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夜間中学その日その日 (540)

  • アリ通信編集委員会
  • 2017年12月13日
  • 読了時間: 3分

特別展「夜間中学生展12.09」(23)

 大阪人権博物館特別展示室は不思議な空間である。展示物が来館者と語り始めるということは前に書いた。三重県から車で駆けつけたという方がこの日最初の来館者だ。三重県であった全同教大会に参加した髙野さんが、知り合いになり、訪れたという。1967年の全国行脚からさまざまな接点で夜間中学につながった人たちの来館があるのだ。大学の先生から紹介を受け訪れたという東京の大学生もある。新聞記事を見て、インターネット新聞「ハフポスト日本版」の髙野さんの記事を見てという人もある。友だちから「ぜひ見とけ」と電話がきて駆けつけた人もある。そんないろいろな出逢いのある人たちが、この空間でまた再会を果たすのだ。時間を超え、国を超え、年齢を超え、新たな出会いの場となっていることに気づいた。どこか面影が残っている。恐る恐る尋ねると50年近く会っていなかった人との再会である。次々来館される方たちとの応接で、たいへん礼を欠く対応になっていること本当にお許しいただきたい。

 「夜間中学?聞いたことがあります」から「定時制の高校みたいな中学ですか」そして「博物館に来て、初めて夜間中学を知りました」まで、夜間中学が知られているとは言えないのが現実ではないかということも再認識しなければならない。教育関係者といえど例外ではないのだ。寄せられたアンケートを見てみよう。

「『夜間中学』の言葉は聞いたことがありましたが実態については何も知らずに来ました。何と言ったらよいか分かりませんが、学ぶことの大切さが改めて分かった気がします」(40代)

「夜間中学があるのは知っていましたが今も有るとは思っていませんでした」(60代)

「今尚頑張って学ばれている方がいらっしゃること初めて知りました。夜間中学の歴史を知り感激しました」(70代)

「今日初めて知ったことだったので驚いています」(20代/青森)

「夜間中学というのを初めて知りました。無くしてはならない重要な学校であると感じました」(40代)

 このような実態を考えると、夜間中学に入学して勉強したいという人には夜間中学のことがほとんど伝わっていないと考えてもおかしくない。時間をかけ、繰り返しおこなうこと、そんな中で生まれる接点から、入学希望者に夜間中学が届けられるのだ。

 「よーう、ここまでやってくれはりました」「迫力があります」「魂に突き刺さります」・・過分な言葉だ。「第一、写真パネルの人が陳列ケースから出てきて話を聞かせてもらえるのがすごい」。「手作りの特別展の良さです。何を伝えたいか、来館者との仕切りがない展示です」「共同作品の文字がなんとも言えないです。母親が書いていた文字と同じです。とてもなつかしい」「学芸員という専門家の眼を通して構成した展示とは違う訴えがあります」等感想をいただいている。夜間中学の明日が展望できる“ポスト夜間中学生展”に歩みだそうではないか。特別展は12月16日まで。

 
 
 
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