夜間中学その日その日 (905) 夜間中学資料情報室
- journalistworld0
- 2023年8月13日
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第42回夜間中学増設運動全国交流集会報告集を読んで 2023.08.14
自主夜間中学運営や夜間中学に関わる学習者、スタッフ、市民、マスコミ関係者が手弁当で集まり、夜間中学について実践を報告、課題や問題点を話しあう。誰からも制約は受けない。それこそ縁の下の力持ちになって、語り合い,学び合い、行動してきた夜間中学増設運動全国交流集会は今年で42回を迎える。

集会に先立って、35の組織、団体から届いた報告を高知の現地実行委員会が編集した電子データが先日(8/10)、届いた。35の内訳は北海道3,東北3,関東4,中部4,近畿8,中国2,四国4,九州1,その他1である。地域的にも広がり、記載内容も多岐にわたっている。2日間の限られた時間で議論尽くすことは不可能である。個々の質問については団体組織間でやっていただく方法をとらざるをえないと考える。
深めていただきたい報告内容について書くと、
●夜間中学でであった夜間中学の学びについて、報告では高瀬夜間中学の「多度津高校定時制生徒の交流と教え合い」の記述があるが、目からウロコが取れた「『これぞ』夜間中学の学び」について夜間中学生からお聞きしたい。
●自主夜間中学と公立夜間中学、教育行政との関係について相互扶助の関係、「自主と公立の共存連携」だとする(札幌遠友塾)。自主夜間中学のスタッフが公立夜間中学に赴任した(千葉)。設置検討委員会に学習者の声を反映するために学習者が検討委員や学校評議員会委員に就任する(星友館)(北九州)。松戸市のみらい分校との連携の強化の方針(松戸自主夜中)。一方で、自主夜間中学とは一線を引く姿勢を公言している公立夜間中学がある。
●「入学要件にあわないため(公立夜間中学に)、入学できなかった人の存在が開校のきっかけ」(いいあす京都)について、公立夜間中学に入学できないとする内容について。
●学習者の実態から「高齢者にとって夜間の時間帯はしんどい。時間帯の変更」(寺子屋みやこ塾)。遠距離通学の問題(しらさぎ中学)。「本道の広域性をふまえた夜間中学のあり方を模索していく」(札幌)。「始業前の時間を活用する学習」(高知)について。
●自主夜間中学に教育行政の支援について、「専用教室の無償使用、運営費補助250~182万」(城南・穴生)。『空き教室を貸して欲しい』を毎回掲げているが、受け入れてもらっていない(川口)
●要求実現の方法として「議会に陳情」をあげ、議論を促す方法をとっている。「修業年限を9年以上とする」の陳情(福島)
● 新たな動きとして、和歌山県知事「田辺市に県立夜間中学開設を明言。さいたま市(政令市)に夜間中学開設を目指すとりくみ(埼玉に夜間中学をつくる会)
●夜間中学支援組織、運動組織について、「(仮称)千葉県夜間中学を考える会」の組織作り(松戸・千葉・柏)。「高知県の夜間中学を育てる会」(高知)。「夜間中学卒業者の会」。「畝傍夜間中学をつくり育てる会」・・・などの必要性。学校、教育行政に要求を突きつけ実現させていく運動組織として機能していくこと。
●行政に「公立夜間中学設置基本指針」をつくらせる意味。時移り、人替わりで、教育行政も夜間中学も受け継がれていない。
●「文の里・天王寺夜間中学の存続」の闘いと夜間中学生徒会組織の重要性。
一堂に会し、忌憚のない意見を交流し、特に今回初参加の方々の発言を期待して、学びあえる全国交流集会として、高知の現地実行委員のみなさまお世話をおかけいたします。
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