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夜間中学その日その日 (798)   砦通信編集委員会

  • journalistworld0
  • 2021年12月16日
  • 読了時間: 4分

夜間中学同窓生が寄せた想い              2021.12.17

 2013年末から2014年にかけ、天王寺夜間中学を廃校にしようとする大阪市教育委員会の動きがあった。近畿夜間中学校生徒会連合会が力を合わせ、天王寺夜間中学生徒会を応援、大阪市教育委員会に存続を迫った。そのとりくみの経過を4回にわたって、当時の「夜間中学その日その日」に掲載された記事を紹介してきた。ちょうど8年の歳月が経過したことになる。夜間中学の修業年限は最長9年、そのとりくみを経験した夜間中学生は、天王寺、文の里夜間中学ではおそらく在籍していないと推察する。他の夜間中学でもごくごく少数だと考えられる。

 当時の闘いを経験した夜間中学生から声が届きはじめた。11/26、天王寺夜間中学生に説明のため、大阪市教育委員会が来校したとき、在校生を応援するため、同窓生が10人駆けつけた。説明会の会場には入室できなかったが、後日発行された同窓会通信に同窓生の声が掲載されていた。





「やっと コロナも落ち着いてきたように思いますが、みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。コロナ禍で2回も同窓会総会が中止になり、寂しく思っています。そんな中、驚くニュースが入ってきました。私たちの母校である天王寺夜間中学を2024年につぶそうと、大阪市教育委員会が動き始めたというのです。こんなことは怒りを持って許すわけにはいきません。私たちは『天王寺夜間中学をつぶさないで!』と署名活動をすることにしました。今回、同窓会通信といっしょに署名用紙を同封しました。家族、親せき、友だち、いろいろな人に声を掛け、一人でも多くの署名を集めてください。卒業生のみなさまのお力をお貸し下さい。天王寺・文の里夜間中学をみんなで守っていきましょう」


「人間として生きることを教えてくれた天王寺夜間中学がなくなるかもしれないということを知り、11月25日に韓国から帰ってきました。どうしたらいいかわかりませんが、このまま引き下がることはできません。私たちの大切な母校を守るため、がんばります」


「戦後の貧しい時代に教育からこぼれた人たちがたくさんいました。私もその一人です。差別やコンプレックス、貧困などをかかえた人々を手弁当で熱心に支えて頑張ってきた先輩方を想うと胸が熱くなります。今度は私たちが がんばります。署名がんばります」


「夜間中学に入学する前の私は、文字が書けず、計算ができないまま社会人になったので、ハンディがたくさんあった。昔、得意先に集金に行ったとき、私が書いた領収書を見て、『こんな字で金が払えるか!』と言われた。その言葉に大変傷つき、それ以後、性格が内気になってしまった。25歳で結婚し子どもや孫にも恵まれ、今は幸せに暮らしているが、義務教育を受けることがいかに大切か、人が人として生きることの基本ではないかと痛感している。52年前、髙野雅夫さんがたった一人で運動して、近畿に夜間中学校をつくった。天王寺夜間中学の1期生、2期生が自分たちの力で就学援助金や補食給食を勝ち取ってきた。そんな先輩方に続くよう。私たちも頑張りたい。みなさんも、なにとぞ、応援して下さい」


「私たちの母校である天王寺夜間中学と文の里夜間中学を廃校にするというとんでもないことが起っています。憲法に私たちは教育を受ける権利と義務があると書かれています。母校を廃校にするということは、私たちから教育の権利を取り上げるということです。夜間中学生のOB、在校生、先生方、みんな一生懸命がんばっています。一人でも二人でもまわりの人にこのことを伝え、署名を集めてください」


「私は香港で生まれました。日本国籍である子どもの将来を考えて、日本に行くことにしましたが、日本の生活は、想像以上に大変なものでした。言葉の壁、生活習慣の壁、いろいろな壁にぶつかり、恥ずかしい思いもたくさんしました。一番困ったのは、子どもが病気したときでした。コトバだけでなく、日本の文化や風習についても知りたいと思いました。天王寺夜間中学のおかげで、今の私があります。天王寺・文の里夜間中学の廃校は絶対に反対です。みんなで力を合わせて一緒に反対しましょう。よろしくお願いいたします」


「子どものころ、戦争で家を焼かれ、路頭に迷い、貧しい生活でした。とても学校へ行く状況ではありませんでした。社会人になってから、読み書きができず、恥ずかしい思いをたくさんしました。60歳近くになり、ずっと頭の片隅にあった「学校に行きたい」という気持ちが強くなり、勇気を出して、天王寺夜間中学に入学しました。仕事を終え、1時間かけて、学校に通うのはとても大変でしたが、電車1本でいけるのが一番助かりました。天王寺夜間中学は交通の便がとてもいいです。あのときの私のように、生活のため毎日仕事をし、疲れた体で学校にたどり着く夜間中学生にとって、この便の良さが卒業までの自分を支えてくれるのです。年とってからの勉強はとても大変でしたが、勉強のできる喜びのほうが強かったです。その天王寺夜間中学が廃校になるかもしれないと知り、体が震えました。私のような人はまだたくさんいます。天王寺・文の里夜間中学をつぶさないでください」


 近畿夜間中学校生徒会連合会は、明日、12月18日(土曜日)午後1時からJR天王寺駅周辺で、街頭署名活動を実施し、文の里、天王寺夜間中学の存続を訴える。

 
 
 

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