夜間中学その日その日 (800) 砦通信編集委員会
- journalistworld0
- 2021年12月27日
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2021.12.18廃校反対街頭署名活動 2021.12.27
文の里夜間中学、天王寺夜間中学の存続を訴えて、近畿夜間中学校生徒会連合会が呼びかけた街頭署名活動に、近畿各地から、夜間中学生、教職員、同窓会、教職員OBそして、市民の約80名が参加した。

師走の街、行き交う市民に「夜間中学の学びを守れ」「夜間中学は私の母校」「夜間中学廃校の計画をやめてください」と訴えた。はじめはぎこちなかった。声も雑踏の中に消えていく、その声も震えている。ゼッケンを付け、ビラを配る人、プラカードを持って、通り過ぎる人に、呼びかける。その雰囲気に押されて、はじめで握るハンドマイクを通して訴える声も遠くまで届くようになってきた。自信をもって語りかけている。
天王寺動物園に通じる広場、子ども連れの若い親子の姿も多い。横断歩道を渡っていった人が戻ってきて、署名に応じている。「夜間中学のことだとわかり、署名します」と言ってペンを持った。
「どこの夜間中学ですか?私が中学生の時、学校で夜間中学のこと勉強しました。頑張ってください」。夜間中学が身近な存在になってきている。
母校が廃校になるかもしれない、同窓生から連絡が入り、韓国から戻ってきて、やっと今日の行動に参加できました。14日間は外出ができませんでした。近畿夜間中学校生徒会連合会の元会長もマイクを持ち「私たちが学んだ母校、たくさんの役割を果たしてきています。いくつになっても、学ぶことができます。学ぶことの大切さと、生きる力を夜間中学で学びました」と話した。
今日の行動は参加できません。障害を持った人たちの支援のボランティアを先に入れてしまっていたので、夜の集まりに、間に合えば参加します。連絡が入ってきた。
日差しがあるものの、寒さが指先に染み渡る。どうぞ使ってください、カイロがまわってきた。すでに温かいカイロになっている。自分ができる準備は何かと考えて持参されたのだろう。この思いやりは夜間中学生だ。ありがたい。車椅子の卒業生。車椅子の背には「天王寺夜間中学をつぶすな!」ゼッケンが取り付けてある。夜間中学生ひとり一人の立ち上がりが大きな力になっていく。仲間の立ち上がりを信じて、今日は私が頑張る。明日は君だ。このことを実証するこの日の行動だ。
寒い中、立ちっぱなしの行動は夜間中学生には、とりわけきつかったはずだ。しかし、誰も弱音を吐かない。場所を変えて、まとめの会を開くと連絡が入った。

まとめの会で、この日の街頭署名活動に参加していた髙野雅夫さんが次のように話した。「大阪市内に300万人いることを知り、300万枚ビラをまき続けたら必ず仲間が名乗り出ることを信じて、毎日心斎橋や天王寺駅や地下街などいろいろなとこでビラをまきながら、毎日、毎日大阪府、大阪市の教育委員会に通いました」「50年前たった一人でビラをまき続けた俺たちにくらべて、こんなに多くの仲間がいるじゃないか。今さら俺が何を言っても始まらない。命をかけても守りたいという夜間中学生が、いるのかないのか。それが問われていることだと思います」。
半世紀を超える時間の後、夜間中学生の先輩と後輩が、天王寺駅周辺の街頭署名活動を通してつながった。闘いは今から!
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