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夜間中学その日その日 (562)

  • アリ通信編集委員会
  • 2018年6月1日
  • 読了時間: 4分

近畿夜間中学校生徒会連合会総会・新入生歓迎集会

 270名の新入生を迎え、近畿夜間中学校生徒会連合会2018年度総会・新入生歓迎集会が5月27日(日)、大阪市阿倍野区民センターで開催された。

 総会では箱谷前会長は退任の挨拶で「夜間中学を取り巻く状況はたいへん厳しい。力を合わせて夜間中学の灯を守っていってほしい」と生徒会に結集してとり組むことの大切さを訴えた。生徒会連合会会長に選出された梁久子新会長は「法律ができ、来年には新しい夜間中学ができる。ここにいる私たちが先輩たちが引き継いできた大事な夜間中学校に、私たちの新しい力を結集してがんばろう」と挨拶を行った。このあと「夜間中学生の交流と団結を深めようをはじめ、6項目の活動方針の提起を受け、8校の夜間中学生が意見発表をおこなった。

 2019年4月、場所を変え、新しい2校の学校で出発する東大阪の夜間中学について、教室数等どんな内容で準備が進んでいるのか、夜間中学生には明らかにされていない問題点を報告し、10年後、50年後もずっと夜間中学をつづけていくためにも、学校づくりに夜間中学生が参画することが重要ではないか。「民族の違いを乗越え、自由に意見を述べあい、がんばっていくことが重要ではないか」と述べた。

 「1975年、ベトナム戦争がおわり、それから4年後私は生まれた。父から戦争の話をよく聞いた。南北対立から子どものころ十分学べなかった。ホーチミン市で日本人と知り合い、結婚して日本に来ることになった。夜間中学で学べることを知り、入学した。子どもが小学4年生の時、『友だちが家に遊びに来ても、お母さんは出てこないで』と言われたときは本当に辛かった。3年前、夜間中学に復帰して学んでいる。私のように、生まれ育ったところで十分教育を受けられなかった人や再び学びたいとして入学した人が多く学んでいる。戻ってこれるところとして夜間中学は大切な場所だ」

 「入学して2年目だ。九州の炭鉱で生まれた。近所にあるボタ山で石炭を探し、売りに行くのが子どもの時の仕事であった。今もゴミ捨て場でゴミをひらっている子どもの写真を見るが、子どものころ私は同じことをして、家を助けていた。私が20歳、弟が小学生の時、炭鉱の事故で父が亡くなった。その後大阪に出てきて、いま夜間中学で学び、漢字、ローマ字など、学ぶ喜びでいっぱいだ。それも、先輩が、これから入学してくる私たちのために、とりくみ、守ってきてくれたからだ。夜間中学にエレベータが実現、就学援助の期間の延長を実現するため、とり組んでいく」

 「物心ついたとき、母はなくなっていた。学校へは雨靴や傘が買えなかった。ノビルやサツマイモの蔓を拾い、食べていた。8歳頃、農家の子守をして農家を転々として大きくなった。15歳の時大阪に出てきた。大人になり、字も書けないことで苦労した。大人でもまなべる学校がある事を知り夜間中学に入学した。去年1年間、休まず登校、毎日が楽しい。私も、こんな夜間中学がいつまでも続くように、がんばっていく」

 4人の夜間中学生が生い立ちを語り、夜間中学で学ぶ喜びと、決意を発表した。

 開設45年を迎えた守口夜間中学は、開設記念の集いのとりくみで、開設時の先輩が書いた卒業文集を読み、みんなで話しあった報告をした。「夜間中学で学び、視野が拡がり、変っていく自分、学ぶ喜び」「まるで別世界」「人を理解し思いやることができるようになった」「45年前の先輩と同じ想いで私たちが学んでいるこがわかった」「夜間中学の学びは、いつでも受け入れてくれる仲間や先生がいて、助け合い、人のためになることを私もしたくなった」「2016年(夜間中学の)法律ができたが、良かったという実感は全くない。在籍期間の就学援助、給食の制度を作るよう、市から府、府は国へ、私たちは声をあげてがんばっていこう」と報告した。

尼崎の夜間中学生は教育委員会は9年間の修学年限を6年に短縮する議論をしている。9年間学べるように、夜間中学生と先生が力を合わせとりくみを起こすことが重要だと考えていると報告した。

これら意見発表を受け入れ、今年度の活動方針を採択した。

 引き続いておこなわれた新入生歓迎会では15校から、新入生が先輩に支えられ、舞台に上がり学ぶ決意を語り大きな拍手を受けた。

『知ることは力 学ぶことは生きること』『あたたかき学び舎で今を生きる』

「わからないことは恥ずかしいことではない、何度でも聞く」

 挨拶を行った府教育庁の夜間中学担当者は「(夜間中学は)かけがえのない学びの場だ。夜間中学の灯は消してはならないと皆さんと同じ気持ちだ。今年も11校を訪問して学び、共に考えていきたい」と決意を語った。

 今年は髙野雅夫さんが、証言映画「夜間中学生」と母校の文集を携え、大阪に入り、夜間中学開設運動を開始して満50年だ。214日の闘いで岸城夜間中学の公認と天王寺夜間中学の開設を実現した年である。半世紀を経る今、改めて開設運動に賭ける、先輩の想いに学ぶ歳にしようではないか。

 
 
 
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