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夜間中学その日その日 (775)    白井善吾

  • journalistworld0
  • 2021年9月5日
  • 読了時間: 3分

 生徒募集活動を夜間中学生の手で       2021.09.06

 夜間中学の授業中の出来事だ。守口夜間中学生徒会が手分けをして、居住市の教育委員会を訪問して、夜間中学の説明や、生徒募集の公報掲載、就学援助の支援などを要請した活動の報告をクラスで行なっていたとき、「夜間中学その日その日」に投稿したことを話すと、一人の10代の夜間中学生、スマホを取り出して、その記事を検索して、続きを声を出して読み始めた。私もあっけにとられたが、クラスの他の夜間中学生、「生徒会新聞『拳(こぶし)』が携帯でみれるの?」「便利になったのう!」「先生遅れてますね」「何でも調べられる、わからん漢字も調べる」「私ら、ひとつひとつ、字引を引いて調べているのに」「辞書も小さいけど、スマホの画面の字も小さい」「便利やけど、月々、高いんやろ?それやったら辞書でええ」「しかし、便利や、使い方覚えたい」・・会話がはずんだ。


「教育委員会の人、前に行ったときと同じ人で、私らのことよく分かっとってくれた。もう一人の人は、はじめて教育委員会に来た人で、夜間中学に見学に行きたい言うてはった」「教育委員会の先生も夜間中学のこと知らん人があるンやから、夜間中学に行きたい人に夜間中学があること知ってもらうのは大変や」


 話題は夜間中学を必要とする人に知らせるには、どうすればよいかという、広報活動に進んでいった。大阪の夜間中学は、4月入学と、9月10日までの入学が設けられている。4月入学だけに変更しようとした府教委に対し、生徒会が声を集め、府教委との交渉で強く実施を迫り、9月入学も認めさせたとりくみがある(1994.2.22)。夜間中学生は生徒会活動として募集活動を行なっている。ポスターをつくり、掲示を依頼し、ターミナルに立って募集ビラを配る。地域の市民行事に参加し、夜間中学のブーツから、夜間中学を知らせるとりくみを行っている。地域ラジオ局に出演し、夜間中学生募集を訴える。新聞の取材を積極的に受け、テレビ・ラジオ番組に夜間中学生が出演するのも、夜間中学を必要とする人に夜間中学があることを知らせたいという想いをどの夜間中学生も持っているからだ。

 昼の義務制の子どもたちが駅前に立って、生徒募集活動を行なっている事はおそらくないであろう。募集活動をしなくても、教育委員会から、就学通知の連絡が届き、指定された、その日に学校に行けば、教室に自分の席がある。

 夜間中学生には就学通知書が送られてくることはない。夜間中学生は自らの力で夜間中学生を集めているところが異なる点だ。生徒数が減ると、クラス数が減り、教員が減らされる。学習環境がさらに劣悪になる。



 自分が夜間中学に入学できたときのことを考えると、可能性は低いかもしれないが、この募集ビラがその人たちに届くようにと想いをこめて、配っている。守口夜間中学いろは歌の「い」は「一枚のビラのおかけで入学できた」だ。この一枚のビラが、人から人に手渡され、夜間中学を必要とする人に届くことを願っている。夜間中学の学校公開を続けているが、夜間中学を知った人から、知らない人に拡がっていく可能性があるからだ。

 「夜間中学生募集活動をわたしたちの手で」、夜間中学の生徒会活動でとりくむことは、重要だ。新たに誕生した夜間中学も、募集ビラを作成し、いろんな方法で夜間中学があること、「わたしたちと一緒に学びましょう」と声をあげよう。

 
 
 

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