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夜間中学その日その日　（828）　　　夜間中学資料情報室

journalistworld0
2022年6月17日
読了時間: 3分

2020国勢調査結果（3）「大阪市教育委員会は教育の立場から、国勢調査結果を分析し、見解を明らかにすべきではないか」　　　　2022.06.17

　2020国勢調査の分析を続ける。義務教育未修了の状態におかれたと調査に答えた人数は全国で898,748人になる（その内訳は最終学歴が小学校804,293人＋未就学　94,455人）。そのうち前回の調査（2010年）から今回の調査（2020年）までの10年間に何人の人が新たに「私は、義務教育を完全に保障されていない」と声をあげたかという人数に注目する。国全体では5,778人（15～19歳2,062人、20～24歳3,716人）になる。地域を絞って、みていくとこの数字に“いのち”が吹き込まれていく。

　大阪府では143人+280人=423人。大阪市で見ると48人+102人=150人。この数字を前回のように、ブロックに分けてみていく。

豊能ブロック　32人（能勢0人・豊能1・池田2・箕面7・豊中22）

三島ブロック　53人（島本2・高槻14・茨木14・摂津5・吹田18）

北河内ブロック　52人（枚方17・交野1・四條畷0・大東8・寝屋川16・門真5・守口5）

中河内ブロック　40人（東大阪30・八尾6・柏原4）

南河内ブロック　17人（松原4・藤井寺2・羽曳野4・太子0・富田林7・河南0・河内長野0・千早赤阪0）

泉州ブロック　42人（高石7・泉大津2・忠岡0・和泉7・岸和田6・貝塚2・熊取3・泉佐野9・田尻1・泉南3・阪南2・岬0）

　そして政令市

堺ブロック　37人（堺4・北7・東2・中7・南7・西6・美原1・大阪狭山3）

　大阪市内は4校の夜間中学に通いやすい毎にブロックに分けると

天満中学ブロック　81人（東淀川6・淀川13・西淀川8・旭2・都島11・北8・福島3・城東9・鶴見3・西6・中央5・此花7）

天王寺夜間中学ブロック　41人（港7・大正2・浪速8・天王寺2・西成4・平野9・住之江9）

文の里夜間中学ブロック　16人（東住吉6・住吉8・阿倍野2）

東生野夜間中学ブロック　12人（生野9・東成3）

　この数字は、この10年に、「わたしは義務教育を保障されなかった」との叫びの声ではないだろうか。わたしにはそのように聞こえる。確かに、この期間に10年前の居住地から現在地に住所を変えた人、外国から新たに住むようになった人もあるかもしれない。教育分野だけで受け止めることではないかもしれない。しかし、学校教育分野に限っても直近の10年間の、卒業者台帳を見て、卒業判定の職員会議で議論になった、Ａさん、Ｂさんは今どうしているのかを想起する必要があるように思う。

　夜間中学には人生でぽっかり空いた、学齢時に学べなかった、半生と複雑な想い。その学びをとりもどしたいと長い逡巡の末、夜間中学にたどり着く人たちがいかに多いことか。そしてこの人たちがうみだされた、学校教育の問題点がこの人たちから語られ、解決のヒントが得られる場所が夜間中学であるということが重要ではないか。