夜間中学その日その日 (733) 夜間中学資料情報室
- journalistworld0
- 2021年1月4日
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2020年夜間中学をめぐる動き(2020.01~2020.12) 2021.01.04
夜間中学資料情報室 2020.12.31
2020年の夜間中学を巡る状況を掲載された新聞記事を基に、各地の夜間中学の状況を知る資料として、記事の見出しを中心に、一覧表を作成した。収録できていない記事も多いと思うが、新増設の動きを中心に作業を行った。分量が多く、煩雑でわかりにくいので、2020年中と限定した。しかしそうしない方がよかったのではと反省している。2019年以前には一定のとりくみの記事があったが、2020年に記事がなければ、その地域が空欄になってしまい、とりくみが全くない地域と受け取られてしまう問題点が生じる。新聞記事と限定せず、地方自治体の議会議事録、テレビ放送、ホームページの検索作業を加えれば防げたかもしれない。そこまでは力及ばなかった。気づかれた点、指摘いただき完成をめざしたい。
2020年の動向で注目しておきたい動きがある。学校教育ではなく社会教育でとする動きだ。一つは2014年に開講した、北海道苫小牧市のとりくみだ。さまざまな理由で就学期に義務教育を受けられなかった苫小牧市民などを対象にした学びの教室「ナナカマド教室」(苫小牧市教育委員会主催)。もう一つは岡山県が県内4カ所で行っている学び直し教室と岡山市が市内2カ所で行っている学び直し教室の例だ。他に和歌山県が県内4カ所の定時制高校ではじめた「きのくに学びの教室」のとりくみがある。義務教育を終えることが出来なかった人たちなどを対象に、「国・数・英」の学習を無料で、37名が参加し2019年9月1日開講している(2019.09.02毎日新聞)。さらに三重県が打ちだした、2021年度中の実施を予定する実証研究として「学び直し教室」を行ない、その結果を踏まえ、夜間中学の必要性を判断する方針を明らかにした(伊勢新聞 2020.12.23)。
学校教育と比べ圧倒的に安上がりの社会教育で行なおうとする動きではないかとの見方だ。それほど地方行政の財政状況は大変だ。夜間中学1校(4クラス,100名 常勤7人で)の費用はいくら必要か?全夜中研がおこなった試算がある。諸経費680万、人件費5500万、あわせて年間運営費6180万となり、国の負担分をのぞき設置市負担は3600万円になる。
経費の問題以外に、義務教育を充分受けることのできなかった「気の毒な人たちに勉強ができるところをつくってあげましょう」という国や地方の行政担当者の思考の貧困さがある。
夜間中学の開設がもたらすその地域の教育に及ぼす効果が理解できていないのだ。このことの責任の一端は既存の夜間中学にもある。
(白井善吾)

≪札幌市≫
・入学希望者数は学習内容は 公立夜間中学の需要探る 22年開校へ 市教委 外国人ら3400人調査(北海道新聞 2020.01.22)
・夜間中学の希望者市外も受け入れ 札幌市教育委員会(北海道新聞 2020.02.27)
・多様なニーズ対応/安心し学習 札幌市教委、夜間中学の方向示す。有識者らが意見交換する「在り方検討委員会」を開き、今後も協議を重ね、市教委は本年度中に基本計画を策定(北海道新聞 2020.07.04)
・「2022年4月、開校予定の公立夜間中学校について,既存の分校ではない『単独校』とし、スクールカウンセラーや通訳ボランティアを配置する」と長谷川教育長答弁(北海道新聞 2020.12.04)
・札幌市立資生館小学校(中央区)内に2022年4月、道内では初の公立夜間中学校が開設されることになった。21日の市教育委員会会議で計画案が確定。既存中学の分校ではなく、教員数が多い単独校。1学年1学級で修業年限は3年間。じっくり学びたい人のために最長6年間在籍できる。札幌市内在住者が対象だが、近隣市町村在住者にも門戸を広げる方向(朝日新聞 2020.12.22)
≪北海道≫
≪仙台市≫
≪山形県≫
・山形県内での「夜間中学」設立に向け、現状や課題などについての意見を交換する会が2月29日、山形市内であり、約50人が参加した(朝日新聞 2020.03.01)
≪岩手県≫
≪福島県≫
≪栃木県≫
・県教育委員会は25日、県内に夜間中学が「あったらよい」と求める回答が853通に上ったアンケート結果を発表した(2020.03.26毎日)
