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夜間中学その日その日 (989) 砦通信編集委員会

大阪市会「教育こども委員会に」提出した陳情書   2024.09.09




 心和中学の教員の体制は常勤の教諭21名、養護2、校長1、副校長1、教頭2名の計25名を配置していると報道(産経新聞 2024/4/5)があった。そのうち、夜間学級には教頭2、教諭5、常勤講師2の計9名を配置していると近畿夜間中学校連絡協議会に報告している。

 天王寺+文の里を一つにして、「指導体制を整備し、教育活動の充実」するために2校に配置していた教員体制(教頭2、教諭8、常勤講師3、養護2、加配教員3の)計18名〈2023年度〉で指導にとりくむと説明されてきた。ところが、実態は9名で夜間部にあたっている。残りの9名はどうなったのか?約束違反でないのか?夜間中学の学習環境を悪化させたとの指摘に対し、話合いでは説明も反論もなかった。

 心和では毎日4時間、天王寺教室は3時間授業と格差をつけていることについて、「実情に応じた教育課程の編成だ」と回答をし、更に説明を求めたが、説明できなかった。

 義務教育ではありえない“除籍”について、「自ら退学」「例年と大きな変動はない」との文書回答について、天王寺と文の里2校の除籍数が2021年以前、3年間の除籍数が25名、以降52名と倍増していることを指摘し、見解を求めた。2021年は2校の廃校を明らかにした年度である。担当者は説明できなかった。「自ら退学されている」と夜間中学生に責任転嫁をしているがそうではない。2校の廃校を押し進める大阪市教育委員会の姿勢の反映ではないのか。

 これだけではない。4月の入学希望者を「授業の質を確保するため」として心和5名、別の夜間中学は29名も断わっている実態について、これまで夜間中学が拘ってきた「夜間中学生の実態にあわせ、制度のほうを変えていく」という考え方とは真逆の考え方であることを指摘した。この状況になるのは、4校を3校に減らしたことが原因ではないのか、夜間中学を4校に戻すことが筋ではないのか。

 また大阪市内在住の夜間中学生322名のうち115名(35.7%)が市外の夜間中学に通学している(その逆は14名)この実態は大阪市教育委員会の姿勢を反映していることではないのか。

 私たちの問いに担当者から明確な説明をいただけなかった。話合い結果をふまえ、夜間中学卒業者の会は大阪市議会に2024/9/5、大阪市議会議長宛に陳情書を提出した。ひき続き私たちは教育委員会に説明を求めていく。


  天王寺夜間中学開校にいたる歴史とあゆみに学び

   大阪市立夜間中学の充実と発展を求める陳情書

〔陳情趣旨〕

 新学制発足の1947年、戦後の夜間中学は、この大阪で誕生しました。大阪市立生野第二中学校(現・桃谷中学)です。現在、全国に夜間中学は53校開設されています。来年は9校開校予定です。

 全国に夜間中学が今日あるのも1969年6月、天王寺夜間中学の開設があったからだというのが識者の一致するところです。行政管理庁(現・総務省)の夜間中学早期廃止勧告を受け、次々閉じていく中で、当時の大阪市は市民の「義務教育受ける権利の保障を」の願いを受けとめ、越境生を居住地に帰した結果生まれた空き教室に夜間中学の開設を決断されたのです(天王寺 69年/菅南〔現・天満〕70年/文の里 73年/昭和 76年/東生野 97年)。

 夜間中学で行なわれた優れたとりくみは、3,118名の卒業生を生み、学びを求める人たちに大きな勇気と生きる力の獲得に大きな作用を及ぼしたに止まらず、昼の子どもたちや教育関係者の学びの処としてその役割を果たしてきたのではないでしょうか。

 夜間小学校がないため、未就学者から中学3年中退の人たち、中国引揚げ帰国者そして新しく日本に暮らすようになった人たちの学び舎として、大阪市が4校の夜間中学を運営してきていただいたこと、私たちは忘れてはいけません。

 50年を超えるとりくみの中で生まれた、共同作品『夜間中学生の像』(天王寺)・『オモニの像』(文の里)をはじめ、夜間中学のあゆみと学びの内容、映像資料、文書など貴重な夜間中学資料が統廃合により散逸が危惧されるところです。

 天王寺中学で夜間の教室の校舎が建て替えになると聞いていますが、新しくできる建物の中に、天王寺夜間中学の再開と夜間中学関係の資料を保管し、大阪市のみならず全国の教育関係者に開かれた「(仮)夜間中学資料センター」の併設の検討とその実現をお願いいたします。


〔陳情項目〕

大阪市立天王寺中学の新しくできる建物の中に、天王寺夜間中学の再開と夜間中学関係の資料を保管し、大阪市のみならず全国の教育関係者に開かれた「(仮)夜間中学資料センター」の併設の検討とその実現をお願いいたします。          2024年9月6日

 


 「教育委員会の先生がやられているのは、教育者が執る方法ではない。それでは『株式会社 おおさか』だといわれても言い返せない」ある卒業生が言ったコトバが想い出された。

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