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夜間中学その日その日 (1003)  白井善吾

  • journalistworld0
  • 2024年11月22日
  • 読了時間: 4分

  『不思議な力 夜間中学』                 2024.11.23


「この夜間中学には、不登校や引きこもりを苦しめる力を癒し治す、不思議な力があるのではないかと思います。この不思議な力を多くの教員、またいろいろな人たちが手に入れられた時に、今、社会問題になっている不登校や引きこもりの人たちを救うことができるようになるのではないでしょうか。そう思います」。不登校と15年の引きこもりを経て入学した夜間中学生から夜間中学が持っている不思議な力を明らかにする課題を託された。守口夜間中学生徒会が活動をまとめた冊子のタイトルは『昔の自分がうそみたい 学校は不思議な所』と不思議を用いられている。



 守口夜間中学30周年の記念行事の参加者から感想が寄せられている。いくつか紹介する。


「昼と夜の違いは『自分の言葉、自分を語る言葉』を持っているかどうかのだと感じました。夜間の生徒さんが自分の言葉で自分を語っていらっしゃる姿からそんなことを思いました」「ご自分の辛い話を言葉にできる強い力をお持ちだ」「私の何気ない一言や行動から深く傷ついている子どもがいるかもしれない。反省しました」「ありがとうございました。特に勇気をもって発言された生徒さんに感謝いたします」「しっかり受け止めました」「生徒さんの姿勢に圧倒されました。『学び』という言葉で自分たちの取り組みをとらえておられる」(教員)


「学校の勉強がきらいだったけど、今日の授業を見ていてもうちょっと勉強しようと思いました」「「授業を見て思ったことは自分の意見が言えているところです」(中学生)


「将来教師になりたいと考えています。今回の貴重な体験は今後の私にも大きく影響してくるものと思います。学ぶことの喜び、楽しさ、そういったものをストレートに表現できる夜間中学生の姿こそ、真の生徒の姿であると感じました」「学ぶ喜びや大切さということについて深く考えさせられました」「皆さんが本当に楽しみながら積極的に学んでおられる姿がとても印象深く私自身もうれしくなりました」(大学生)


30周年記念の行事で夜間中学生から夜間中学が持つ「不思議な力」を明らかにすることの課題提起を教師集団は受けた。30周年行事のまとめに議論を行いながら、この課題提起を教師集団は受け止め、夜間中学生の生徒会活動、自分史を綴るとりくみ、交流の取り組み、学び、授業、髙野雅夫さんとの対話を通して明らかにすることとして、活動の記録の編集作業を行い公刊し、各人が考える「不思議な力」を明らかにすることをとりくんだ。1年後の2004年12月『不思議な力 夜間中学』(宇多出版企画)を出版した。




 夜間中学生6名が綴った自分史を巻頭で掲載した。在日1世のハンソルジャさん「私の人生、悔いはなし」、イムスクさん「苦労した10年」。中国残留孤児の永井満子さん「私は日本人」。日本人の西村恵美さん「私は夜間中学生 今が夢みたい」、平尾和美さん「夜間中学に来るまで」、不登校引きこもりを経験した松田弘司さん「無くせない思い『学びたい』」。

「教育は運動、運動は教育」守口夜間中学の生徒会活動。そして夜間中学生と昼の小・中・高校・大学生などと行った交流の記録。日本語、社会、理科、などの授業実践記録。


 髙野雅夫さんを招いて夜間中学生との意見交流会の記録を収録した。夜間中学生2名が「秘めた思いを学びで綴る」「私と学校」で意見発表を行い、意見交流を進める。これらを受け、髙野さんが報告をする進め方が展開されている。


 髙野さんは「夜間中学生の力がどこまで世の中に通じるか、世の中を切り拓けるか」。「人間として感情まで奪い返す」。「夜間中学で学んだ文字とコトバでどう切り込むか」。「文字を学んで自分と仲間の歴史が見える」。「文字を学んで世界が見える」。「自分が今まで生きてきた歴史の中で絶対忘れず、こだわっている三つの顔」。「夜間中学で学んだら、世の中に出て確かめる」。「大阪の夜間中学の歴史は、天王寺の講堂から始まった」。「生徒会のない学校が日本にありますか?」。「団結して“こやしの思想”をつくっていく」。「すごい歴史の財産を一人一人が持っている」。「仲間の力を信じて、誇り高く生きていってほしい」。「一人一人が立ち上がって、力を合わせる」と夜間中学生に呼びかけた。

 出版から20年が経過するが、時間の経過とともにその記憶は薄らいでいく、しかし、ページを開き、数行活字を追うとその頃のことが鮮やかによみがえってくる。その場面だけでなく、その周辺のことも大きな塊としてよみがえってくる。一方、批判的な目で読み返していると気になる記述がある。具体でいうと、当時「教育は運動、運動は教育」守口夜間中学の生徒会活動と書いているが、今はそうはいわない、「学びは運動、運動は学び」とするはずだ。

 当時大変な出版に向けた作業であったが、「夜間中学の不思議な力」を明らかにする、その確認作業としてとりくめたことは意義深いことだと考えている。

 
 
 

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