本当の中東紛争、アメリカ帝国主義の残虐さを描き切った映画『イラク 狼の谷』
- 北口学
- 2018年10月27日
- 読了時間: 2分

古い映画でしたが、色々学ぶことが出来た作品です。日本で多く観られる事がないのは、親米日本の悲しい状況でしょうね。反米自爆の背景が鮮烈に描かれている一作でした。元来、平和を愛するイスラム教への理解もとても深まりました。 幸せな結婚式、そこへの誤爆や市民をテロリストと決めつけ、拷問や、男女米兵がイスラム教徒の市民を全裸にして積み重ね、記念撮影をしている収容所での非人道的様子なども平凡な市民の側の、イスラム教徒の視点で鋭く生々しく描き出されています。 アメリカ側の視点で報道される中東情勢。BBCにしてもCNNやABCにしても、海外の報道はキリスト教の人々のフィルターが強烈に掛かっています。全世界で流れるメディアの98%がキリスト・ユダヤ系の人々の発言とい割れています。とりわけハリウッドは従来より米国帝国主義・植民地主義を正当化する美談やプロパガンダに活用され、世界の娯楽を覆い尽くしている感がいたします。端的にその兆候が見て取れるのは「アカデミー賞」で受賞する作品を見ても一目瞭然。旧来の帝国主義や植民地主義が消えてなくなったわけでもなく、形を変えた経済的支配、軍事力や同盟国への武器供与、多国籍企業やオイルメジャー、穀物メジャー、米国の稼ぎ頭IT産業に形を変えているだけと思えます。
以前、日本企業がアジアを席巻した企業進出活動が、新たな侵略と非難された時期があります。商社マンがキーセン買春や東南アジア各地で貪欲に女性を漁っていたのは国際的な非難を浴びた時期があります。
貧富の格差が広がり、プール付き芝生の豪邸にすむ米国民。中南米やアジアの貧困、中国のアフリカやアジアへの投資とその交換条件。覇権主義とも言われますが、途上国を巡っていると多国籍企業や先進国の大企業の搾取のあまりのひどさに直面する事がしばしばあります。
一つ、視点を180度変えて『イラク 狼の谷』という作品をご覧になってくださいませ。米国では鑑賞禁止措置が取られた州もあったとか無かったとか。
非常に面白い作品でございます。
クルド民族を描いたユルマズ・ギュネイ監督が獄中から指揮をして完成させたトルコ映画『路』もおすすめですが、現在レーザーディスクしか国内では日本語字幕入りを鑑賞することはできません(私は所有いたしております うしし)。
おすすめの映画です。TUTAYAに置いてあるケースGAあります。一軒の価値がございます。