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夜間中学その日その日 (840)   夜間中学資料情報室

  • journalistworld0
  • 2022年8月28日
  • 読了時間: 2分

 『天王寺・文の里夜間中学の存続を-生きる権利と学ぶが権利はすべてに優先する-』に執筆いただいた金益見(神戸学院大学)さんからコラムに投稿があった。                           2022.08.29


夜間中学生が生きる場所

神戸学院大学人文学部准教授

金 益見(きむいっきょん)

                         2022.08.03

 大阪市教育委員会が計画している統廃合の的になっている天王寺中学校夜間学級の創立時には、多くの在日コリアンのハルモニがその門をくぐった。なかには、空に舞い上がるような気持ちで入学したハルモニもいただろう。

 翼を折られた人が初めて空を飛ぶ気持ちで開く門、地べたを這いずるように生きてきた人が必死の思いで捻る蛇口、家から出られなかった人が勇気を振り絞ってノックする扉、それが夜間中学の入り口である。

 私はここで、ハルモニだけの話をしているのではない。戦中戦後の混乱や貧困が原因で学校に通えなかった人、通うという選択肢さえも与えられなかった人、様々な事情を抱えて日本に来た外国人、不登校の若者たち、夜間中学はどんな理由を抱えていても「通う」ことができる、全ての人のための学校である。

 夜間中学に入学する人たちの決意の裏側にあるものは、〈普通〉に学校に通っていた私たちの安易に共感できるようなものではない。だからこそ、せめて環境を整える。それが当事者ではない私たちができることではないだろうか。

 通える距離に夜間中学があること。体が思うように動かなくても、仕事が辛くても、心がしんどくても、そこに夜間中学があること。通える距離にその門や蛇口や扉があるということが、いかに重要であるかをもう一度ここで訴えたい。

 天王寺と文の里の夜間中学の統廃合計画に対し、両校の生徒や卒業生など関係者が、2つの要求を掲げて反対を訴える署名活動を行った。

 

1.学ぶ生徒や学びたい生徒がいる天王寺夜間と文の里夜間の2校を絶対につぶさないでください。

2.私たち夜間中学生や卒業生の思いや願いをしっかりと聞いて受けとめてください。


 私は、今まで関わってきた夜間中学生の声を借りて、二つの訴えの奥にある気持ちを代弁したい。


「夜間中学生が生きる場所を破壊しないでください」





 
 
 

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