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夜間中学その日その日 (925)  砦通信編集委員会

  文の里・天王寺夜間中学の存続を求めて       2023.11.04


 大阪市教育委員会は第9回教育委員会会議(2023.6.27)で「本市における中学校夜間学級の再編にかかる方向性について」事務局提出の「文の里・天王寺夜間中学の廃校」を承認した。大阪市議会「教育こども委員会」(2023.9.22)で再考を求める4件の陳情書が審議され、採択しようとする意見表明もあったが継続審議となった。

 近畿夜間中学校生徒会連合会は夜間中学等義務教育拡充議員連盟と全国夜間中学校研究会が衆議院議員会館で開催した「全国に夜間中学を!さらなる開設と充実を!!国会院内集会」(2023.10.11)に参加し、文の里・天王寺夜間中学の存続を訴えた。これを受け、夜間中学等義務教育拡充議員連盟は総会(2023.10.31)で「大阪市立夜間中学の統廃合方針撤廃に向けた提言」を決定し、横山大阪市長に手交した。その内容は1. 夜間中学統廃合方針の抜本的見直し 2. 広報機能の強化も踏まえた積極的なニーズの掘り起こしを提言している。

 1では「天王寺や文の里の夜間学級を必要とされる方がいる限り、これらの方々のかけがえのない学びの場を廃止すべきではない。『誰一人取り残されない教育の推進』を掲げる大阪市においては、夜間中学での学びを求める関係者の切実な声を真摯に受け止め、統廃合の方針を抜本的に見直すこと」。

 2では「大阪市は、夜間学級の生徒数が減っていることなどを統廃合の理由としてあげているが、大阪市の義務教育未修了者は13,633人と指定都市のうち最多であること等を踏まえれば、夜間中学を必要としている方は大阪市内に多く存在しているはずであり、ニーズの掘り起こしが不十分と言わざるを得ない。夜間中学に関する広報を強化し、夜間中学を必要とする方のみならず、その周りにいる支援者や関係者に対しても働きかけを行うなど、積極的にニーズの掘り起こしを行うこと」と指摘し、大阪市の真摯な対応を求めている。




 大阪市議会「教育こども委員会」(2023.9.22)で4件の陳情書に対する、教育委員会の見解表明で、多田教育長は「2校は小規模校になった。日本語指導必要な人が増えた。その指導体制充実が必要。校舎の老朽化が進んでいる。夜間中学は教科の学習をする学校教育だ」と述べ最後に「会議を重ねてきた。十分審議は尽くされている」と云った。この言葉に現在の大阪市教育委員会の夜間中学観が表れている。1969年、大阪市教育委員会は国の夜間中学早期廃止勧告を打破し、夜間中学の存在意義を認め、天王寺夜間中学開設の決断をした、当時の大阪市の気概と姿勢は54年後の現在、大阪市の教育行政担当者には残念だが一片すら見ることができない。

 教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保という、初心に立ち戻り、夜間中学等義務教育拡充議員連盟の提言を受け入れていただきたい。

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