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夜間中学その日その日 (559)

  • アリ通信編集委員会
  • 2018年5月14日
  • 読了時間: 6分

府教委との話しあい ③

⑬ 2015年7月5日(会場 天王寺夜間中学)

 ○府内在勤者の入学 ○就学援助・補食給食 ○夜間中学の法制化に伴う問題 ○ 夜間中学の存続 ○ 太平寺夜間中学の移転問題の5つの柱で夜間中学生は意見発表を行い、府教委の考えを質した。夜間中学を必要としている人に夜間中学があることが届いていない。在ることを知っていても、子育て、生活、就労で入学するのに30年かかったことを自身の体験をふまえて発言した。そして、かつて募集要項に明記していた府内在勤者の入学について府の検討結果を質した。

 前回3月の話し合いで、設置市教育委員会と協議すると回答があったが、「まだやっていない、8月にする」とのこと。入学を求めている学習者にまだ待てという。学習者の立場に立つなら決してとれない対応ではないか。

 就学年数が最長9年にもかかわらず、就学援助の期間が6年であることの是正を求める意見に対して、府教委は「大阪府が居住市町村に夜間中学生の就学援助お願いをした2008年、府は6年間しか就学援助を行っていなかったため、それ以上のことを居住市町村にお願いできない」と、今回も同じ回答であった。

 仲間の語る話を聞き、自分もここで云っておかなければとマイクを持った夜間中学生もあった。書き上げた原稿を何度も読み返し、修正を加え準備してこの日に臨んだ人もある。年2回の話し合う会は参加者が作り上げる優れた学習の場である。

⑭ 2016年2月28日(会場 文の里夜間中学)

「皆さんや私たちが国に働きかけ、15歳を超えた人たちの就学支援のため、(文科省は)予算を用立てする準備をしていただいたが、国の予算はつかず悔しい思いをしている」「みなさんの想いはわかっているつもりだ。大阪府で6年おこなっていた就学援助制度を居住市町村にお願いしたから6年になった。原則6年、9年学んでいる人がおられることを説明し。9年検討していただくところが増えていくようになれば」と答えた。

 夜間中学生は一方的な要求をしているんではない。「今の学校教育に(夜間中学生が)果たしている役割」に誇りを持っていることを一番わかっているのは知事より、府教委の先生方あなたでしょう。夜間中学生の主張は私にはこのように聞こえる。

 他府県から府内夜間中学入学について、「2年前まで入学は難しいといってきたが、今年度、設置市の教育委員会と4回話し合った。来年度からの在勤の人たちの入学要件について話し合っている」

「これまで府教委は(形式卒業者の)入学を断ってきたが、4月からこの人たちの入学を受け入れていこうと設置市とも確認した。そのこと以外は何も変わらない。ひとり一人に応じた教育課程を組むことは変わらない。みなさんも若い人を応援したい気持ちでいっぱいだと言っていただいたが感謝申し上げたい。勉強内容がわかるように、先生はやってくださると思う。仲間として温かく迎えていただきたいというのが、正直な気持ちです」。

「11校を訪問して、夜間中学は様々な人たちの学びの場として大切な所だと改めて思った。車いすで、片道40分の時間をかけて通学している人とも話をした。夜間中学は楽しいところだと話されていた。設置者の大阪市の判断になるが府から市にお伝えしていく」

⑮ 2016年7月3日 (会場 守口夜間中学)

 夜間中学生は府がおこなっている夜間中学広報活動、就学援助の適用年数、補食給食がない状態で健康に及ぼす影響、安心して学ぶことができる夜間中学へ大阪府としてとりくむこと、夜間中学の再編整備がすすむことの懸念に対し、大阪府の考えは?・・について意見を述べ、府の考えを質した。

