内27市から37人が参加した(2013年度)」と前回述べていたが、夜間中学生の問いかけに「こんな方法でどうか」という知恵や提案があってしかるべきだと思うし、夜間中学生は期待している。もう「聞かしてください」「持ち返ります」でないと考える。

⑫ 2015年3月1日(天満夜間中学)

 府教委は「法制化、注目し、気にかけている。天王寺は歴史もあり、大阪が積み上げてきたもので全国に誇るべきものだ。全国からけっこう問い合わせが府教委にもある」「最低でも今の大阪の夜間中学の状況が守れるように対応していく」「岸和田市や守口市が開いていただいた就学援助担当者の会議に府も出席して、就学援助が9年間出していただいているところもあると話をしている」「中高一貫校は府が設置する。広域から通っているが(夜間中学とは)制度的な違いがある」「市内の統廃合は最終的には大阪市の判断だ。現在どうするか検討していないと聞いている」「(今後)夜間中学入学に在勤者を含めることを協議していきたい」「府は募集ビラを作っていない。生徒会のみなさんが作っていただいているから話をする」「府立の定時制高校は府が設置者なので、1食560円のうち、食材の負担は個人にお願いをし、その他は府が負担をしている」と答えた。

夜間中学生「私たちの質問に最後は『ご理解願います』とおっしゃるが、夜間中学生に〝しんぼうせえ″ということですか?(夜間中学のことはなんでもわかっているとおっしゃる)府教委として何か案はないんですか?」

 夜間中学の学習環境改善に、学習者として、積極的に行動し、とりくみを進めている近畿夜間中学校生徒会連合会の活動は、夜間中学の“エンジン”の役割を果たしている。それに応える府教育行政の論理の破綻は明らかである。教育行政の役割を果たしていないといわざるをえない。

 
 
 
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