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夜間中学その日その日 (687)

  • 夜間中学資料情報室 白井善吾
  • 2020年5月27日
  • 読了時間: 3分

産経新聞連載「夜間中学はいま」を読んで  (その6)

1.夜間中学生

⑥ 入学のきっかけ

・15歳のある日、おつかいの帰り道で一枚のポスターが目に入る。夜間中学生の募集だった。「どんな学校なのか分かっていませんでしたが、私も通えるのかな、ここで学びたいな、と心から思いました」(連載④)

・夜間中学を取り上げたテレビ番組を見た。年齢に関係なく学ぶ人たちの姿に、「私も人生を取り戻す」と心に決めた。(連載⑤)

・暮らしにようやく余裕もできた頃、娘から夜間中学入学を勧められた。数年間迷い、71歳のときに再び校門をくぐる決心をした(連載⑨)

・思い切って友人に悩みを打ち明けると、夜間中学への入学を勧められた。「夜間中学に行ってみては?」。友人がそう勧めてくれた。(連載⑩)

・長女が生まれ、出生届を出すことになった。指に包帯を巻いて市役所へ。窓口の職員に「けがをしたから、代わりに名前を書いてください」と頼んだ。届けを済ませた帰り道、ベンチに座って空を見上げると涙がこみ上げてきた。(連載⑫)

・30代後半、公民館の学びの場に通い、夜間中学の存在を知った。(連載⑬)

・本紙の連載「夜間中学はいま」で80代で学ぶ人も、90歳を超えて入学した人もいることを知り、「背中を押されて」昨年9月に入学した。いくつになっても学べる喜びと大変さを日々感じている。(総集編)

・夜間中学の生徒募集は市の広報紙で知った。学校は家の近くにあったが、「授業についていけるか不安」で迷い悩み続ける。犬の散歩コースを変更して毎日、学校の周囲をぐるぐると回った。3年間も。ついに勇気を振り絞って見学に行くと、「私と同じような年の人たちが面白そうに勉強していて、うれしくなりました」(卒業編②)

・家のポストに投げ込まれた生徒募集のチラシがもたらした。「ずっと学校に行きたかった。若くして亡くなった教育熱心な父との約束が果たせるかも、と喜びました」(卒業編③)

 「夜間中学を知ったきっかけ」について、夜間中学生に聞き取り調査をした調査結果がある(近畿夜間中学校連絡協議会 2018.06.08)。・人からの紹介 238,募集ビラ、ポスター、看板など 32,・自治体の広報 28,・テレビ、ラジオ、映画 10,・夜間中学等の行事 9,・新聞、書籍など8,・インターネットで 8,・教育委員会、行政機関など 4,  複数回答も可とした。

 圧倒的に多いのが「人からの紹介」である。親、兄弟姉妹など家族、親せき、夜間中学へ通っている友人からの紹介である。

夜間中学生がターミナルや街頭に立って募集活動を積極的に行っている。「一枚のビラのおかげで入学できた」(守口夜間中学いろは歌)仕事の帰り、受け取ったビラを大切に持って、「一枚のビラのおかげで入学できた」のは私ですと、10年以上前の募集活動で配った「募集ビラ」を見せていただいたときはホント驚いた。

(連載④)の「おつかいの帰り道で一枚のポスターが目に入る」の目にした一枚のポスターは、ひとりの夜間中学生卒業生が自費で部材を準備し、掲示板を手作りで制作。地域の自治会長さんに声をかけ、張り出したポスターのひとつを目にしたものであることがわかった。この卒業生は、しばらくしてお亡くなりになった。が、「夜間中学を多くの人たちに」との想いは一枚のポスターでつながっていった。

公立の中学生がビラを配り、ポスターを書き、FM放送に出演して「生徒募集活動」をすることはまずありえないと思うが、夜間中学生は、「生徒募集活動」を実践している。

近畿夜間中学校生徒会連合会は夜間中学生が描いた生徒募集ポスターを投票によって決め、ポスターを制作、生徒募集活動を行っている。一番新しいものは奈良市立春日夜間中学生と昼の中学生の合作によるポスターに決定した。イラストは昼間の中学2年の生徒のアイデア、「勇気の一歩 夜中へ」というキャッチフレーズを考えたのは夜間中学生だ。ここでも優れた学びが展開されている。(つづく)

 
 
 
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