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夜間中学その日その日 (473) Journalist Worldジャーナリスト ワールド

  • アリ通信編集委員会
  • 2016年11月23日
  • 読了時間: 4分

近畿夜間中学校生徒会連合会学習会

今回の生徒会学習会は「夜間中学の大切さ-私の体験から- 話して、聞いて、考える」をテーマに夜間中学生が意見発表を行い、深めあう内容で実施された。尼崎市立成良中学に130人の近畿の夜間中学生、教員が参加した。

学習会に先立って、役員代表者会がもたれた。文部科学省に届ける要望書内容を決定した。

2016年12月1日~2日、東京で開催される第62回全国夜間中学校研究大会に近畿から参加する夜間中学生は文科省に話合いを申し入れていた。関係者の努力で話し合いが設定されることとなった。その席で、各夜間中学生の書いた手紙や、文部科学大臣に要望書を届ける予定である。

内容は5点。① 現在各地で行われている夜間中学校でのいろいろな教育活動を認め、これからも続けていけるようにしてください。② 新しくできる夜間中学校は入学を希望する人の願いがかなえるものにしてください。③ 夜間中学生の就学援助のために、関係する自治体を補助してください。④ すべての学校で少なくともパンと牛乳の補食給食が出るよう関係する自治体に働きかけてください。⑤ 今ある夜間中学校をなくさないでください。そのためにも国として広報活動を盛んにしてください。どの項目も夜間中学生が長年にわたって、議論を積み重ねてきた切実な要求である。学習者の立場に立った夜間中学のあり方を考えるに当たって、どれも貴重な意見である。文科省は耳を傾け、その実現を追求すべきである。

役員代表者会では「学齢の不登校生の夜間中学入学について」各夜間中学で出てきた意見の交流を行った。「夜学不登校中学生も、文科省受け入れ拡大検討へ」(2016.10.26 讀賣新聞)の報道記事を読み、夜間中学生が考えた意見である。

「15歳までの学齢の子どもが、今の夜間中学の学習内容にあうのかあわないのか心配だ」「学びたい、行ってみたいという気持ちがあれば続けることができるが、無理矢理、押し込めてみても続かないのではないか」「15歳までの若い子の頭と私たちの頭とは違う。拒むことはできないが、私たちが来れなくなる夜間中学にならないか心配だ」「昼の先生たちが、学校でみんなと一緒に勉強できるようにできないのに、夜に来ることができるのか」「私たちが学んでいる夜間中学で勉強したいと思うんだったら、受け入れてあげたら」等がでてきた。

生徒会連合会として、今まとめることはできない。各校で更に議論を深めることとし、同時に、手紙を書き、各校の考えを届け、12月2日文科省担当者との話合いで文科省の考えを聞く事を確認した。

続いて開かれた生徒会学習会では5人の夜間中学生が体験発表を行った。

88歳の三浦(長栄夜間中学)さんは「1941年12月8日、朝礼で校長先生から戦争が始まった話があった」「此花区の軍事工場で人間魚雷の部品を作る勤労動員に参加した」ことなど、「71年の年月を経ても記憶は消えることなく、鮮やかによみがえってくる」「夜間中学で学び、昼の子どもたちに平和の大切さを話していっている。語り、書いて、伝えていくことが私の責任だ」。

6歳のとき、家族と一緒に中国に行った加藤さん(天満夜間中学)は、中国残留孤児となって文化大革命も生き抜き、1983年日本に帰ってきた。天満の夜間中学が初めての学校だ。娘に励まされ、友だちに勇気づけられ、勉強だけでなく、行事やクラブ活動にほとんど参加している。「夜間中学に入って、本当によかった」と語った。

 金さん(天王寺夜間中学)「先輩の大西さんが生徒会役員として頑張る背中を見て勇気づけられ、自分も頑張ることができた」「学ぶことで人を変えることを知った」「日本国中を回り、出来ることをやってみたい。そして連合生徒会が残っていけるよう頑張る」。

 ハマチさん(岸城夜間中学)は子どもが学校から手紙を持ち帰ってもわからなかった。夜間中学に入りひらがなカタカナから勉強を始めた。「いま、少し自信が生まれてきた。昼の仕事がしんどくても学校は休まない」。

 黄さん(守口夜間中学)は「夜間中学に行くまでは町にあふれている字を見ても素通りしていました。夜間中学で勉強するようになってから文字が目にとまり、その言葉に心が動くようになりました。そして行動できるようになった」。

 発表を聞いて、7人の夜間中学生が語った。「勉強できたらそれでよいと思っていたが金さんの姿を見て考えが変わってきた」と語り、テーマである、「話して、聞いて、考える」から更に「行動する」ことの大切さが共有できる学習会に昇華していった。

 学習会に参加していた髙野さんも感想を求められ発言した。「今年は、1966年11月29日、行政管理庁の夜間中学早期廃止勧告から50年目だ。この勧告を乗り越え、夜間中学の開設を勝ち取ってきたのは学びを求めた夜間中学生自身だ。歴史の生き証人として、夜間中学生であることを誇りに、生きて言ってほしい」。

2016年11月26日、大阪市立文の里中学で開催される学習会 「これからの夜間中学を考える(――“行政管理庁:夜間中学早期廃止勧告”50年を迎えた今、私たちは――)」の案内を受け、この日の集会を終えた。

 真っ赤に燃える校庭の木々の紅葉のように、参加者の心には勇気の炎がわき上がってきているように思った。

 この日はテレビ大阪の取材があり、2016.11.17集会の様子が報道された。

 
 
 
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