・「夜間中学」ニーズ調査 設置希望約89%、960人(日本語版877人、ベトナム・中国・ブラジル・ペルーなどの外国語版83人)から有効回答を得た。県教育委員会では、今後この結果を活用し、「夜間中学」について議論していく予定。(日本教育新聞 2020.04.14)
・夜間中学の充実訴え 「県内にも公立設置を」宇都宮大国際学部の田巻松雄教授が代表を務める、夜間中学の研究グループの主催(讀賣新聞 2020.12.06)
・子育て街づくり協議、宇都宮市に県提案へ 知事「適切な役割分担を」 /栃木県
(朝日新聞 2020.12.15)
≪宇都宮市≫
・
≪常総市≫
・4月、常総市の市立水海道中学校に誕生 (茨城新聞 2020.02.06)
・《新型コロナ・影響》常総市、夜間中学の開校延期、市学校教育課によると、入学予定者は22人。当初は25人だったが、新型コロナウイルス感染を懸念する生徒など3人が入学を辞退したという。(茨城新聞 2020.04.10)
・常総・夜間中学新入生20人、待望の登校へ 新型コロナで度重なる延期、入学予定者は当初、25人だった。コロナ感染を懸念する生徒など5人が入学を辞退し、20人となった(茨城新聞 2020.05.24)
・「学びたい」願いは共通 常総の夜間中学で入学式 /茨城 (毎日新聞 2020.06.04)
・県内初の夜間中学を開設 常総、外国人ら20人入学 当初、4月15日に開校・入学式典を予定していたが、新型コロナの影響で2度にわたり延期していた (東京新聞 2020.06.04)
≪松戸市≫
≪千葉市≫
・夜間中学設置検討本格化 「一定のニーズある」 千葉市教委(千葉日報 2020.12.08)
・夜間中学通学希望は計122人 千葉市、設置検討で調査 (朝日新聞 2020.12.12)
・アンケートでは、484人のうち478人(99%)が「市内に公立夜間中学があったらよい」と回答。市教委担当者、「ニーズは高いので早期の開設を目指したい」としている。(讀賣新聞 2020.12.19)
≪川口市≫
・川口の夜間中学、14人進学 初の卒業生19人 13人が外国籍 /埼玉(毎日新聞2020.04.07)
≪神奈川県≫
・県教委の桐谷次郎教育長 2022年4月から県立神奈川総合産業高(相模原市南区)に(相模原市立の夜間中学を)設置する。(毎日新聞2020.12.02)
≪相模原市≫
・夜間中学で初の体験会 来月、新設意向の相模原市で 県が支援して市外の人も通える形を模索(毎日新聞 2019.10.28)
・夜間中学22年開校へ 相模原市、21年夏から生徒募集 (神奈川新聞 2020.11.28)
・夜間中学 相模原市、22年度開校へ 県内から広く受け入れ (東京新聞 2020.12.02)
≪群馬県≫
・多文化共生、県が「群馬モデル」 人口減、外国人定住化に対応 市町村と連携し施策(毎日2020.02.23)
・義務教育全ての人に 夜間中学設置へ機運、本年度、調査費を予算化した群馬県はニーズ調査や視察を進める計画だ (上毛新聞 2020.06.22)
・夜間中学ニーズ調査 3カ月後めどに公表 県教委 (上毛新聞 2020.07.08)
・夜間中学 74%が県内設置を希望 群馬県教委調査 年明けに検討会、地元での開校に前向きだった大泉町は設置方針を取り下げた (上毛新聞 2020.12.14)
≪群馬県大泉町≫
・村山俊明町長は「全国34番目となる夜間中学を町内に開校できるように文部科学省、県と連携していきたい」と発言した。夜間中学開校を表明したのは県内自治体で初めて(上毛新聞 2020.02.12)
・地元での開校に前向きだった大泉町は設置方針を取り下げた (上毛新聞 2020.12.14)
≪伊勢崎市≫
・夜間中学必要性知って 映画上映と卒業生講演 伊勢崎 夜間中学の必要性を話し合う(左から)井上さん、見城さん、森さん、戎さん(上毛新聞 2020.01.26)
≪山梨県≫
・
≪静岡県≫
・静岡県教委が「夜間中学」のニーズ調査 13日から (静岡新聞 2020.10.10)
≪愛知県≫
≪岐阜県≫
・岐阜市庁舎跡地にヘルスケア拠点を 県経済同友会 提言 外国人の日本語学習を支援するため、明徳庁舎には夜間中学を設けるべきだとしている。(朝日新聞 2020.01.24)
・不登校特例校、進まぬ設置 岐阜以外の中部の教委「検討せず」。中部初の公立の不登校特例校「岐阜市立草潤(そうじゅん)中学校」の開校は来春(中日新聞2020.11.15)
≪三重県≫
