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夜間中学その日その日 (962)    白井善吾

  • journalistworld0
  • 2024年4月5日
  • 読了時間: 3分

     夜間中学が果たす役割と存在意義     2024.04.06


 「高度経済成長のささやかなお恵みを受けた夜間中学生たちが『文字とコトバ』を奪われた、『空気』を奪われた怒りを再び奪い返されて、『知識』を詰めこむことが《勉強》だと信じこみ、詰めこませることが《教育》だと信じている教師が生まれていたのです」(『夜間中学生タカノマサオ』解放出版社1993)。この一文を髙野雅夫氏の著書に見出したときの衝撃と戸惑いは今も鮮明によみがえってくる。

 夜間中学や夜間中学生、そして夜間中学教員が日本の学校教育制度に果たす役割がこの一文に明記されている。夜間中学の一教員としてとりくむことに努力してきたが、道半ばである。時移り、人替わり、歴史を繫いでいくことは本当に難しい。

 もう一つ夜間中学の教員としてその姿勢の根本を衝く告発を受けた出来事がある。髙野雅夫氏は1998年韓国に語学留学を実現し、朝鮮語の学習と同時に韓国の識字教室を探しだし、訪ねることであった。そこで知己を得た韓国の識字学級で学ぶ人たちと日本の夜間中学生の交流の提起を帰国後行なった。そして日韓識字文解(ムネ)交流が2002年実現した。そこで韓国の識字学級生から「日本の夜間中学生の皆さんは夜間中学で学び、どんな社会活動をされていますか?」と問われた。奪い返した文字とコトバでどんな社会活動を行なっているかとの問である。このことを、夜間中学の先生方は意識しているのか?問われているのは教員であった。

 夜間中学にたどりついた、夜間中学生自らの半生を書き記す文字とコトバが差別と選別と競争優先を否定する本来の「学び」を創造すると考えている。「文字とコトバを奪い返すことは自分の民族の歴史を奪い返すことだ!!人間の誇りと権利を奪い返すことだ!!武器になる文字とコトバを!!」

 髙野雅夫氏の的を射貫く、主張を乗越える私たちのコトバはまだ創りえていない。

貧弱な、思想性のない組み立てで、苦し紛れに間に合わせた教材に、夜間中学生の人生に裏付けられた体験経験で塗り替えられていく。夜間中学生の顔が輝きを増していく、そのとき、私は体の中から力が湧き上がってきた。そんな貴重な経験を私は夜間中学ですることができた。



 2024年4月、9校の夜間中学が開校する。入学案内に「服装については、指定はありませんが、式典にふさわしい服装をお願いします」との記述が入学生に学校への第一弾の高い敷居として作用していると大谷一代さんの[夜間中学増設運動全国交流集会ML 4179]報告があった。すぐに桜井克典さんから[ML4180]で「学習者の経済的な事情も考慮できない夜間中学設置者の感覚。夜間中学生に寄り添えていない夜間中学、夜間中学生を選別する夜間中学が今後も増え続けていくのではないかと危惧しています」と応答があった。

 義務教育の欠落点を問い質す夜間中学生を受け止められる夜間中学であった欲しい。

 
 
 

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