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夜間中学その日その日 (813)   砦通信編集委員会

  • journalistworld0
  • 2022年3月12日
  • 読了時間: 4分

    私たちの学ぶ権利をまた奪うんですか‼ 共同記者会見  2022.03.12


 大阪市の夜間中学校の存続を求める緊急記者会見が開かれた(2022年3月9日)。市役所5階の報道各社が詰める記者クラブが会場だ。同じ階の南ブロックは市長の部屋がある。テレビカメラも入り会場は35人。

 近畿夜間中学校生徒会、大阪市内識字日本語連絡会、識字日本語連絡会、基礎教育保障学会が共同で記者会見を行った。各組織が教育委員会に出した申し入れ文書に対する回答は、卒業者の会の時も同様、問いかけに真正面には答えず、意味不明の回答であった。そこで大阪市教育委員会の計画が現状を無視した不当なものであり、天王寺、文の里夜間中学の存続を求める主張を直接報道各社に訴えようと、この日の記者会見になった。



 司会者は冒頭、前川喜平文科省事務次官(元)から寄せられたメッセージを紹介した。「国の云う、一県一校は一校あれば十分ということではない。大阪市の計画は法の精神に反するもので、行政は学習の機会とその措置を行い、一層の充実を図らなければならない」。


 そのあと各組織から報告を行った。近畿夜間中学校生徒会連合会会長は「これは大阪だけの問題ではない。個人署名44000筆、団体署名も100近く、全国から励ましの手紙と共に署名を寄せていただいている。大阪市はまた教育難民をつくるのか、学ぶことは基本的人権だ。活動を粘り強くとりくんでいく」。



 どうしてもこられなくなった夜間中学生に変わり、この日参加した文の里の夜間中学生「いまの学校やから通えている。やっとたどり着いた文の里。私たちの学ぶ権利を大阪市はまた奪うのか」。

 夜間中学にたどり着く半生を話したあと、天王寺の夜間中学生、「したくて、したくて仕方なかった勉強やったけど、いざ入って勉強すると、自分は勉強が嫌いやったことがわかった。しかし、学びたいです。これから来る人たちのために、私たちの学校をなくさないでほしい」。

 同窓生も「大丈夫、小学校から学べるよ、と励まされ、教室に入った。机に座った。同じ境遇の人も多く。ここやったら本音でしゃべれる。安心して学べると思った。そして私は卒業した」。

 連合会長は「私たちが話した声が、今の夜間中学の現実。通えない仲間が生まれてこないように、教育委員会に想いを届けている」と話した。


 大阪市内で識字学級を開いている人からは、「不登校であった20歳の若者はいま識字学級で学び、次に夜間中学で学びたいといっている。安心して学べる場所として夜間中学は重要だ」。


 識字日本語連絡会の代表は「未就学者や不登校の子どもが大阪市はどうして多いのか?教育委員会はその分析をしていないし、していても明らかにしない。子どもたちの生活背景を考えず、点数で、競わせる方法は一刻も早く止めないといけない。教員一人当たりの夜間中学生数は、東京は3.24人に対し、大阪は8.44人。夜間中学を併設した不登校特例校では10.84人となる。教育を充実するとの市教委の説明は納得がいかない。大阪府下から市内の夜間中学に通っている人は129人に対し、大阪市在住者が府下の夜間中学に通っている数は429人だ」と述べ、天王寺、文の里のみの生徒数の判断は大きな誤りを犯すことになることを明らかにした。


 基礎教育保障学会会長は大阪の教育をより良いものにしていただきたいと考え要望書を提出したが十分な回答ではなかった。2020年の不登校生数は政令都市でワースト1。年間10日も通えていない子どもも840人と形式卒業者をたくさん生み出す状態だ。夜間中学を開設しようとする全国の動きに逆行する大阪市の計画は全国的影響が大きい。

 京都市は夜間中学を残すため、不登校特例校をつくった。大阪のそれは夜間中学を減らすための計画ではないか。「(点数)学力」最優先に、その結果を人事考課に使うなど今の手法は完全に破たんしている。多様性が認められ、子どもや先生の学びの場として、さらに福祉的視点を加え、夜間中学を充実させていただきたいと話した。



 マスコミ各社から夜間中学生のどこからどのぐらい時間をかけ、通っているのかという通学の実態について。夜間中学の開設状況?大阪市の計画を伝えられた時の事。解決に向けた方向性の質問があった。

その日校長から大事な話があると集められ話があった。「何か生徒の中で問題があったのか?と思った」「びっくりして、力が抜けてしまった」。

 新聞を握りしめ、入学してくるひとたちがあること、学校に行ったことがなかった86歳の入学生は、机に座り「これが学校の机なんや」と言いながら机を撫ぜまわす姿を見ると、「そのために夜間中学はなくしたらあかんと強く思いました」とはなした。


 夜間中学生の立ち上がりと行動が、多くの人たちに届き、励まされ、ネットワークが形成されていく。その動きが実感できた。夜間中学生も多くの新聞記者やカメラの前で、胸を張って語りかける、そんな体験を通して強くなっていく姿を見ることができた。

 これから夜間中学にたどり着く人たちのために、夜間中学生からひとが学ぶ意味について語り合い、交流する昼の子どもたちや教職員の力となる夜間中学の果たしている役割についても政策立案者は理解しないといけない。

 生身のヒトに想いを馳せず、そろばん勘定だけで切り裂いていく大阪は御免被りたい。

 
 
 

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