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夜間中学その日その日 (824)   砦通信編集委員会

  • journalistworld0
  • 2022年5月30日
  • 読了時間: 4分

近畿夜間中学校生徒会連合会総会・新入生歓迎集会   2022.05.30


 「去年の10月、文の里・天王寺2校の夜間中学を廃校にする。このニュースを聞いたときびっくりしました。今年は勝負の年です。マスコミ、議会、街頭署名活動、市議会への働きかけ、私たち生徒会で考えたことは何でもやってきました。議員さんからも生徒会を応援すると返事をもらっている。大阪市教育委員会との話合いで、担当者は私たちの云うことに耳を傾けていますが、計画を撤回するということは聞いていない。心を一つに、仲間の学びを守るため、とり組んでいきましょう。53年前、縁もゆかりもないこの大阪で、夜間中学を開設するためとりくんだ髙野雅夫さん。東大阪の夜間中学は八木秀夫さんのとりくみで開校しました。今年は50年目の年を迎えます。この先輩に負けないよう全力でとり組んでいきましょう」。

 2022年5月15日、阿倍野区民センターで開かれた、近畿夜間中学校生徒会連合会総会でひき続き会長に就任する門脇勝さんはこのように挨拶、廃校を阻止する決意と夜間中学生の団結を訴えた。



 2022年の活動方針提案につづき、意見発表では6校から発表があった。

 「やっと学ぶ権利を得たのに、廃校になるということは、また学ぶ権利を奪われることです。今ある学校で安心して学べるように、生徒会のみなさん共にがんばっていきましょう」(天王寺)

 「今年は6名が入学しました。ここに学校があったから入学できた人たちです。これからも私たちの学校に入りたい人がたくさんいると思います。今年も私たちは学校を守るために、がんばります」(文の里)

 「髙野雅夫さんや先輩方が苦労して天王寺に夜間中学をつくって53年です。東大阪の夜間中学をなくしたらあかんと、生徒会連合会の人たちが市役所の前で声をあげ、闘ってくれました。2校の灯りが灯り続けるようがんばりましょう」(布施)

 「廃校について、許すことはできない。私たちはとりくんでいるが、大阪市から考えを変える返事はいただいていない。毎日放送の「憤まん」の番組、ディレクターはがんばって番組をつくってくれたが。コメンテーターはそれをぶちこわしてしまった。すぐに番組に抗議した。髙野雅夫さん1人で天王寺をつくってくれた。私たち、一人の力は弱いが、力を集めて闘っていこう。応援してくれる人たちも増えてきた」(意岐部)

さらに2校の意見発表を受け、方針案と意見発表の提起をとりくみに生かすことを確認した。

 議長は「夜間中学は1校でもなくしたらあかん。次は自分の学校になるか分からない。小さな力が大きな力になり、力を集め、天王寺、文の里はなくさないそんな年にしていこう」と降壇の挨拶をした。




 つづいておこなわれた、新入生歓迎会では連合会長は次のように話した。「2年間、三大行事ができなかった。ようやく、新入生歓迎会を開くことができた。大阪市は天王寺と文の里、2校の夜間中学を廃校にする計画をしている。私たち生徒会は一つになって、両校の廃校を阻止する闘いを実行している。私たちが通っている、夜間中学がどのようにしてつくられたか、今日も集会に、髙野雅夫さんが参加されている。各夜間中学の生徒会は、髙野さんに、学校に来てもらって、話しあうとりくみを行っていただきたい」と新入生をはじめ、参加者に髙野さんを紹介した。

 府と共に、大阪市教育委員会担当者が来賓挨拶を行なった。「市として教育内容の充実に努める」と原稿をよみあげるだけの型どおりの挨拶で、参加者が一番聞きたかった、大阪市の廃校計画に対する教育委員会の考え方については全くふれなかった。

 この後、各夜間中学、新入生を中心に、舞台に上がり、学ぶ喜びを報告した。文の里、天王寺の夜間中学からは廃校計画反対の闘いの支援の感謝とさらにとり組む決意が語られた。

 閉会の挨拶では生徒会副会長は、夜間中学はすばらしい学びの場所だ。学校の先生方にたいして「先生たち、夜間中学で学んでいますか?」と挨拶を行った。


 私は副会長のこの発言の意味を次のように考える。夜間中学は義務教育を受けることのできなかった人が学ぶ学校である。そして受けられなかった原因や夜間中学にたどり着く、半生は、今の学校教育が抱えている問題と課題を明確に照射している。その事実ひとつひとつを知り、その解決をめざす学びとその実践が、重要ではないか。そのことが本来、学校「教育」の役割ではないでしょうか、そんな提起ではないだろうか。近年、夜間中学現場に教員年数の少ない、先生方が増えてきているという。このすばらしい現場でたくさんのことを学んでいただきたい。夜間中学がいま存在することの意義ではないだろうか。

 私ひとりではない、こんなたくさんの仲間が学んでいる。仲間の発表を聞いて新入生は勇気づけられ、背中を押されたはずだ。

 
 
 

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