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夜間中学その日その日 (910)  砦通信編集委員会

  • journalistworld0
  • 2023年9月4日
  • 読了時間: 4分

  42回夜間中学増設運動全国交流集会報告(2)   2023.09.04

 集会は問題提起としてパネルディスカッション「夜間中学生の声」に学ぶと「新設された公立夜間中学から見えてきたこと」を受け、意見交流と討論を行なった。

 当初、パネラーは夜間中学生に、として募られたが、一人のみで、実現できなかった。自己紹介、学校の様子、大きな問題点、課題を夜間中学生の声を受けとめて解決に向けて取組んでいることについて意見発表があった。 

 夜間中学の統廃合を進めている大阪市教育委員会に対し、近畿夜間中学校生徒会連合会がとりくんでいる闘いを紹介し、夜間中学では自立した生徒会活動が重要である。夜間中学生は学習者でありPTAの役割もある(近畿夜間中学校生徒会連合会会長)。

 同一世代ではなく、異年齢の夜間中学生が同じ空間で学び、できなかった中学校生活を今取り戻している。夜間中学生は思いを率直にぶつけ、教員はそれを受けとめる。自分史を綴っていく。そんな学びが大切ではないか(高知)。

  夜間中学生の声をひらって、困っていることを共有し、解決のために時間割の変更も行なった。学ぶ内容も検討を加えている。生徒会も一年目に発足し、自立した活動が企画されている。束縛されない自由な考え方でとりくみを行なっている(徳島)。

「できないかもわからない。ケンカになるかもわからない。しかし教えてほしい」と札幌遠友塾のとりくみに学びにくる教育委員会の姿勢が生まれ、自主夜間中学との関係になっている。夜間中学の就学援助制度の確立にとりくんでいる(札幌遠友塾)。

 パネラーはこのように報告を行なった。



 「新設された公立夜間中学から見えてきたこと」では第68回の全夜中研大会で「昼の学校の内容を夜にやる」との新設夜間中学の報告が象徴するように、全国の(悪しき)夜間中学のモデルが進行し、生徒数が半減する学校になっていると報告があった。内部議論を経て出てきたのか、全夜中研大会の資料集、記録集にも記述されている。

これら提起をうけ、公立・自主夜間中学の現状を報告しながら意見交流を行なった。


 ある教育委員会は夜間中学開設にあたり、教員募集を2回行なったが、応募者がなかった。札幌市では200人、道内市町村からも夜間中学に転勤希望があった。その地域で、教職員に夜間中学が十分認識されていない。教育委員会担当者が毎回、自主夜間中学を訪れ、夜間中学生と向き合いながら開設準備を進めてきたからではないだろうか。

夜間中学担当として辞令が出るまで夜間中学の事は知らなかった。しかし、前任者の後ろを追っかけるようにして、夜間中学生の想いに耳を傾け、とりくんでいる。

交わされた議論を箇条書きにすると、


① 夜間中学を支える組織の役割と重要性について。

 「橿原に夜間中学をつくり育てる会」の活動として卒業生の学びの場「ひびき」を土曜日に、畝傍夜間中学で行なっている。理解のない教師の振る舞いに、「35日のストライキ」を夜間中学生は行なった。「だめな夜間中学なら、自主夜間中学をもう一度立ち上げる」と宣言したつくり育てる会の果たした役割。

「千葉県夜間中学を考える会」(2023.08.02)を設立。千葉県との話し合いを進め、千葉県内の自主・公立夜間中学との交流を行なっていく。


② 生徒数が減少していることについて。

夜間中学があることも、内容も、現役の教職員、教育行政担当者すら知られていないのが実態だ。学びたいと願っている人たちにも伝わっていない。2015年の公立夜間中学と2022年の同じ学校の生徒数を比較すると663人減少している。なぜなのか?


③ 夜間中学の「まなび」について

新しく活動をはじめた夜間中学は、同一年齢を対象とする授業から、そうではない、多様な学びに暗中模索の毎日であろう。この経験はとても重要であるが、先発の夜間中学は夜間中学生の学びを支える「授業の実践記録」を明らかにすることはできないだろうか。全夜中研51回大会で各夜間中学から夜間中学生の主張を募り、『夜間中学生―133人のメッセージ』(2005年東方出版)を出版した経験がある。現在の夜間中学生の主張は67回の新聞連載を収録した『夜間中学はいま』(2023年 産経新聞大阪本社 夜間中学取材班)が9/1発売になる。記載された各夜間中学の実践を拾うことも参考になると考える。




④ 授業と学びについて 

教育委員会、その意向を受けた管理職からの束縛、それを乗越える現場の実践力の低下。そして教員に分断を持ち込む教育行政の手法。教えるではない、共に学ぶ姿勢が重要ではないか。


⑤ 「文の里・天王寺夜間中学の存続の闘い」の現状報告があった。

私たちは決してあきらめていない。さらに支援の署名の訴えがあった。「学校を、勉強を面白くしてほしい」夜間中学は生徒がPTAだ。先生の「教えたるから共に学んでいく」姿勢の変革の主張があった。(つづく)

 
 
 

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