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夜間中学その日その日 (1059) 夜間中学資料情報室

  • journalistworld0
  • 11月7日
  • 読了時間: 4分

髙野雅夫さん追悼のつどい(2)         2025.11.08


 髙野さんがお亡くなりになって間もなく4ヵ月になる。髙野さんの謦咳に接した私たちは「髙野雅夫さんの想いを受け継ぎ決意を新たにする集い」の準備を進めている。多くの皆様のご参加を呼びかけている。

 

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 この時期の夜間中学や夜間中学生徒会は一層忙しくなる。例年の生徒会行事に加え、第71回全国夜間中学校研究大会(2025.12.5~6)が大阪で開催されその準備が加わる。寒くなる季節に向い、在校生や、夜間中学卒業生、関係者にはお許し願いたい。

 髙野雅夫さんはこの時期に開かれる全国人権・同和教育研究大会に毎回参加され、全国各地から参加される多くの方々と交流されていた。この76回研究大会が(2025.11.29~30)大阪、兵庫で開催されるにあわせて、日時を設定させていただいた。ご理解をお願いしたい。

 

 日時 2025年11月29日(土) 受付18:00~ 

開会18:30~ 閉会20:30

  会場 大阪市立住吉区民センター/小ホール 

(大阪市住吉区南住吉3-15-56)

  参加予約 参加費  いりません

 

 「夜間中学は、人間としての誇りと権利を奪い返す闘いの場だ」

                                 笹山輝代

 髙野雅夫さんは、戦争孤児だったそうです。福岡・博多・東京・山谷などを転々として、17歳のときに、初めて文字を覚えたとお聞きしました。21歳のとき、東京都荒川区立第九中夜間学級に入学し、卒業後、1966年、大阪に出てこられました。そして、読み書きのできない人たちのために立ち上がり、天王寺夜間中学設立に向け、大きな道を開いてくださいました。そして、2025年7月26日、永遠の眠りにつきました。

 髙野雅夫さんは、「夜間中学の原点は、天王寺夜間中学にある」と、よくおっしゃっていました。天王寺夜間中学だけでなく、全国の夜間中学のために、あらゆる努力をされてこられました。

 髙野雅夫さんは、私たちにとって、本当に、大きな存在です。「大阪にも、夜間中学を必要としている人はいるはずだ」と、56年前、天王寺夜間中学の正門で、新入生がやってくるのを待っていたというお話を髙野さんからお聞きしました。その56年前の新入生続き、私たちは文字を学ぶことができ、読み書きができるようになりました。

 髙野雅夫さんは、人生最後の最後まで、夜間中学校を思い、闘う姿をみせてくださいました。一言では言えないほどたくさんの思いと教えを残してくださいました。

 「夜間中学は本音を出す場である。生徒も先生も、本音を出し合って確かめ合う道場である」という髙野さんのことばどおり、私たちは、生徒会や行事など、いろいろな活動を通して、あらゆる場で本音を出し合い、お互いを高めてきたつもりです。仕事を終えて学校に走り、わくわくしながら勉強し、仲間と語り合いました。辛かったこと、うれしかったこと、悔しかったこと、これからのこと、時間を忘れて語り合いました。そして、自分の人生を見つけることができたのです。

 卒業してからも、同窓会の役員として、「まだ、夜間中学にたどり着いていない人たちのために、自分たちは何ができるか」、語り合っています。地域の活動にも、積極的に参加し、ボランティア活動もしています。読み書きができなかったころの自分では考えられないことです。

 「夜間中学は、人間としての誇りと権利を奪い返す闘いの場だ」、これは髙野雅夫さんのことばです。                    (天王寺夜間中学 同窓会)

 

   同窓会に託された遺言書

                              辻野宇起江

 天王寺夜間中学校卒業生の皆様へ悲しいご報告があります。もうすでにテレビや新聞でご存じかと思いますが、「夜間中学校の象徴」とも言える髙野雅夫さんが、2025年7月26日(土)、亡くなられました。

 生前の髙野さんのご意志でお通夜もお葬式もなく、鶴見斎場で、お見送りをしてきました。突然の事に、私は全身の力が抜け、涙もでませんでした。ただただ、「安らかにお眠りください。ありがとうございました。」と合掌するだけでした。

 私が初めてお会いした時の髙野さんは、かなり着古したヨレヨレのTシャツ姿でしたが、とても力強い印象でした。白髪の髙野さんは、ずっと以前から私を知っているかのように優しく笑顔で手を差しのべながら「お元気ですか」と話しかけて下さいました。そのときのことを、今でも鮮明に覚えています。

 以前から夜間中学の話には、髙野さんのお名前をよく耳にしていました。一人で行政と闘い、夜間中学校の開設や、増設に尽力し、現在の私たちに道筋をつけてくださった髙野さんでした。一つのことに信念を持ち、やり遂げた人間は、周りのどんな人に対しても、驕ることなく、優しく接することができるのだと思います。髙野さんに強さと優しさ、人としてのあり方を教わったような気がします。

 今年の天王寺夜間中学の同窓会総会で、髙野さんからコメントをいただきました。その中に、「二年後に新築される校舎の中に、天王寺夜間中学校の歴史、証拠、証言を残しておいてほしい。」という言葉がありました。今思えば、私たち同窓会に託された遺言書とも言える、熱いコメントでした。私、辻野は、微力ですが同窓会のみなさんと役員会議をかさね、切磋琢磨しながらがんばりたいと思っています。先に亡くなられた門脇さんとともに、髙野さんの姿、形は見えなくても、きっと、私たちの背後で、応援してくださっていると思います。卒業生の皆様、応援してください。          (天王寺夜間中学 同窓会)


 
 
 

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