top of page
検索

夜間中学その日その日 (853)   砦通信編集委員会

  • journalistworld0
  • 2022年11月21日
  • 読了時間: 5分

  近畿夜間中学校生徒会学習会/決起集会 (2)    2022.11.21

    「生・闘・学」               

 1969年6月5日、89人の夜間中学生が天王寺夜間中学開校入学式に校門をくぐった。大阪には義務教育未修了の人はいませんと、髙野さんの問いかけにこう言い切った、大阪市教育委員会の担当者はわずか8ヶ月後、次々に訪れる入学者の出現をどのように考えたのだろう。労働現場から作業着のママ、下校する昼の中学生と入れ替わって校門を入っていく夜間中学生の姿が、NHK「こんにちはおくさん」の映像の中にある。高知県高岡郡出身の57才入学生が壇上を見つめる瞳の輝きは印象的だ。



 この日の生徒会学習会で髙野さんが語る夜間中学のあゆみは、新型感染症対策で参加できなかった夜間中学生に拡げていただきたい内容の話であった。

 髙野さんの提起を受け、15校の夜間中学がら「今」を語った。9月、御所の水平社博物館を訪問、西光寺を訪れ水平社宣言を学んだ(豊中)。10年前に受け取った募集ビラを大切にもっていた人が、夜間中学に入学できた。夜間中学はなくしたらあかん(守口)。東大阪に夜間中学ができて50年。髙野雅夫、八木秀夫、倉橋健三、私たちの先輩のちからでできた夜間中学だ(布施)。昼の中学を形式卒業となった。今、人と話しがしたいそう思って夜間中学に通っている。学校が私の中で大きくなってきた(琴城)。夜間中学があった菅南中学の昼に1年間通った。何十年間劣等感をいだいて生きてきた。今夜間中学は私の居場所だ。漢字ひとつひとつに違う意味がある。広島に暮らす娘から国語、漢字辞書が届いた。市役所でたずねても、夜間中学があることをおしえてくれなかった。入学するのに30年かかった。夜間中学に来て自分で歩くことができるようになった。私たちにとって、夜間中学は大切な場所。絶対なくしたらあかん(畝傍)。

 想いがいっぱいの発言がつづいた。参加の人数制限があり、参加できない夜間中学生の映像で伝える学校があった。直接聞くことができないのは本当に残念だ。

卒業生二人が夜間中学の「これまで」を語った。

 金夏子さんは東大阪の夜間中学統廃合阻止の闘いを生徒会が先頭に立って、近夜中生徒会が一つになって東大阪に2校の夜間中学を守る事ができた闘いを報告、天王寺・文の里夜間中学の存続の闘いに団結してとりくむことを訴えた。


 李光燮さんは次のように発表した。

 天王寺夜間中学同窓会役員になって10年以上になります。天王寺夜間中学には7年間お世話になりました。入学して2年目から生徒会に籍を置くようになり、他校との交流や生徒会連合会での話合いなどいろいろな経験ができました。

2007年、近畿夜間中学校生徒会連合会の会長に推され、さらに多くの経験をすることになりました。会長になった年に、大阪では橋下知事が財政再建プログラム案を出し、夜間中学の就学援助や補食給食がなくなるかもしれないという、大問題でした。生徒会連合会の全夜間中学生が、それはこまると立ち上がりました。臨時集会を天王寺夜間中学校の講堂で行ないました。約100人の夜間中学生が集まり、熱い意見発表がつづきました。話合いの結果、生徒会としてできることは何でもやろうと決まり、とりくみを始めました。


 

 生徒会で、署名用紙をつくり、各校で署名活動にとりくみました。大阪市役所前にすべての夜間中学生が集まって、街頭署名活動を行ないました。府議会の各会派の事務所を訪問し、説明と生徒会の考えを伝えました。府議会の傍聴、府教育委員会への申し入れなど生徒会連合会の役員始め、関係者全員の死にもの狂いの活動の結果、2年間の限定がつきましたが、通学費の半額補助を勝ちとりました。

 50数年前、髙野さんがたった一人で運動して大阪に初めての夜間中学校をつくりました。天王寺夜間中学の一期生、二期生が、自分たちの力で就学援助や補食給食を実現してきました。そんな先輩たちにつづくよう、天王寺夜間中学の生徒会は常に先頭に立ちいろいろな活動をしてきました。私が卒業しても同窓会役員として10年以上頑張れたのは、先輩からつづく大きな流れの中に私もいたからです。

 50数年間つづいている同窓会、50数年つづいている文集「わだち」、夜間中学のシンボルである「夜間中学生の像」。天王寺夜間中学は、大きな車輪の中心となって、50数年活動してきました。その車輪をぐるぐる回しながら大阪の夜間中学や全国の夜間中学の輪を拡げてきました。

 車輪の中心である、天王寺夜間中学や文の里夜間中学の廃校の次は天満や、東生野夜間中学に矛先が向かうでしょう。さらには、全国の夜間中学にも。これは天王寺夜間中学だけの問題ではないのです。

しかし、今まで何回も教育委員会と話しあったり、陳情書を何通も出しても、教育委員会の答えはいつも同じです。誠意ある返事を一度も聞く事ができませんでした。何も決まっていないというだけで時間稼ぎをしているようにしか思われません。これは、教育委員会の戦略なんだと思います。そして裏では、着々と、廃校を進めているんです。

 みんなで大切に育ててきた夜間中学をかってにつぶしたり、移転させたりするのは夜間中学に対する人権侵害なんです。夜間中学への攻撃なんです。夜間中学生への人権侵害として、裁判を起こすとか、国連に訴えるとかもっと大きく動き出す必要があるのではないかと思います。

 そんな思いで、私たち同窓会一同は心を合わせこれからもがんばっていきます。みなさん、今が踏ん張りどころです。あきらめないで、一緒にがんばりましょう。


 
 
 

Comments


Featued Posts 
Recent Posts 
Find Me On
  • Facebook Long Shadow
  • Twitter Long Shadow
  • YouTube Long Shadow
  • Instagram Long Shadow
Other Favotite PR Blogs
Serach By Tags

© 2023 by Make Some Noise. Proudly created with Wix.com

  • Facebook Clean Grey
  • Instagram Clean Grey
  • Twitter Clean Grey
  • YouTube Clean Grey
bottom of page