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夜間中学その日その日 (811)   砦通信編集委員会

  • journalistworld0
  • 2022年2月27日
  • 読了時間: 4分

近畿夜間中学校生徒会連合会・天王寺夜間中学校同窓会

「『学ぶことは 生きること』私たちの大切な学びの場である夜間中学校をつぶさないでください!」の大阪市教育委員会に第1次署名手交。 2022.02.28


 大阪市役所内の会場は夜間中学生、同窓生、卒業生、教員で会場は満席だ。大阪市教育委員会との話し合いは、2022年2月24日午前10時に始まった。口元はマスクで見えないが、参加者は真剣な表情で前に座る教育委員会担当者の顔を凝視している。



 話し合いの冒頭、近畿夜間中学校生徒会連合会・天王寺夜間中学校同窓会「『学ぶことは 生きること』私たちの大切な学びの場である夜間中学校をつぶさないでください!」の署名を教育委員会に手交した。街頭署名活動や、夜間中学生や同窓生が近所の人や職場、知り合いに説明し、集めてきた署名、夜間中学生がツイッターに掲載した署名用紙をダウンロードし、郵送されてきた署名も入っている。それこそ全国の関係組織、団体、個人から届いた署名も含め、一次集約した署名だ。署名数43903筆と91団体から団体署名がある。署名とともに送られてきた励ましの手紙を紹介した後、署名の重みを大阪市議会の議論に反映していただきたいと述べ手交した。


 「車椅子で9年間通った卒業生は続けられたのは、街に書いてある文字が読めた喜びを体験したからだ。乗り換えもなく、通学できる便利なところに夜間中学があったからだ。車いすでの通学はどんなに大変か。いまの夜間中学は絶対なくしてほしくない。死ぬまで学んだ夜間中学を母校と思って生きていく」と語った。

 小学2年生から不登校となり、夜間中学に入学し、1日も休むことなく学んだ卒業生は、新聞で母校がなくなるかもしれないという記事を読んで、集めた署名とともに手紙を送ってきた。同窓会会長はその手紙を読み、「夜間中学卒業生の闘いによって開校した夜間中学を行政の都合で廃校は絶対許されない」と紹介した。

「夜間中学で学び、人間が変わった。学ぶ人の夢と希望と誇りまで奪ってしまう。私たちは命を懸けて母校を守る」。

 「10月、2校が廃校になる計画があることを初めて知った。市教委の面談があった。そこでダメな理由を訴えたが、その声は届けておられるのか、何も変化がないではないか」。

 「子どものとき、『お前は学校に来なくてもよい』と学校の先生に言われた。夜間中学に68歳で入学した。夜間中学の友達は戦争体験の話を昼の学校に出かけていって子どもたちに話す活動を行なっている。私にとっての夜間中学は家と同じ、私の帰る場所だ。(教育委員会の)先生は夜間中学の歴史を知って言っているのか?」

 「夜間中学に入学するまで、信号機が青で渡ることも知らなかった。どんな人にも学ぶ権利があります。教科書の勉強だけではない、夜間中学でいろんなことが学べた。人間不信が解消できた」。


 夜間中学生の問に答えて、市教育委員会担当者は次のように説明した。「夜間中学は開校当初と比べ、生徒数が少なくなり、また多様なニーズを求められるように変わってきた。専門的な知識を持った先生やスタッフを増やさないといけない。15歳以下の不登校の子どもたちの課題もある。一日のなかでいっしょに勉強する時間を作って、お互いに力をもらっているとりくみをやっている学校が京都にある。天王寺の校舎も古くなり、いろいろ検討するため、学習者の声を聞かせてもらっている。そして(教育委員会内に)随時報告している。すべてが終わっていない。どうするのが一番よいか、検討しているところだ」。


 夜間中学生は「教育委員会は通えなくなる人をつくり、教育難民をつくって、そして、夜間中学をつぶす理由を探している。私たちはかわいそうな人たちではない。ある市長さんは『一人でもええから(夜間中学を)開校する』とおっしゃっていた」。

「先生、この新聞記事(2022.2.19朝日新聞)、印してあるとこ、(みんなに声だして)読んでください」。戸惑いながら、教育委員会担当者が読み上げた後、この同窓生、「さっき、おっしゃったことと、記事の文面とは違うではないか。廃校ありきで進められている。おかしい!」と指摘した。


「人数が減ってきて当然やと胸張って堂々と(教育委員会は)主張できないのか」「『よみかき教室』は道に迷わないよう、灯はつけとかなあかん、いつでも頼って来られるようにと活動を続けている。夜間中学も同じや。教育委員会は、私たちをはじき飛ばすのか、手をさしのべるのか」。延べ26名の夜間中学生、同窓生が想いを語った。 


 「廃校にする、ほかの計画もあるのか」の質問に対し、担当者は「二校はそのままにするか、特例校をつくり新しいものをつくっていくか、求められることに応えていく」、「学ぶことの大切さを教委のなかで共有し、ここでお話しいただいたことしっかり伝えていきたい」と答えた。


 連合会会長は「私たち夜間中学生の声、同窓会の想いを受け止めて、夜間中学を増やす努力をしていただきたい。署名の二次手交にむけ、ひき続き話していきたい」とまとめ、12時過ぎ、署名の一次手交を終えた。

 
 
 

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