夜間中学その日その日 (827) 夜間中学資料情報室
- journalistworld0
- 2022年6月14日
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2020国勢調査結果(2)「大阪市教育委員会は教育の立場から、国勢調査結果を分析し、見解を明らかにすべきではないか」 2022.06.14
国勢調査結果分析を続ける。大阪府の結果を例にその作業を行なう。大阪は明治以前、摂津(津の国)河内、和泉と3つの国よりなる。教育事務所は府下に豊能・三島・北。中、南河内。泉州の6ヵ所そして政令市の大阪市、最近堺市が政令市となった。府教委の教育事務所も以前は6カ所置かれていた。各教育事務所に市立夜間中学を配置し、学習者の便をはかろうという目標で夜間中学開設を行なってきた。2020国勢調査結果を教育事務所毎に義務教育未修了者数を書くと次のようになる。
豊能ブロック2293人(能勢81人・豊能108・池田253・箕面474・豊中1377)
三島ブロック3519人(島本103・高槻1567・茨木744・摂津277・吹田848)
北河内ブロック4139人(枚方1432・交野326・四條畷197・大東481・寝屋川933・門真668・守口602)
中河内ブロック4072人(東大阪2342・八尾1381・柏原349)
南河内ブロック3106人(松原810・藤井寺293・羽曳野507・太子90・富田林718・河南108・河内長野538・千早赤阪48)
泉州ブロック5804人(高石286・泉大津364・忠岡183・和泉1029・岸和田1348・貝塚631・熊取250・泉佐野826・田尻41・泉南364・阪南321・岬161)
そして政令市
堺ブロック5280人(堺1087・北893・東413・中905・南652・西848・美原211・大阪狭山271)
大阪市内は4校の夜間中学に通いやすい毎にブロックに分けると
天満中学ブロック5335人(東淀川929・淀川817・西淀川491・旭407・都島488・北304・福島195・城東743・鶴見586・西188・中央187)
天王寺夜間中学ブロック4914人(港683・大正459・浪速272・天王寺270・西成964・平野1253・住之江664)
文の里夜間中学ブロック1759人(東住吉570・住吉842・阿倍野347)
東生野夜間中学ブロック1630人(生野1144・東成486)
通学手段や通学経路によりこの割り振りにはならないし、大阪市と府下の夜間中学は入り乱れて通っているのが現状であるが、一つの目安にはなる。大阪の地理に詳しくない人にはピンとこないかもしれない、しかし一つの考え方としてヒントになればと思っている。分析を続けよう。
大阪には市内4校、府下7校、の公立夜間中学が開設されている。中河内ブロックには意岐部・布施・八尾の3校が、泉州ブロックには2校、(岸城夜間中学と24年度に開校すると市長が表明した泉佐野市)。南河内ブロックには南河内自主夜間中学が活動している。三島と南河内には公立夜間中学がない。1994年当時の大阪府教育委員会は設置市から開設の申請があれば開設にむけてとりくみことを「‘94年2月22日合意」で文書確認している。

大阪市は夜間中学生を人為的に減らしたにもかかわらず、生徒数が減少しましたからとまるで、自然減であるかのように現在の市教委担当者は説明しているが、2020国勢調査結果に向き合い考え方を明らかにするべきではないだろうか。夜間中学を廃校にしますとは言えない結果ではないだろうか。
全国各地、都道府県毎に2020国勢調査結果の数字に命を吹き込み、言葉にして、検討していただきたい。この数字を裏付けする実態があり、夜間中学の学びを求めている人たちの叫びだと考えられないだろうか。
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