 担当者は「お話しいただいたことを持ち返って」「設置市の夜間中学担当者との会議があるのでお伝えします」「毎回同じ返事で心苦しい」と腰が引けているのは残念である。

 国が「少なくとも一県一校の夜間中学を」と打ち出してきた時でもある、府内在住、在勤とは関係なく、府県の垣根を越え、通学に利便性が良い夜間中学の入学を考えるべきではないだろうか。そのためには、国や都道府県が市町村立の夜間中学に入学できるように、国・都道府県がそれなりの費用負担を行い、設置市以外の人たちも入学できるように制度を創設すべき時ではないか。そして入学を認めるようにすべきではないかと夜間中学生は意見を述べた。

 府教委は「実際、学ぶなかでどんな課題があるのか問題点を出し合っている」であった。2名の入学はまだ実現していないという。時間稼ぎをしていると受け取ってしまう回答であった。

⑯ 2017年2月26日 (会場 豊中夜間中学)

 夜間中学生は①入学資格、広報活動、②学習内容、学習環境、③就学援助・補食給食、④東大阪の夜間中学について。4本の柱で意見発表を行い、柱ごと、担当者の回答を求めた。

 「国にお願いしていくことが府の仕事だ。今のところ、国が(学齢超過の人に)就学援助を行うと聞いていない。もし、国が負担すると(言うのなら)、市町村に府もできるよう話をしていく」「大阪府が設置している府立の支援学校、中高一貫校そして夜間の定時制高校には就労支援として給食の補助を行っている」と、このことに初めて触れ、「今後も(給食の)復活に向け幅広く検討していく」と含みのある発言を行った。

 司会の夜間中学生から、「話合いの感想を」求められた担当者は「引き続き一緒に考えていきます。今までの大阪の夜間中学を後退させないようにがんばることが府の一番の役割だ」と語った。

⑰2017年7月2日 (会場 岸和田市の福祉総合センター)

 発言した夜間中学生は夜間中学に入学するまでの人生を語り、仲間と話しあった内容を盛り込み、意見発表する。メモを見ながら発言する人もあったが、何人かの夜間中学生は、メモなしで発言を行った。鋭い指摘であった。

 入学するまでの人生を語り、自分の発言根拠を示す。その自分史は府の担当者のみならず、教員も真正面で受け止めたい、非常に重い発言である。教員全員が参加した学校があったと聞く。それを聞く事ができる機会は、府の担当者にとって二度とないかもしれないのだ。その意味から、この語る会は重要な学習会でもある。教育行政担当者として、議会の決定を変更させるその論理を仕込むことのできる機会なのだ。夜間中学生は決してそうは思って発言していないが、聞く側は「府議会で決めたことを変更させる」論拠を夜間中学生の発言の中から見つけてほしいのだ。

 「就学援助がある6年しか通学できない」この夜間中学生の実情の訴えに対し、担当者は「(2008年)橋下知事の時代、府と市の役割分担として府議会で決まった。復活は厳しいと言わざるを得ない」としか答えない。

府県の枠を超えて入学できるよう、(府県の教育委員会が)連絡を取り柔軟に対応できるようにしてもらえないか?」と条件作りのため、府県が協議する必要性を訴えた。

 これに対し、担当者は「隣りであっても(夜間中学は)それぞれ違うところがある。まず希望する人が住んでいる市町村に相談することだ」「区域外入学もある」と答えた。

 他府県居住市の教育委員会に入学希望者が「大阪府の夜間中学に入学したい」と相談した。その居住市から相談を受けた大阪府教育委員会はどうされるのですか?と夜間中学生は2年前から質問をしているのだ。

 そして2018.02.25の府教委との話しあいとなる。経緯をしっかり押さえ、府教委の担当が変っても、話しあいの内容が引き継がれなければ意味がない。府教委担当者の猛省を求める。「夜間学級の中に、支援学級を設ける」等夜間中学生のねばり強いとりくみの結果が大きな成果を生んできたことを忘れてはいけない。夜間中学生が、居住している、行政とねばり強い話しあいをおこない、在籍期間の就学援助、教育扶助の実現をしてきているとりくみを忘れてはいけない。「学びは運動を育て、運動は学びを生み出している」。(おわり)

 
 
 
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