夜間中学その日その日 (1051) 夜間中学資料情報室
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- 3 日前
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第44回 夜間中学増設運動全国交流集会(その3) 2025.09.23
ジャ-ナリストワールドのコラム「夜間中学その日その日」 に細川千鶴さんから投稿いただいた。 (編集部)
私も応援しています 細川千鶴
山口の4名のパネルデスカッションの後、ある方から「誰のための夜間中学なのか」という質問がありました。そのことについては、誰もが「夜間中学を必要としている人のため」という同じ答えをもっていると思います。ただ、教育行政の問題や他のさまざまな問題が関わってくるので、自分たちが思っているようにスムーズにはいかなくて、進んでは、後戻りしている状況があります。質問された方の気持ちも分かりますが、行政とはせめぎ合うことも必要だと思いますが、最後には折り合い、お互いさまの関係を築くことが大事です。
この研修会でよく出てきたことは、「自主夜間中学」と「公立夜間中学」との連携ということでした。高知は「公立夜間中学」しかないので、分からない部分もありますが、「自主夜間中学」には「自主夜間中学」のよさがあり、「公立夜間中学」には「公立夜間中学」のよさがあり、またそれぞれに課題もあります。まずは、お互いがその良いところと課題を知るところからのスタートだと思います。そのためには、お互いが話せる、交流する場をたくさんもてたらいいと考えます。うまく連携がとれるようになると、生徒さんも「自主夜間中学」が向いている人もいるし、「公立夜間中学」が向いている人もいるので、自分が学びたいところが選択できるようになると思いました。
2日目の京都市の自主夜間中学「いいあす」に通う「不登校」の子どもたちが出演したDVDは子どもたちの笑顔がいっぱいでした。みんながこのような笑顔になるためにはどうしたらいいのか、この笑顔をなくさないようにするには、どのようにしたらいいのか、考えさせられました。私の願いは昼間の学校でもこのような笑顔がたくさん見られるようになることです。
2日目の午後は、「自由参加の交流」でしたが、ここでは少ない人数の中で自分たちの悩みも出されていました。そのなかで「生徒さんと先生との人間関係」のことも出されていました。夜間中学は、年齢も育ってきた環境も違っているので、難しい問題だと思いました。ついつい教師の立場から考えてしまいがちな自分がいることに気付かされました。

全国から集まった夜間中学関係者の話を聞きながら、高知の「公立夜間中学」のことを考えました。高知の夜間中学は、開校5年目になりますが、初めは高知県教育委員会も学校も私たちもどのように進めていったらいいのか分からず、手探り状態でしたが、5年目になった今、学校の先生方も授業の進め方を生徒さんに合わせて進めてくれていたり、教頭先生が生徒さんに「どんなことがしたいのか」アンケートをとってくれたりしています。先生方から「生徒さんから学ぶことも多いです」という声も聞かれました。そして、生徒さんも生徒募集のチラシやポスターを配って回ってくれたりと全体が随分と変わってきました。「学ぶ会」ではどんな手助けがどんなときにできるのか、だんだん分かってきたように思います。このことは、全国にも誇れることではないかと思い、2日目の最後に高知の今の姿を発言させていただきました。
高知に帰ってから「町内の掲示板にチラシを貼らせてほしい、公民館にチラシを置かせておらえないか」とお世話役の方にお願いしました。すると、さっそく役員会にそのことを話してくださって、なんと町内全戸にチラシを配布してくれることになりました。そのお世話役の方が「自分たちにもできることをしたい」とおっしゃってくれました。その気持ちがとてもうれしかったです。みんなが応援している「高知の夜間中学」です。そのこともまた、機会があれば全国に発信できたらいいと考えています。
編集部:髙野さんは「全国交流集会はどうでした?」と同じ質問を参加したいろんな人に質問しているはずだ。髙野さん自身が参加していても、同じ質問をしていた。髙野さんが受け止めたことと同じか否か、自身の感性を確かめていた。そして、フットワークが悪くなった自分の体に悔しさをにじませながら、私たちの立ち上がりを期待していた。原則を外さない人であった。
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