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夜間中学その日その日(926) 砦通信編集委員会

文の里・天王寺夜間中学の存続を求めて (2)       2023.11.11

  生徒集会 「今は絶対になくしてはならない『夜間中学校』」 

 近畿夜間中学校生徒会連合会は2023年11月5日、天王寺夜間中学体育館で学習会を開催した。今は絶対になくしてはならない「夜間中学校」-夜中の「学びのあかり」を消してはいけない-を主題に第1部意見発表、第2部思いを語る、第3部意見交流を行った。この日の参加者は109名。



 日本語が十分理解できない夜間中学生がタブレットに映し出される母国語に翻訳された画面を見ながら、夜間中学生の話に耳を傾けていた。

 10月11日、連合生徒会長は副会長と参加した、夜間中学等義務教育拡充議員連盟と全国夜間中学校研究会が衆議院議員会館で開催した「全国に夜間中学を!さらなる開設と充実を!!国会院内集会」を次のように報告した。

 文の里・天王寺を廃校にしようとする大阪市教育委員会に生徒会連合会のとりくみを報告することができた。その結果、議員総会で議連の決議をあげ、大阪市長に提言を手交していただいた。「ひとつ前に進んだ。しかし油断はできない。生徒会連合会は気持ちを引き締め訴えていこう。今日も新聞社やテレビ局の取材があるが、この間、ずっと生徒会のとりくみを報道していただいてお礼申し上げる」。


 第1部では天王寺夜間中学同窓会が「なぜ 私たちは天王寺夜間中学を守りたいのか」を発表した。「開校当時から天王寺夜間中学を守り続けた卒業生の姿があった。私たちはその中の一人になり夜間中学を守りたい」「夜間中学は、われわれが叫ばない限り、誰が守ってくれるのか。もし、夜間中学がなかったら、私たちは今頃どうなっていただろうかと考えるとき、学べる喜びを、また夜間中学があることを知らずに苦しんでいる人たちに広く知らせる」「私にとって夜間中学、それは人生の宝です。夜間中学で学んだことを誇りに、人生を歩んでいきたい」「なぜ私が今まで学校に行けなかったのか、それは私に責任があるのではなく、私を受け入れなかった社会に責任がある」「夜間中学校は自分を変えてくれた親のような存在と思っている。自分を成長させてくれた夜間中学を守っていきたいという想いでとりくんでいる」。卒業生は自分のコトバで語った。


 第2部では各夜間中学から夜間中学生の想いをかたった。

「17歳の時テレビで夜間中学で学べることを知った。しかし夜間中学に入学できたのは64歳であった」「(入学するまでは)暗闇を歩いている毎日だった。文字を学び、生きる勇気が湧き上がってきた。自分の考えたことを仲間に話すことができるようになった」「夜間中学を必要とする人は多くいる。夜間中学は増やすことはあっても、減らすようなことがあってはならない」「どこに行けば青春をとりもどすことができるのか。そんなところを探して、生きてきた」「大人になって文字が読めない書けないことは仕事がないということなんです。夜間中学に出逢えていない仲間はいっぱいいるんです」「夜間中学に来ているときは楽しく、極楽なんです。しかし、学校を一歩出ると地獄なんです。そんな毎日なんです」「朝鮮学校の閉鎖でそのあと学んでいません」「兄は天王寺夜間中学の卒業生です。天王寺夜間中学を力を合わせて守っていきたい」「夜間中学のよいところはいろんな人たちから、いろんな考え方が聞くことができ、学ぶことができることです。あきらめることなく、学ぶ姿に、昼の学校だけが学ぶ所ではないんだ。社会のルールやコミュニティー能力が高められ、自分の居場所だと思っている。ただ、もうちょっと(先生の)教え方はなんとかならないかと思うことがある。15年間の引きこもりから、夜間中学に出逢え、ただ学びたいという気持ちで、学校に来れている」


第3部意見交流では「夜間中学の最大の危機です。これから夜間中学で学ぶ人たちのために、私たちが力を合わせ頑張るときです」「新しくできる学校は文の里・天王寺と比べ、交通の不便なところです。髙野さんの開設運動に掛けた想いを絶対忘れてはいけない。天王寺・文の里を廃校にする考えは夜間中学生のことは考えず、経済優先のことだけしか考えていない」

「♪…今宵も集う学び舎に/試練の嵐吹こうとも/勇気をもって進もうよ/我ら夜間中学生」夜間中学生の歌の意味を確認した。

 「文の里や天王寺に美しい花を咲かせるまで、絶対に負けたくないです。一緒に頑張りましょう」副会長はこの日の集会をまとめた。

 夜間中学生の自立した行動が、次のステージを創りだしている。各夜間中学で集会の報告を行い、さらに大きな闘いを継続することを確認して集会を終えた。


 天王寺同窓会が、卒業後も引き続き夜間中学にかかわり,活動を続ける。この日話さなかったが、同窓会役員を中心に記録された活動日数は73日を数える。なんと1年365日の2割にもなる(2023.6.5同総会総会報告)。夜間中学の廃校は絶対阻止する決意の活動報告を夜間中学関係者は忘れてはいけない。

 連合生徒会会長の手には存続の闘いの最中、8月17日亡くなられた、畑芳孝副会長の写真があった。近畿夜間中学校生徒会連合会の行動には必ず遺影の写真と一緒だ。「夜間中学のためやったら何でもする」市役所前の集会で話された畑さんのコトバが想い出される。

集会の終り、「夜間中学をつぶさせない!!」鋭い叫びが会場に響きわたった。

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