・県教委の調査は中学で十分に教育を受けられなかった16歳以上の人らを対象に2月14日まで実施。通学の希望や理由を尋ねている。(伊勢新聞 2020.01.24)
・公立夜間中学、ニーズを調査 県教委がアンケート 2/14まで (朝日新聞 2020.01.26)
・三重 夜間中学「通いたい」8割 県教委、設置の方向性検討 (中日新聞 2020.04.06)
・回答者の8割「通ってみたい」 夜間中ニーズ 三重県教委調査 ( 朝日新聞 2020.05.05)
・学び直しに「夜間中学」 来月中にも検討委 三重県議会常任委 (伊勢新聞2020.06.20)
・「夜間中学」を三重県内に設置する必要性などを議論する検討委員会(9人)は22日、県庁で初会合を開いた。2019年度の調査では回答者の約8割が「通ってみたい」と答えたことから検討委の設置を決めた。(伊勢新聞 2020.07.23)
・夜間中学のニーズや課題把握 県教委、県内各地で来年度から義務教育学び直し教室開催
(中日新聞 2020.12.11)
・6割「学び直したい」 県教委調査 夜間中学希望は2割 検討会での議論や来年度中の実施を予定する実証研究の結果を踏まえ、夜間中学の必要性を判断する方針(2020.12.23伊勢新聞)
・夜間中学準備へ、「学び直し教室」 県教委、来年度から /三重県(朝日新聞 2020.12.28)
≪長野県≫
≪石川県≫
・夜間中学を金沢にも 学びとは何かを考える映画 金沢に夜間中学をつくる会 喜成清恵・金沢市議が中心 (朝日新聞2020.01.17)
・喜成清恵市議(立憲)の音頭で現役教員や元教員ら約15人が、夜間中学設置を目指す運営委員会を立ち上げた。授業の形態や頻度などを詰め、今秋の開校を目指している。問い合わせは「石川に夜間中学をつくる会」(2020.03.21朝日新聞)
≪滋賀県≫
≪京都府≫
≪京都市≫
≪大阪府≫
・夜間中学などに日本語指導の支援員配置外国籍生徒の増加に対応 大阪府 6校に1人ずつ計6人の「日本語指導支援員」を配置(産経新聞 2020.02.04)
≪兵庫県≫
≪神戸市≫
・
≪姫路市≫
・県と姫路市の両教育委員会は、9月11日と来年1月に同市内で「夜間中学体験会」を開く。夜間中学を知ってもらい、ニーズを掘り起こすのが狙いだ。(朝日新聞 2020.08.14)
・学び直しの決意胸に 夜間中学体験会に11人 姫路 (神戸新聞 2020.09.15)
・体験会は2021年1月22日午後5時からも開かれる (毎日新聞 2020.09.15)
≪尼崎市≫
・尼崎の夜間中学、市外から入学可 6市1町対象 /兵庫(毎日新聞2020.12.22)
≪和歌山県≫
≪和歌山市≫
≪岡山県≫
≪岡山市≫
・夜間中学開設の陳情書 市民グループ、市議会に提出 グループ代表奥津亘弁護士「市教委は開設するために一歩踏み込んでほしい」(毎日新聞 2020.01.18)
・夜間教室6月にも開校 岡山市教委 義務教育不十分な人を対象に 夜間教室を運営しながら、公立夜間中が必要かどうかも検討したい(山陽新聞 2020.01.23 )
・夜間中学開設の陳情書 市民グループ、市議会に提出 岡山 /岡山 (毎日新聞2020.02.18)
・「夜間中学で学びたい」声が後押し 夜間教室設置 市は6月にも、市内2カ所で月2回、教員OBらが指導する 夜間教室の事業費約330万円 (産経新聞2020.02.19)
・夜間教室2カ所、受講生を募集中 岡山市 /岡山 (毎日新聞 2020.05.17)
・岡山市教委の「夜間教室」始まる 読み書きや計算、教員OBが指導 、適応指導教室のトラングル一宮(北区一宮)で20~70代の4人が受講した。教員OB5人が講師。定員は各15人程度で、現在計7人が受講(山陽新聞 2020.07.09)
≪備前市≫
≪鳥取県≫
・夜間中学を公立で設置 県教委が検討へ 設置には時間がかかるとみられ、当面は夜間中学以外での学びの場を充実させて対応する。今月中に県内4市教委と協議し、5月以降に検討組織を立ち上げる (日本海新聞 2020.04.06)
・24年度までに開校 夜間中学、県検討委が方針 (日本海新聞 2020.09.05)
・夜間中学、県立での開校を検討 鳥取県教委、①昼間の部、夜間の部を分ける「2部制」案、②仮に県東部に開設する場合、中部や西部に何らかの教室を設ける「サテライト」案。今年度末に県教委としての設置案を決める予定。(朝日2020.09.11)
≪島根県≫
≪徳島県≫
・県立夜間中学開校準備事業(2億650万円)(朝日新聞 2020.02.06)
