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夜間中学その日その日 (863)   夜間中学資料情報室

  • journalistworld0
  • 2023年1月8日
  • 読了時間: 4分

   生徒数減は自然減ではない人為が原因“偽り”だ!  2023.01.09

 近畿夜間中学校連絡協議会(近夜中協)は各夜間中学から統計資料を集約し、夜間中学の方向性や明日の夜間中学のかじ取りに資する分析に様々な統計資料として役立てている。それまで夜間中学の統計資料は、東京都夜間中学研究会(都夜中研)調査研究部や全国夜間中学校研究会(全夜中研)が集約している統計資料があった。1970年文部省は「中学校夜間学級実態調査」を実施した。各夜間中学に研究を委託する形で補助金を予算化、各夜間中学から統計資料の提出を求め、居ながら寄せられる資料を分析、国会答弁を行っていた。

 文部省のこのやり方は、当初から問題が指摘されていた、課題が明らかになっているにもかかわらず、調査資料は要求するのみで、夜間中学の実態には「見て見ぬふり」どころか、夜間中学の首根っこを押さえて、夜間中学を廃止する施策に使われているとの指摘が夜間中学現場からあった。何校かの夜間中学は1989年7月まで「文部省夜間中学校委託調査」の委託研究と謝礼金を辞退する学校もあった。

 近夜中協は統計資料の調査項目の改訂を行いながら、夜間中学の増設運動に資する資料を作成、公表し、国勢調査の分析も加え、各地の開設運動に役立てることができたと考えている。

 しかし、大阪市教育委員会が天王寺・文の里夜間中学の夜間中学の廃校を打出す理由の一つに「生徒数の減少を」あげ、自然減であるかの理由付けで現担当者は説明していた。大阪府と大阪市など府内の夜間中学設置行政との確認(94年2月22日合意)にもかかわらず、市内の一人のある夜間中学校長は在籍6年を迎える夜間中学生に卒業を督促し、「夜間中学生ひとりにいくらの税金が使われると思っているか」とまでいって、卒業勧奨を行い、一方日本語の理解できない入学希望者に「日本語が理解できるようになったら」と入学を断り、人為的に減らせてきたにもかかわらず、市教委の現担当者は自然減のように市議会の教育子ども委員会で説明している。

 一校長が卒業勧奨を始めている2002年と昨年2022年の調査統計を比べ、この動きが大阪府内の夜間中学生に与えた影響ははかりしれないことが読み取れた。

 大阪府には現在11校の夜間中学がある。大阪市内4校(天王寺・文の里・天満・東生野)、府下7校(豊中・守口・意岐部(長栄)・布施(太平寺)・八尾・殿馬場・岸城)。

表の左より在籍数を大阪市内・大阪府下・府外居住に分け、大阪市内のどの区から通っているか、通学している市区町村の数を表にした。



 私たちは夜間中学は行政区の垣根を超え、通学しやすいところでと考えるが、大阪市の現在の考え方は大阪市のことしか考えておられないと思われる。何が読み取れるか。


① 在籍数の減少大阪市内在住の夜間中学生915人から328人、減少率35.8。

大阪府下では933人から501人、減少率53.7と市内の減少率が大きい。

② 大阪市内から府下の夜間中学に通学している居住区の延べの数は26区から50区に倍増している。

③ 大阪市内から府下夜間中学への依存率174/915で19%(2002年)から140/328で42.7%と2.2倍に増加、半数近くが府下の夜間中学に通っているいる。逆は90/933で9.6%と23/501で4.6%。


 夜間中学への通学費用は夜間中学生には大きな負担だ。かつて大阪市内在住の70歳以上の人たちは大阪市営地下鉄・バスは無料という制度があった。これも橋下市長(当時)が廃止した。大阪市内から最も遠い、岸和田市の夜間中学に通う人はゼロであるが、大阪市内から近くの夜間中学の横を通って、遠くの夜間中学に自転車のペダルを踏んで通学している夜間中学生の姿は見えないのだろうか。

 夜間中学の入学に当たって、入学希望者はどんな想いで、校門をくぐったか、想いをしたことがあるだろうか。後に連合生徒会の会長を務めることになったある夜間中学生は、自身の入学時のことを次のように語った。入学しようと心に決め学校に向かった、しかし、夜間中学の校門はくぐれなかった。学校のまわりを歩きながら、何度もくぐることを試みたがその日はできなかった。2度目も同じようにくぐれなかった。3度目、連れ合いの方と一緒に校門をくぐり、職員室を訪ねた。このように入学希望者にとって、くぐるには微妙なタイミングがあるのだ。その時も校門が閉じられていたが、帰っていく昼の先生が開いた校門を出るのと入れ替わりに入ったんだ、私たちはとても自分の手で校門の扉を開けることが出来ないんですということをうかがった。

 私の場合、所用があって天王寺夜間中学を訪問したとき、下校する昼の子どものために校門が開いていた。夜間中学の校舎に向かって階段を登り切ったところで呼び止められ「どうして入ってきたか。インターホンを押してと書いてあるでしょう」と問われのは本当にびっくりした。その方はあとでわかったが、夜間中学の管理職であった。こんな第一印象を与える夜間中学には入学希望者はとても通いたいとはならないのではないだろうか。

 上で述べた、一校長の行為が統計資料に明確に大きな変化を起こしている現実を直視すべきだと考える。管理職のこの動きを市の教育委員会担当者は黙認していたから、この管理職は実行できたのだと考える。重ねて言おう。在籍数減少は自然減ではない。市の教育委員会の先を見越した人為減だ。

 
 
 

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