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夜間中学その日その日 (847)   砦通信編集委員会

  • journalistworld0
  • 2022年10月9日
  • 読了時間: 4分

   10.2大阪市役所前、生徒会連合会街宣活動        2022.10.10

 「今日、私たちは、ここ大阪市役所前で、大阪市にある天王寺と文の里、2校の夜間中学をつぶしたらあかん、つぶさないでとアピールと署名活動、ビラ配りを行なっています」夜間中学生の声が、大阪市役所南玄関から淀屋橋の御堂筋に届きました。



 2022年10月2日の午後、夏の日差しの残存が降り注ぎ、夜間中学生の額には汗が光っています。

 「すべての人の学ぶ権利や学ぶ機会は憲法で保障された基本的人権です」別の夜間中学生の声が聞こえてきました。

 中之島周辺の風景を写生している人たちも、ビラを受け取りに来ました。淀屋橋の上で雑誌を立売している人からも「がんばりましょう」声がかかります。

 「5月に公表された国勢調査では中学校までの義務教育を終えることができなかった人は1万3633人にのぼり、大阪市は全国の政令市の中で一番多く、とても厳しい状況です」道行く人が、受け取ったビラを目にしながら、立ち止まって、耳を傾けています。

 天王寺から、心斎橋まで毎日歩いて、足を鍛えています。手渡すビラを折りながら、夜間中学生が話しをしています。「先生たち、いま話はやめて、手を動かして」とおしかりの声が飛んできます。

 遅れて会場に到着した10代の夜間中学生は、用意してきた横断幕を拡げ、道行く人に、目で訴えていますが、まだ声は出ていません。

 「交代で休んで、水分の補給をして下さい」そんなアナウンスもありました。ところが署名に応じる人と話している夜間中学生の耳には届きません。

 「大阪市や大阪市教育委員会は2024年4月に不登校特例校をつくって、夜間学級を併設し、今在る4校の夜間中学のうち、天王寺と文の里、2校の夜間中学を廃校にする計画を考えています」

 夜間中学生の怒りに燃えた声がマイクから流れてきます。

 中之島図書館の横を3人の外国人が通りかかりました。すかざず、夜間中学生「ハロー」、「オーケー」といいながら、配布ビラを渡そうと近づいて行きました。しかし、自信に満ちた夜間中学生の姿に圧倒されたのか、足早に通り過ぎ、手渡すことはできませんでした。

 大きな声は出さずに、「私たちは夜間中学生です。夜間中学は御存知ですか?」通行人は足を止め、話し込みをはじめます。人生経験の豊富な夜間中学生はなかのものです。

 「公開された国勢調査の結果を大阪市は厳しく受け止め、2校の夜間中学を存続しながら、逆に大阪市内に新たに夜間中学を増やすべきです」。説得力のある主張がマイクから広がっていきます。

 「『学ぶことは 生きること』『学校は命』です。やっとの思いで、ようやくたどりついた夜間中学校です」

 「絶対につぶさんといてください」「だれ一人とりのこさんといてください」

なにわ言葉が流れると、ビラを配っている夜間中学生も同じように口ずさんでいます。

 「50年近く夜間中学校を大切に守ってきた大阪市だからこそ、夜間中学校、開設をさらに進める、先進的な都市になることを訴えます」。

 訴えを聞いていた人たちから、拍手が起りました。

 活動予定時間が来て、夜間中学生は、南玄関前に集合、まとめの会が開かれた。生徒会のこの日の行動に参加した髙野さんがマイクを持ち参加者に話しかけた。



 「この大阪市役所の教育委員会で夜間中学の事を話したとき、54年前の担当者は『大阪にはそんな人(未修了の人)は一人もいないといった』。梅田や天王寺や心斎橋でビラを配りながら、欠かさず、大阪府や大阪市の教育委員会を訪問した。1969年6月5日、89名の新入生が集まってきた。日本で初めての夜間中学生予備軍の手によって、天王寺夜間中学が生まれた。そして『夜間中学育てる会』がスタートした。夜間中学の生命線は夜間中学生自身にかかっている。天王寺や、文の里夜間中学の歴史を消してはいけない。夜間中学で獲得した底力をみせてほしい」。



 髙野さんは、1968年10月11日、大阪に夜間中学開校の運動をこの大阪ではじめた。真っ先に訪れたのが、この大阪市役所だ。たった一人の“圧力団体”といわれたんだという。来る日も、来る日も、教育委員会を訪ね、進捗状況を確かめていく。髙野さんの行動を新聞やテレビが取り上げ、教職員組合の運動も髙野さんの提起を受け止め、夜間中学開設の大きな包囲網を作っていった。わずか3ヶ月のとりくみで、大阪市に夜間中学を開設しますと決意をさせた。この日集まった、100名を超える夜間中学生、教員、卒業者、一般の力が一つになって、とり組めば2校廃校の教育委員会のもくろみは打ち砕くことができる。参加者は髙野さんの訴えをこのように受け止めた。

 
 
 

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