・21年4月に開校する全国初の夜間中学「県立しらさぎ中学」の準備を進めるため、教育創生課と学校教育課の人員体制を強化(2020.03.25毎日)
・県教委は22日、2021年4月に予定している夜間中学校「県立しらさぎ中学校」の開校に向け、兼務や併任辞令を内容とする人事異動(6月1日付)を発表した。(毎日新聞 2020 05.23)
・夜間中学で学び直しを 徳島県立しらさぎ中、2020年9月から生徒募集 個別授業、郷土学習に力(徳島新聞 2020.08.14)
・県立夜間中学、応募が低調 21年4月開校、計画の2割14人 (徳島新聞 2020.11.01)
・全国初「県立」夜間中学が空白地帯だった四国に来春誕生 (産経新聞 2020.11.09)
・「学び直し」の機会、不登校や外国籍の人に 来春開校の徳島県立夜間中学 少人数制、個人の目標や学力に合わせた学びを 通学距離や仕事との両立ネックに‘毎日新聞 2020.12.22)
≪高知県≫
・夜間中学の入学対象に現役中学生含まず 不登校生徒は対応検討 9月に学校説明会、10月から生徒募集を始める計画(高知新聞 2020.02.13)
・夜間中学は高知駅近くに 江の口支援学校校舎を活用( 高知新聞 2020.02.29)
・教員らで作る市民団体「高知県に『夜間中学』をつくる会」が開催しており3回目。会のメンバーや夜間中学に関心のある市議ら約30人が(毎日新聞 2020.03.06)
・新特別支援校は高知市に、高知江の口特別支援学校(同市新本町2丁目)の跡地活用 県教委が22年度開校方針 (高知新聞 2020.07.04)
・公立夜間中学の校名を「高知県立高知国際中学校夜間学級」とすることが20日の高知県教育委員会で正式に決まった。義務教育を終えていない県内在住の40人を10月から募集する。面接を経て年内に入学者が決まる。(高知新聞 2020.08.21)
・夜間中学説明会、9月20日、10月8日開催 (朝日新聞 2020.09.17)
・高知国際中学校の夜間学級 入学希望者は12人 来春開校 (高知新聞 2020.12.15)
≪香川県≫
・夜間中学ニーズ、県教委調査 「学びたい」171人が開設希望 外国人の多い丸亀で高需要(毎日新聞 2020.03.17)
《三豊市》
・夜間中学のニーズ調査/三豊市「設置に向け検討」(四国新聞 2020.12.22)
≪愛媛県≫
≪福岡市≫
≪大牟田市≫
・全小中校を一貫化へ 夜間中学導入もめざす 新年度の一般会計予算案(朝日新聞2020.02.22 )
≪佐賀県≫
≪佐賀市≫
≪大分県≫
≪熊本県≫
≪長崎県≫
・夜間中学設置検討 今夏めどにニーズ調査へ 県協議会が初会合 (長崎新聞 2020.06.24)
・「中学生に戻ったみたい」 長崎県西彼長与町の高田地区公民館で開かれている「学びなおし講座」町生涯学習課は「夜間中学校の簡易版。誰もが『もう一度勉強できる場』を確保したい」(長崎新聞社 2020.09.17)
・県教委、公立夜間中学ニーズ探る調査 来月末まで (朝日新聞 2020.10.17)
・夜間中学アンケ協力を 長崎県教委「多くの声聞かせて」30日まで(長崎新聞 2020.11.14)
≪沖縄県≫
・沖縄に夜間中設置へ4案まとまる 中学校未修了者や学び直しに (沖縄タイムス 2020.02.19)
・NPO法人珊瑚舎スコーレ(那覇市樋川)は11日、運営するフリースクールと夜間中学校の「入学を祝う会」を開いた。新入生はフリースクールが7人、夜間中学校が4人(沖縄タイムス 2020.04.26)
《那覇市》
・夜間中学の設置「積極的に推進を」 那覇市議会が全会一致で可決。那覇市は検討委員会(ワーキングチーム会議)を設け、夜間中学設置の可能性を検討している。(琉球新報 2020.12.23)
≪国・文科省≫
・全国で夜間中学の設置を促すため、文科省は1月15日までに、教育委員会の担当者を対象とした夜間中学設置推進説明会(教育新聞 2020.01.15)
・夜間中学、10都府県34校に 文科省の目標届かず。 (日本経済新聞 2020.07.06)
・外国籍の子の就学支援策、文科省が通知 「学齢簿」に記載/高校入試で配慮、夜間中学を設置している自治体では、夜間中学への入学について案内する (朝日新聞 2020.07.27)
・日本語教育 推進施策の基本方針を閣議決定 (毎日新聞 2020.08.07)
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