夜間中学その日その日 (856) 砦通信編集委員会
- journalistworld0
- 2022年12月4日
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近畿夜間中学校生徒会学習会/決起集会 (3) 2022.12.05
「生・闘・学」
文の里・天王寺の夜間中学生が、夜間中学の「これから」を発表した。9月入学した夜間中学生は、夜間中学に通って学ぶ自分の姿を見た、子どもの変化を語った(天王寺)。先生、同級生と心から話せる。この学校が大好きだ(文の里)。
「いま、これまで、これから」の発表を受け、天王寺、文の里の夜間中学生が「『夜間中学のあかり』を消してはいけない!」訴えをおこなった。毎日不安でいっぱい、苦しい気持ちで通学している。物価高で通学費も上がっていくことを考えると心配だ。しかし、わたしたちは絶対負けない。力強く語った。

「夜間中学校のとりくみを支援する会」「大阪市内識字・日本語教室連絡会」「基礎教育保障学会」「夜間中学卒業者の会」から廃校反対のメッセージととりくみの報告があった。「識字・水平社100年宣言をめざしたとりくみを行っている」「日本社会を変えていく一歩として夜間中学や識字学級が在る。夜間中学生のみなさんと一緒に歩んでいきたい」、力強いメッセージが続いた。
近畿夜間中学校生徒会連合会会長は「近畿夜間中学『50年』生徒会連合会宣言」を朗読した。
家が貧しく学校へ行けなかったわたしたち。さまざまな差別やいじめで「学校」にも行けずに苦しんできたわたしたち。戦争で「学校」や教育をうばわれ、文字や言葉を学ぶ機会をうばわれたわたしたち。
そんなわたしたちが今、「学校」と出会い、これまで出会うことのなかった人たちと友だちになり、仲間となり、同じ「教室」で、同じ「学校」でともに学んでいる。
今、わたしたちはえんぴつを持ち、文字を書き、言葉を学ぶ。これまでの苦しいおもいをはらいのけることができる「学校」であり、文字や言葉の大切さを知ることができる「教室」である。
わたしたちの「教室」では、いろいろな国の言葉もとびかい、ゆたかにまじりあう。そして、いろいろな文化をもつ国の人たちが出会い、語りあう。ものごとの見方や考え方も広がっていく。
「夜間中学はなんであるか」「げんいんはだれがつくったか」
ほんとうはあってはならない「学校」。
しかし、今は絶対になくてはならない「学校」。
人間として生きていくための大切な文字や言葉を学びあえる「学校」、さまざまなちがいをおたがいに認めあう「学校」、差別のないぬくもりのある「学校」、だれもが差別をされない「学校」に、わたしたちは一人ひとりが力をあわせてつくりあげていく。
やっとたどりついた「学校」にぬくもりを感じあいたい。ようやくたどりついた「教室」にあたたかさを感じあいたい。
夜間中学生から「学びのあかり」を絶対にうばってはいけない。
今も「夜間中学」にたどりつくことができない多くの仲間が、大阪にも、近畿にも、全国にも、世界にも、悩みながら苦しみながらいる。
「学ぶことは 生きること」
「学ぶたびくやしく 学ぶたびうれしく」
近畿夜間中学「50年」の歴史を誰もが忘れてはいけない。
夜間中学校の「学びのあかり」を今は絶対に消してはいけない。
2022年11月5日
近畿夜間中学校生徒会連合会
副会長は「水平社宣言100年、夜間中学ができて50年このことはすごく重いことだ。(大阪市教育委員会は)教育差別を絶対にしてはならないと語り挨拶を行ない、この日の学習会/決起集会を終えた。

歴史は過去から現在を捉えて、未来につなぐものだ。大阪に夜間中学が再生して53年。この「近畿夜間中学『50年』生徒会連合会宣言」を高らかに掲げ、とりくみを前進させていきましょう。
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