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夜間中学その日その日 (1053)   夜間中学資料情報室

  • journalistworld0
  • 9月29日
  • 読了時間: 5分

   第44回 夜間中学増設運動全国交流集会(その4)   2025.09.30

  

 ジャ-ナリストワールドのコラム「夜間中学その日その日」 に細川英輔さんから投稿

いただいた。  (編集部)

 

    夜間中学は「宝物」です               細川英輔


 「交流集会」は、故 畑芳孝さん・故 門脇勝さん・7月26日に亡くなった「大阪の夜間中学をつくった」髙野雅夫さんへの黙祷から始まりました。門脇さん・髙野さんは、2023年8月に高知市で開催した「第42回夜間中学増設運動全国交流集会」に参加して「夜間中学の魂(たましい)を訴えました。お二人には、「学ぶ会」が主催した夜間中学のことを学び、拡げるための学習会にも協力者として何度か出席していただき、「夜間中学への熱い想い」を語ってもらいました。門脇さん・髙野さん、本当に有り難うございました。合掌

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 その後、山口県宇部市・防府市で自主夜間中学の活動をしているお二人、山口県人権教育研究協議会・松本事務局長、教育研究者の方、4名のパネルディスカッションがありました。それぞれの活動報告を聞くなかで、私は、教育関係者ではないお二人が、どのようにして夜間中学と出会い、どうして自主夜間中学をやろうと思ったのか、夜間中学での生徒さんとのエピソード、夜間中学生の言葉を紹介しながら夜間中学の魅力を聞きたかったです。松本事務局長には、どうして県人教が県教委に対して夜間中学開設を求めるのかを語ってほしかったです。研究者の方には、何故、夜間中学を研究対象にするのかを話してほしかったです。4人の方の「語り」から、夜間中学の魅力(宝)を参加者の皆さんとともに確かめ合いたかったです。

 各地域からの報告の中で、私は、松本事務局長の「他県ではどのような道筋で夜間中学を開設することができたのか?」の質問に答える意味も含めて、2021年4月に開校した県立夜間中学が創られた経過、「学ぶ会」の運動・活動について、昨年度立ちあげた「夜間中学」議員ネットワークのこと、夜間中学生の来年度の生徒募集のポスター貼り・チラシ配布の活動について発言しました。この夜間中学生の活動は、夜間中学でなかまと共に学ぶなかで、このすばらしい夜間中学の事を拡げたい、夜間中学の事を必要としている人に届けたいという思いが湧きあがってきての行動だと思うのです。

 他の地域からも「市民運動の重要性」を示唆する提起がありました。地道にていねいに謙虚に学校・教育行政と関わっていくことで、やっと信頼関係が生まれてきたという意見に私は大きく頷きました。

 2日目は、京都市の自主夜間中学「いいあす」に通う「学校に行かない・行けない子どもたち」がつくったDVDを視聴しました。「不登校の子どもたち」が「いいあす」だったらどうして行けるのか、元気になるのか、「不登校の子どもたち」の居場所に夜間中学がどうしてなれるのかを「子どもたちの声」からも聴きたかったです。

 島根県おおだ夜間中学では、隣保館を会場にして、人権行政から「補助金」を受けて開催しているとのことでした。解放運動との関わりのなかで実施されているのではないかと思いました。そのことを詳しく聴きたかったです。この地域では、公立夜間中学開設の運動はまだ早いのではないか?という問いかけもありました。その意味合いを教えてもらいたかったです。

 新潟県新発田自主夜間中学は、新潟県の教職員組合員からの報告でした。「定時制の生徒さん」に背中を押されて夜間中学を行うようになった、と話してくれました。「定時制の生徒さん」には「夜間中学の魅力(宝)」が分かるのだ、と思ったことでした。

 「自主夜間中学と公立夜間中学とは夜間中学運動の両輪である」という意見もありました。私は、2016年12月に成立した「教育機会確保法」以降につくられた「公立夜中」と「自主夜中」との関係は、「公立」ができない・とどかないところを「自主が補完」していくという立場で両輪として共存していけたらよいのかなと今は考えています。

上記のようにどの発言・意見・報告も夜間中学運動にとって貴重なものでしたが、一つひとつが「いいっぱなし」になって「ふかまり」がないまま次の話題に移ってしまうので、すごく「もったいない」と思いました。「テーマ」を決め「討議の柱」を立てて、それに基づいて話し合いを深めていくという手法を考えてみてはどうでしょうか?

 夜間中学生・学習者が13名参加していると聞きましたが、直接「夜間中学生」の声が聞けなかったのは残念でした。昨年度の名古屋集会では「夜間中学生の声のなかに『こたえ』がある」という発言もありました。私たち「学ぶ会」は、学校の協力も得て夜間中学の学校訪問を実施しています。そのなかで参加者と夜間中学生が交流する時間もとっています。生徒さんの話を生(なま)で聴かせてもらうことで、「夜間中学生の声に学ぶ」大切さを実感しています。

 今回の「交流集会」には夜間中学関係者だけでなく、前述したように、「人権・同和教育運動をすすめている人」や「教職員組合運動のなかで人権教育を推進している人」が参加していました。大阪の白井さんから「夜間中学は宝物か、お荷物か?」という問題提起がありました。「夜間中学・夜間中学生のなかに宝物がある」といち早く気付くのは「この人たち」だと思うのです。「夜間中学はあってはならないけれど、なくてはならない学校」の「あってはならない学校」の部分も、「この人たち」を中心にして昼間の学校の先生方に拡げていくことができるのではないでしょうか?

 私も人権・同和教育運動、教職員組合運動のなかで髙野雅夫さんや夜間中学運動と出逢いました。各市・都道府県・全国の人権教育研究集会(大会)や教職員組合の教育研究集会で、夜間中学についてのレポート報告が増えるように、私なりにさらに関わっていこうと強く思った「全国交流集会」でした。

 「交流集会」終了後数日経ってから、映画「35年目のラブレター」の主人公のモデル・西畑保さんに山口で紹介してもらった泉佐野市立佐野中学校夜間学級教頭の竹田隆さんから電話がありました。「当日、『学ぶ会』が配ってくれた高知県人権教育研究協議会が作成した9月1日発行の広報誌『人権教育』を読ませてもらいました。『夜間中学と35年目のラブレターを語る会』の報告のなかに、たくさんの大事なことが書かれていて、大変勉強になりました」という嬉しいメッセージをいただきました。夜間中学運動を通して、また一つ素敵な「繋がり」ができました。感謝を込めて

 

編集部:高知の粘り強いとりくみが地殻変動を起こし、共振させ動かしていく変化を再認識しました。さすが「寅彦と冬彦」の土佐だと。

 
 
 

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