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夜間中学その日その日 (892)   白井善吾

  • journalistworld0
  • 2023年6月18日
  • 読了時間: 3分

 京都自主夜間学校「いいあす京都」が出帆した(2023.05.27)。居住地、学歴なども問わず、学びたい人が自由に訪問できる自主夜間学校と記事にあった。京都新聞(2022.11.13)には「(公立夜間中学は)居住地、最低通学日数の規定、高校卒の人の入学は原則出来ない」とあった。

 夜間中学も税金を使って運営されている以上、無駄なく、有効に執行されることというのが、当然のことである。過去に、夜間中学の運営を巡って、投下予算と、それに見合う成果の点検という視点から大きな見直しの嵐が、夜間中学現場に押し寄せた。欠席者が多い。入学生数に比べて卒業者の数が少ない。修業年限は中学校ですから3年でしょう。先生の数が多いなどが教育委員会の主張であった。背景に、議会から質問があれば説明出来るように、夜間中学を守るためにを口実に、様々な夜間中学として受け入れがたい指導が入ったことをこれまで経験している。

 昼の学校であれば、出席率95%を下ることは少ないだろう。夜間中学は70%を超えることは珍しい。理由はさまざま、健康が第一に考えられる。本人の健康だけではない、家族の看病のために休まざるを得ない。「母親、労働者、母親、夜間中学生徒、労働者」夜間中学生は一日のうち、一人何役もこなさないと教室には届かない。夜間中学生にだけ集中して生活出来ないという、夜間中学生の現実である。



 一歩を踏みだし入った夜間中学も授業は画一的で少しも理解出来ない。先生にいろいろお願いしても、一向に改まらない。もう続けることができないと答えを出してしまうことにつながってしまう危険を感じる。この場合も、学習者の都合でやめたと、一方的に学習者に原因があるとして扱っているのではないか。これが続くと、教育委員会からの指導が入ってくる。それを防ぐため、夜間中学現場や教育委員会の指導でつくった、「最低通学日数の規定」だと考えられる。

 このことばは「既卒者」とともに、私たちは初めて耳にした語彙だ。月、何日以上の出席ができることを約束し、入学の条件にされているのではないかと想像する。

 このやり方を良しとする考え方は、昼の学校の常識かもしれないが、夜間中学の常識ではない。多様な学習者の生い立ちと現実に向き合いながら、昼の義務教育の常識を問い直し、義務教育の欠落点を明らかにする役割を担うという夜間中学に教育行政は発想の転換をするべきではないか。それには、夜間中学生が学びやすい制度を創造して、多くの夜間中学生が明らかにしている、義務教育の欠落点を言葉にし、施策に活かしていく方向を追求することだと考える。昼の義務教育の常識をそのまま、夜間中学に適用することは大きな誤りである。掘り下げた議論をお願いしたい。

 「北海道に夜間中学をつくる会」総会(2023.06.10)の様子を伝える記事(北海道新聞 2023.06.16)をつくる会の工藤慶一さんからいただいた。

星友館中学の工藤真嗣さんの講演で、星友館中学が行なった、アンケート調査で93%が安心して学校生活を送れている。そうでないと7%の回答があった。「この7%に目を向け学校運営を改善しないといけないと」さらに「今後も生徒の要望や学びの状況に合わせ、カリキュラムを設定していきたい」と報告があった。

 新たな学びの創造を進める。こんな実践が行える夜間中学であってほしい。

 
 
 

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